刑事の子 (光文社文庫 み 13-14 光文社文庫プレミアム)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334766276

感想・レビュー・書評

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  • 2014.05.21.
    タイトルと表紙の感じで「やーい刑事の子ー!」ってイジメに遭う話かと思ったら違った。

  • 読みやすい軽い書き方の文章。
    内容としてはすごく考えさせられる。
    重たい小説を読んで一休みしたいときにちょうどいいボリューム感。
    事件はシリアスで描写は比較的残酷ですが、上手いことフォローされていて、気持ちが引っ張られて暗くなることもないです。

  • 主人公含め周りの人たちが皆温かくて安心して読める。
    大人になった順くんがどう成長したのか見てみたい。
    犯人の外道さに対しては最後はサラッと流されてしまったので「模倣犯」のように胸がすくような終わり方ではなかった(犯人が未成年者だったのであえてかもしれないが)


  • 才賀が天才。

    個人的に錦糸公園や砂町水辺公園などの思い出深い場所が多々出てきて、情景が容易に想像できたのでそこはよかった。
    ミステリー小説の中でも刑事の子供が捜査を進めるという観点が面白かったが、少し地味な書き方で一気に読むには難しかった。

  • 主人公八木沢順君とお手伝いさんの2人、この2人の活躍をまた見たいなぁ
    続編ありませんよね?
    あったら教えて下さーい

  • 懐かしい映画のタイトルが次々と出てきて、「こんなの知ってる中学生って、渋すぎやろ〜趣味に走り過ぎ〜」と思ってたら、全く見事にミスリードされました。
    本編とは関係なく、強烈なのは東京大空襲の話。錦糸公園の池で生き延びた篠田画伯。あの、今じゃ春には桜が見事に咲き、スポーツセンターのビュッフェでカレーを食べたりする、あの場所で70年前にあったこと。。。
    「ごめんという気持ちがあれば、警察が要らないことはいっぱいある」は、全くもって、その通り。

  • 主人公の、親子のやり取りや、家政婦ハナさんのやり取りはほっこりしているものの、犯人や、主人公の同級生(勉強は出来る子)の想像力のなさに震える。でも、こういう子、増えてるよなぁ。
    両親が離婚したことについてハナさんが語るところ、とても良かった。私は何で武装してるんだろう?

  • ちょっと古臭いけど、さすがにおもしろかった。

  • 宮部みゆきの初期の長編である「東京下町殺人暮色」
    の改題で、中身は同じ。「東京下町…」は6-7年前に読んでいるので再読となるが、内容はほとんど忘れていたので新鮮だった。
    主人公が、作中で、刑事の子、と呼ばれることが何度かあるための題だと思うが、改題は紛らわしい。

    刑事の息子の順とその友達、父の刑事と同僚、家政婦、怪しい画家とそのマネジメント、が絡み、捜査が進む。犯人やその動機がわからない中、終盤に小気味よく展開して、最後に。。。
    宮部作品らしく、入り込んで楽しめた作品。

  • 悲惨な事件。
    読み進めるうちに、主人公と、その友達以外の子供の考え方に、腹が立つ。
    少年法は、いつの世も問題になる法律。

    子供の想像力欠如。という原因が、2人の大人の口から出てくるが、私もそう思う。
    現実のニュースで、いじめや、傷害、暴行、殺人の話を見聞きするたびに、そう思う。
    最後の方で、道雄が言った言葉。
    「そういう少年たちを育てたのは、我々だ」。
    重い言葉だと感じた。

    事件そのものは、ものすごく悲惨な事件。
    でも、読了感は、すっきりしている。

  • 東京下町殺人暮色だったとは。
    買ったときは気づきませんでした(笑)
    うーっすら犯人を覚えていたけど
    二度目でも十分楽しめるテンポのよさ、
    展開、結末、読後感で大満足。
    ごちそうさまです。

  • 悲惨な事件だけど、読後はさわやか。
    そんな宮部みゆきワールドにはまってしまいました。
    順や慎吾のように、想像力のある子たちとそうでない子たち…
    周囲の人の気持ちを慮ることのできない子を育てたのは私たち世代だという道雄の言葉に同感。

  • 1990年に「東京殺人暮色」のタイトルで刊行された後、1994年「東京下町殺人暮色」に改題して文庫化。さらに2011年「刑事の子」に改題して単行本刊行し、その文庫化が本書になる。
    主人公が13歳の中学生であることから、タイトルに「殺人」という言葉が入るよりも、今のタイトルのほうがしっくりくると思う。ただ、死体のさまはかなりエグいです。
    「コレクター」や「大統領の陰謀」、「風が吹くとき」に「クリスティーン」、そして「去年マリエンバートで」と、古今東西の名作映画が会話の中に散りばめる、映画ファンにも楽しく読めて、10代のミステリー初心者の入り口にもなる長編作品。

  • 宮部みゆきを読み終わると、国語の教科書に宮部みゆきが出ていたら間違いなくみんな本を読むのが好きな子になるだろうと、いつもそう思う。

    想像力を育てるのには何が必要なんだろう。

    川辺を散歩していた母子が川に流れていたバラバラ死体を見つけてしまうところから話が始まる。
    優しい心を持つのも、自分を守るために他人を傷つけるのも同じ人間なんだよなと、考えてしまいました。

