読売屋天一郎: 長編時代小説 (光文社文庫 つ 15-1 光文社時代小説文庫)
- 光文社 (2011年12月8日発売)
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感想 : 3件
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- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334763466
感想・レビュー・書評
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現在進行形のシリーズ。
現状4巻まで。
(2014.09.16)
元旗本の読売屋(今で言う新聞記者)が
世の悪を暴くって感じの物語。
おもしろい。
結構いんじゃないの。
改めて考えると、
訳あり新聞記者が事件解決って
2時間ドラマのサスペンスみたいだけど、
時代物では案外目新しい設定かも。
著者の代表シリーズである
『風の市兵衛』シリーズもそうだけど、
主人公の職業の設定がうまいなあと思う。
『風の市兵衛』は、実は実家が権力者っていう、
水戸黄門的勧善懲悪の世界だし、
無敵の剣術使っていうど真ん中でベタな設定だけど、
今作は少しニヒル。
腐れ役人にも腰低く、平気で袖の下を差し出す主人公。
清廉潔白な正義の味方でなく、
清濁併せ吞むリアリストって感じ。
剣術も強いけど何度も危なくなるし、
市兵衛ほど現実離れしていない。
あと、クライマックスのチャンバラが、
テンポよくて気持ちいい。
カメラが2カメ3カメに切り替わる感じ。
ある戦い、その同時刻の別の戦いみたいに。
結構斬新なんじゃないかしら。これ。
『風の市兵衛』のベタさがあんまりって人は
こっちの方が面白いかも。
ちょっとマンネリ化してきているし、
設定がおざなりになってきているし。
市兵衛。
これからが楽しみなシリーズ。詳細をみるコメント0件をすべて表示