舟を編む (光文社文庫 み 24-2)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334768805

感想・レビュー・書評

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  • 読書や映画、スポーツ観戦など自分の心が大きく揺さぶられるシーンは日常に沢山あるはずなのに、いざそれを人に伝えようとすると語彙力の無さ故に「良かった」の一言になってしまう。そんな自分にがっかりすることがよくあります。

    辞書作りのお話、という予備知識があったので、語彙=辞書という単純な考えで本書を手に取りました。
    読み始めると、言葉・辞書作りに熱い思いをかける馬締をはじめとする個性豊かな登場人物に魅了され、あっという間に読み切りました。
    改めて言葉を正しい使い方で美しく使える人でありたいと思いました。

    「編む」に材料を集めて本を作るという意味があることすら知らなかった私は、広く深い言葉の海で遭難しないためにも、辞書という舟にはこれからも沢山お世話になりそうです。

  • 人の中身や本質を見てて優しさを感じた。
    そんな人たちの話で、物語が良い起伏で続いてて、最後にはいいお話があってほのぼのできた。

    誰かの情熱に情熱で応える!
    その言葉をそのとおりにしっかり感じた。

    人物像をよく見てた気がする。
    仲良くなれそうな登場人物が多かった。

  • 辞書に魅力を感じるようになるとは思わなかった。ことばは生き物、辞書が発刊されるまでの苦闘、そしてその後も絶えず変化していくこと初めて知った。
    馬締をはじめ、辞書編集部の皆さんがまた魅力的。特に西岡と岸辺からの視点は心に響いた。情熱をもち、同じ目的に向かって泥臭くも進んでいけるってカッコいい。不安になって一人なら心折れることも、仲間がいることで強くなれる。大人になってもこんな関係性ができること、羨ましい。
    馬締のラブレター、キュンとしてしまった。この本に出てくるどの夫婦も恋人も素敵だなぁ。最高に面白かった!

  • 私にとって初三浦しをんです。
    面白かった。辞書作りの大変さもやりがいも感じられてとても楽しく読めました。
    他の作品も楽しみです。オススメ!

  • 辞書に対するイメージがとても変わった作品。

    日本文学を専攻していたため、辞書には度々お世話になったがここまで辞書編纂が大変だとは思っていなかった。
    誰が何年かけて何の辞書を作ったなんて話は聞くが、実際に物語で辞書を作る過程を知っていくと大変な偉業であるというこが知れた。

  • 以前に映画を見たことがあり、原作も読んでみたいと思い手にとってみた。

    社会人として仕事をするようになって早10年ほど経ち、もう随分と長く働いた気分になっていた。

    ただ、職場をいくつか代え、関わるプロジェクトや担当範囲、クライアントもその時々で異なるため、都度新鮮な心持ちだったなと思う。

    その点、本書で題材となっている"辞書"は作成に10-15年ほどかかると言うではないか。一つのプロジェクトに対してそんな長い年月を費やすことに対して、想像ができないというのが正直な感想だ。

    一方で、本書の中に登場する人物たちは、辞書作りという一つのプロジェクトに対し、異なる役割を持ちつつも情熱を燃やし続けている。その姿を頭の中で想像し、少し羨ましくもなった自分もいた。

  • 辞書を新たに作ることの大変さと、それに関わる人々のそれぞれの想い。
    大人になって、辞書を触ることがなくなりましたが、辞書を読んでみたくなりました。

  • 辞書編集部という、出版社の中でもマイナーかつ地味な部署を舞台にして、辞書編集という、「言葉という途方もなく広く深い海原を航海する舟を編むという作業」を、とてもとても魅力的に三浦しをんさんが描く。

    それにしても一冊の辞書を作り上げるというはほんとうに気が遠くなるほど地道で根気強い、精神力のたまものなんだなぁと実感。確かにあの紙は薄くてもインクが裏写りしない、特殊なものなのだろうな、というのは元書店員だからうっすらとは感じていたが、これほどまでに編集に携わる方々の血と汗と涙が詰まった魂の結晶ともいえるものだとは。

    これからはよりいっそう国語辞典を大事に扱わなくては、と心を新たにしましたね、ワタシは。

    どの登場人物もいちいち魅力的なのですが、特に見た目や言動から感じられる軽薄さとは裏腹な誠実さや優しさをちらりと垣間見せる西岡さんが素敵だし、厳しく取っつきにくそうな荒木さんの、松本先生の葬儀の場面「どれほどの慟哭がこだましているのか」という一文が、半世紀近くを共にし人生の大半を辞書作りに費やした二人の心の絆を感じてすごく心を打たれましたね。

    さすがは本屋大賞。素晴らしい一冊だと思います。

  • 何かに没頭するって、素敵なこと。
    辞書作りという気の遠くなるような話でも、読んでいくうちにだんだん楽しくなってきた。
    言葉は時とともに、生き物のように変化していく。
    たったひとりでは成し遂げられない大きな仕事も、人々の情熱によって、長い年月をかけて、実現されていく。
    勇気と感動を与えてくれた。

    • アールグレイさん
      初めまして、ゆうママと申します。先ほどはいいねをありがとうございました。私も「舟を編む」読みました!良かったです。言葉って大事な~と思いまし...
      初めまして、ゆうママと申します。先ほどはいいねをありがとうございました。私も「舟を編む」読みました!良かったです。言葉って大事な~と思いました。
      cafeさんの本棚、拝見しました。様々な本たちで溢れかえっていますね。お互い本に癒やされているのでしょうか?ではまた、
      (^_^)/
      2021/04/10
    • m.cafeさん
      ゆうママさん、はじめまして。
      私の古いレビューにいいね押してくださって、ありがとうございます。
      「舟を編む」いいですよね。

      読んだ...
      ゆうママさん、はじめまして。
      私の古いレビューにいいね押してくださって、ありがとうございます。
      「舟を編む」いいですよね。

      読んだ本を登録して表紙を眺められるのは嬉しいです。
      それに、読書の楽しみをたくさんの方と共有できるなんて感動です。

      ゆうママさんの本棚も楽しそうですね。
      また参考にさせていただきますね。
      読書熱がまたまたヒートアップしそうです。
      2021/04/10
  • 言葉のチョイスが繊細で、とても丁寧な文章。
    心暖まる素敵な作品。
    熱を持って何かに向き合えるのが羨ましい。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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