  • 川原に流れ着いたバラバラ死体から事件が始まり、刑事とその息子を中心に展開する。
    タイトルの印象よりは息子中心の物語ではなかったです。登場人物が個性的で生き生きとしてます。最後があっけないなと感じたのは模倣犯と同じでした。

  • 読感は、なるほどーという感じ。
    刑事の子、順くんがいい子。
    すっきり読めた。

  • 中学生の順が事件を解決する、ということに主眼かあるのではないと思う。
    中学生が大人と関わって、いろいろな歴史や人間関係やその歪みに触れて、何を考えるか、ということ。
    大人でも子どもでもない、柔軟に考えられる季節に、周囲の事件や関係者、親や自分を大切にしてくれる人と関わって、どう変化するか、ということにテーマがある。
    宮部みゆき作品は、初期のもののほうが、分量は少ないが、深みがあったように感じる。

  • 火炎とか篠田東吾とか聞いたことあるなぁ。シリーズものか?
    とか思ったら、昔の作品の改題かい!!

    以前読んだ本でした。

    楽しめたからいいけど、なんか変に稼ごうとしてるんじゃないかと勘繰ってしまうので、少しマイナス。

    まぁ、改題って明記されてるけど、騙された人、きっと私だけじゃないはず。
    私がどんくさいのか???

  • 刑事のもので、刑事とその息子がバラバラ殺人事件を追って行きます。
    家政婦さんがとてもいい味を出していて、誰でも武装している、という言葉が印象に残っています。
    異端児扱いの画家が出てきますが、戦時中の体験や時代背景、感情の表現が見事でした。気難しくて喧嘩の多い人だと思わせつつ、結構心のある人でした。
    あとは少年犯罪の事や、女性の心理、それぞれの考え方があって、長編ほどの読みごたえはありませんでしたが、テンポよく読めました。

  • 宮部みゆき氏の初期作品
    『東京殺人暮色』『東京下町殺人暮色』そして『刑事の子』と改題されてきた作品です

    特質すべき作品ではありませんが一番の読みどころは戦争を経験した二人の登場人物の語り口
    主役である八木沢順君の家で家政婦として働くハナさん
    事件と大きな係わりを持つことになる画家の篠田東吾
    特に花さんの『世渡りのための武器』というお話にはとても魅かれました

    中高生が読むのに最適なミステリーです

  • 改題反対・・・(´・ω・`)
    読んだことあった・・・
    マリエンバート出て来るまで気がつかんかったけど・・・
    しかも表紙のあらすじに改題って書いてあったけど・・・

    やっぱりちょっと古いテイストの内容ですが、火炎の印象がすごい。

  • 読了日20140203 一般9冊目。一気読み。

  •  本作の初出は1990年。ということは、平成の初めということになる。その数年前には昭和が控えており、その意味では古い作品だ。僕が生まれたのは1987年なので、本作の誕生とそうそう変わらない。
     にもかかわらず、何の違和感もなく本作を読めるというのは、考えるまでもなくスゴイことだ。実際、僕は「解説」にて本作が最新作でないことを指摘されるまで、そのことには気づかなかった。「古くて新しい」や「温故知新」というのではない。そもそも「古さを感じさせない」。これってスゴイことだ。

     とはいうものの、そう言われてみれば、本作は「素朴」かもしれない。さまざまなミステリー作品が生み出されている昨今、それに伴いトリッキーな作品も増えてきた。本作にはそういったトリッキーさがまるでない。どストレートにミステリーの王道を行く。だからこそ、安心して読めるし、期待を裏切らない。

     最近のミステリーを好む人には、本作は物足りないかもしれない。でも、こんな安心感――殺人事件が起きていて「安心」も何もないかもしれないが――だっていいじゃないか。


    【目次】
    刑事の子
     プロローグ
     第一章 新しい街
     第二章 犯行声明
     第三章 殺人愉快犯
     第四章 にわか刑事
     第五章 マリエンバートで……
     エピローグ
    解説 大森望

  • 読み始めて「あれ?」と思ったんですが、中学生向きだったんですね。道理で初期作品とは言え、宮部さんにしては心理描写も事件の内容も掘り下げ方が浅いと思いました。順が中学生探偵として事件を解明するのかと思いきや、後半はハナさんに持ってかれているし。ハナさん、好きだからそれはそれでいいですが、『刑事の子』というタイトルの割には物足りない気がしました。

  • シリーズであるのかな?また会いたいな。面白かった!

  • 面白かった!

    けど、刑事の息子が最後まで頑張るのかと
    思いきや後半は家政婦のハナさんのファインプレーが
    目立ちすぎて少し残念でした。

  • 時代設定の多少の古さや,
    なんとなく見通してしまうことのできる展開に
    少し残念な思いも持つが,
    さすがの表現力には感心させられる。

  • 面白かったけど、こうして見ると、作内の事件が陰惨極まりないな!

  • タイトル通り、刑事の息子がバラバラ殺人に端を発する事件を追っていく展開。刑事の自宅に、犯行を予告するような手紙が突然届き、そこに書かれていたことは・・・。

  • 子供が活躍する話は苦手な方だけど、事件はかなり猟奇的で謎が多く、しっかりとしたミステリーが楽しめた。 ただその少年がいい子過ぎ、家政婦さんができた人過ぎで、ちょっと鼻につく感があったのは私がひねくれているからなのか 笑。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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