冷たい手 (光文社文庫 み 34-3)

著者 :
  • 光文社
3.19
  • (9)
  • (36)
  • (68)
  • (20)
  • (4)
本棚登録 : 516
感想 : 51
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334778200

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 著者の作品は初読みでしたが、予想以上に楽しめました。

    本作の主人公はアパレルショップで働く朱里。

    そんな朱里の職場に訪れてきた典子は婚約した事を報告。

    しかし、典子の婚約は元彼からの告白により自ら諦めることに。

    典子を心配する朱里。

    そんな朱里に届いた典子が殺されたという一報。

    事件を追う刑事。

    そして朱里、典子に隠された悲しく辛い過去。

    徐々に明らかになる真実は思わぬ結論に。


    説明
    雨の音が聞こえる。冷たい手が伸びる―。アパレル店員として働く朱里には、隠し続ける「あの日」の過去があった。「あの日」が近づき、同じ過去を共有する典子が婚約の報告に訪れた。しかしその一か月後、典子は何者かに殺害されてしまう! 典子を殺したのは誰か。「あの日」に何があったのか。複雑に絡み合う真実の末に潜むのは、衝撃のラスト―!

  • 店長の細川はイラつくけど「真面目が故に…」なのでまだ 、許せるが、刑事の原口は悪意しかなくて イラ×②どころか鬱陶し!

    帯に「犯人を見破れるか?」っとあった為、構え過ぎて読んだ (もぅ全員 怪しく見えた(笑))。

    本当にラスト ぶりん×②に転がされ 「おぃおぃ まさか!」「!!!」「そっち かぁ~ぃ!」ってなる♪

    真実は悲しい 親子の物語だった…

  • 中盤まで、主人公が何に怯えているのか、隠しているのか分からないまま、話はしばらく続くが、続きが気になって一気読み。

    後半は濃密な展開になる。苦しい展開。

    主人公と警察のやりとりは読んでいてイライラするほどのリアルさ。


  • 帯に「あなたは犯人を見破れるか。」とあります。
    まあ、どうしてかはともかく、「この人だろうな……」とアタリをつけていた人が犯人でした。
    朱里の性格があまりよくつかめなかったかな。
    寮生活時代は、典子とよくぶつかってたとか、そんな感じがいまの描写ではあまり見当たらないし。改心したのか?

  • 刑事の原田の態度がどうにも苛立たしかった。

    なんか怪しいパン屋のおばさんやなとは思ったけどまさかこの人やったとは。。。

    朱里と典子は悪いことはしてないと思う。でも本人からしたら深い傷になっているのだろう。

    これからは前を向いて朱里に生きていって欲しい。

  • 犯人は全く予想外の人間だった。確かにこの背景まで予想できて見破れる人は相当少ないと思う。
    ただもう少しエピローグの後まで知りたかった。ゆきこと朱里がどう過去について話し合うのか、読んでみたかったと思った。
    あと気になったのは結局立花とゆきこが一緒にいるところを見た眞沢の記憶は間違っていたのだろうか。最後の浅賀の解説シーンでは、浅賀が立花、そしてゆきことそれぞれ繋がっていた説明はされたが、立花とゆきこが繋がっていたという説明はされていないような気がした。自分が見過ごしただけだろうか。

  •  アパレル店員として働く国枝朱里は、久しぶりに訪ねてきた秋葉典子から、アパレル業界では有名な室町延兼から結婚する予定であることを打ち明けられる。同じ過去の秘密を共有してきた典子が幸せになる…感慨深さを感じる朱里だったが、室町が過去に付き合っていたモデルが騒ぎ出したことで典子はネット上でもさらされてしまい、婚約は破棄となり、そして典子は遺体となって発見される。

     秘密を抱えた主人公、そしてそれを追う刑事の目線で描かれる。過去の行いは、確かに褒められたものではないのかもしれないけれど、その状況なら緊急避難で責められるものでもなく、何かと手を思い出しては苦しむ姿を見ていると、もう赦されてもいいのではないかと思える。犯人については伏線回収もされていたし、そのまんま犯人というわけでもなくミステリとしても満足。

  • 主人公達の過去の事件はものすごく可哀想だし同情する。似たような実際に起きた事件もあるのでとても重い気持ちになった。
    でも今回の物語の犯人と復讐される理由って全然納得いかなかった。ストーリー的に読者の裏をかこうとし過ぎて強引に行き過ぎたのかな。
    過去にとんでもなく辛い目に遭っているのにそれを理由に復讐とかされたらたまらないよなぁと思って読み終わりました。

  • 思わせぶりに話は展開するが・・・

    最後は、えっ!!ここでつながるの?!って感じ。

    文章は読みやすいけど、ひきつけられるーーってほどでもないかな。
    機会があればほかの作品も読んでみよう。

  • 水生さんの本を続けて読んでみようと思った。ヒヨコちゃんとは全然毛色の違う長編ミステリーだった。過去の事件にぞっとした。そして病んでしまったあの人も。被害者だからと言って何をしてもいいとは限らないと思う。朱里は前を向いて生きていけるのだろうか。ゆきこは?

全51件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

三重県生まれ。2009年、島田荘司氏選考の第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作を受賞した『少女たちの羅針盤』でデビュー。14年「五度目の春のヒヨコ」が第67回日本推理作家協会賞短編部門の候補に。20年『ランチ探偵』『ランチ探偵 容疑者のレシピ』が「ランチ合コン探偵 ~恋とグルメと謎解きと~」のタイトルでTVドラマ化。ほかに「社労士のヒナコ」シリーズ、『冷たい手』など著書多数。

「2022年 『ランチ探偵 彼女は謎に恋をする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

水生大海の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×