- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334912611
感想・レビュー・書評
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都心まで一時間半の寂れたベッドタウン・辛夷ヶ丘。20年ほど前に“ハッピーデー・キラー”と呼ばれた連続殺人事件があったきり、事件らしい事件もないのどかな町だ。それがどうしたことか二週間前に放火殺人が発生、空き巣被害の訴えも続いて、辛夷ヶ丘署はてんてこまい。そんななか町で一番の名家、箕作一族の最後の生き残り・箕作ハツエがひったくりにあうという町にとっての大事件が起き、生活安全課の捜査員・砂井三琴が捜査を命じられたのだが…。(「ゴブリンシャークの目」)アクの強い住人たちが暮らす町を舞台にした連作ミステリー。著者の真骨頂!!
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ラストにどんでん返しが待ち構えている、と言えばそうなのだが、そのどんでん返しぶりが、ちょっと普通ではない。というか、予想の斜め上を行く感じで、はぐらかされたようでもあり、まんまとしてやられたようであり、病みつきになりそうである。ガラッと視点が変わってすっきりするかと言えばそうとも言い切れないこともあり、その辺りが絶妙で、もやもや感を残しつつ、次に惹き寄せられてしまうようで、妙な魅力がある一冊なのである。もっと読みたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
権力は強し
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なかなかの悪徳警官が出てくる連作短編集。わりと毒が効いててあまり救いがない感じ。この作風自体は若竹七海らしい感じだけど、個人的には同じ作者でももうちょっとポップなタイプの作品の方が好み。
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「ゴブリンシャークの目」「丘の上の死神」「黒い袖」「きれいごとじゃない」「葬儀の裏で」「殺人鬼がもう一人」を収録。
東京都下の辛夷ヶ丘市を舞台としたイヤミス短編シリーズ。
最初のうちはブラックユーモアと言えなくもなかったが、話を重ねるにつれ、それを超えて、ひたすらイヤ~な感じに。こんな町には住みたくない。 -
最初のうちは、砂井がちょっと毒のある困った警察官
かと思ったら、だんだん。。。
まさかのラストに驚愕。
中盤までの方が私の好みだったかな。
そこまでは、ちょっとにやりの面白さだった。 -
2019/01/27読了
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20年前ほど前の連続殺人事件<ハッピーデー・キラー>以来、事件も事故もめったにないのどかな町――だったはずの辛夷ヶ丘で、悪徳(?)警察官の砂井三琴は今日も大忙し。苦みのある読後感と短編ミステリーならではのツイストが堪能できる6編を収録。