母親ウエスタン (光文社文庫 は 35-1)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334768560

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読む作家さん。
    母親を必要とする家庭に入り込み、一つの家庭に居座ることなく時期がくると去ってゆく、流れの母親『宏美』。
    謎が多く、物哀しさ漂う物語だったが最後で少し救われた気持ちに。

    やはり子供は無条件で愛されている期間が必要なのだと改めて実感する。
    子供時代くらい、疑うことなく心身ともに安心して生活して欲しいと心から思う。

  • 「流しの母親」をやる女性の一代記みたいな作品。
    著者の長編ははじめてだが、読み甲斐のある小説だと思う。
    ストーリーもキャラクターも、奇抜なようで自然な、不思議な感触だった。展開も、ぼんやり掴めながらも収束が読めない。文章が滑らかさも加わって、なんとも引き込まれる仕上がりになっている。
    文芸として、巧い作品だった。他作も、少しずつ読みたくなる。
    4-

  • 母親のいない家庭に入り込む主人公

  • 母親のいない家庭にいつのまにか入っていき、子供の世話をする広美。
    子供たちは皆、広美に懐く。…が、いつの間にか姿を消してしまう。
    彼女はなぜそんな暮らしを選んでいるのか?
    不思議なだけでなく、ホロッとしてしまう部分がたくさんあった。

    2016.1.23

  • 良い良い.
    代替母親ってエグみがきついけど読ませてくれる.
    何よりも飯がうまそう.

  • 家族から家族へ、母親不在の家族の下へ全国をさすらう謎の女・広美の一代記。
    まずタイトルが巧すぎる。西部劇の名作がパッと思い浮かび、あの独特の世界観が現代日本に甦る。
    「おそれいりましたでございます」という不思議な言い回しも、彼女の辛い過去を知ることで深みが出てくる。人間って幸せな時には気づかない大切なことがある。一方通行ではなく、お互いが求め合うから愛が成立する。そんなことを教えてくれる秀作。エピローグの出来事もほっとする。

  •  これがウエスタンか! え? と思いながら読み進むうちに、構造的にウエスタンだ、と思わざるをえない。
     よく分からないよ!と思いながら読んでほしいけれど、あらすじレベルのネタバレを含むならばこんな感じ。

     子供たちや弱者から見れば頼もしくある人物(西部劇で言うところのガンマン、この本で言うところの彼女)が、ばったばったと洗濯物やたまった茶碗、湿った布団を片付けていき、家庭の安定を守る。
     帰ってきて!と子供が泣き叫んでも、彼女は振り返らず、前に進んでいく。
     かっこいい。
     西部劇のガンマンもこんな気持ちだったんだろうか、とか良く分からない気持ちになってくる。

     なんかすごいものを読んだ気がする。
     表紙も格好いい。

  • 初物。久しぶりに文庫化されるのを待ってた作品。設定は多分有り得ない。ヒロインに共感を持つことは勿論出来ない。けど、引き込まれて読み進んだ。最後、やっと帰る場所が見つかったヒロインにホッとしてる自分がいる。本当に不思議な作品。良い出会い。チャンスあればこの人の他の作品も読んでみよう。

  • 本気で子供のことを思う主人公、広美の姿はぐっとくるものがあった。
    だけど、本人の思いとは裏腹に子供たちの想いが切ない。
    不思議と広美に幸せになって欲しいと願ってた。
    H27.4.1~4.6

  •  いろいろな人の母親役をやってフラフラしている主人公。自分が母親になったからか、「今まで関わった子どもたちのこと、殆ど覚えていない」というのは、全然納得がいかなくて…そこは不満だけれど、全体的には面白かったので星-1で。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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