殺人鬼がもう一人

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 468
感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334912611

感想・レビュー・書評

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  • +++
    都心まで一時間半の寂れたベッドタウン・辛夷ヶ丘。20年ほど前に“ハッピーデー・キラー”と呼ばれた連続殺人事件があったきり、事件らしい事件もないのどかな町だ。それがどうしたことか二週間前に放火殺人が発生、空き巣被害の訴えも続いて、辛夷ヶ丘署はてんてこまい。そんななか町で一番の名家、箕作一族の最後の生き残り・箕作ハツエがひったくりにあうという町にとっての大事件が起き、生活安全課の捜査員・砂井三琴が捜査を命じられたのだが…。(「ゴブリンシャークの目」)アクの強い住人たちが暮らす町を舞台にした連作ミステリー。著者の真骨頂!!
    +++

    ラストにどんでん返しが待ち構えている、と言えばそうなのだが、そのどんでん返しぶりが、ちょっと普通ではない。というか、予想の斜め上を行く感じで、はぐらかされたようでもあり、まんまとしてやられたようであり、病みつきになりそうである。ガラッと視点が変わってすっきりするかと言えばそうとも言い切れないこともあり、その辺りが絶妙で、もやもや感を残しつつ、次に惹き寄せられてしまうようで、妙な魅力がある一冊なのである。もっと読みたい。

  • 権力は強し

  • なかなかの悪徳警官が出てくる連作短編集。わりと毒が効いててあまり救いがない感じ。この作風自体は若竹七海らしい感じだけど、個人的には同じ作者でももうちょっとポップなタイプの作品の方が好み。

  • 「ゴブリンシャークの目」「丘の上の死神」「黒い袖」「きれいごとじゃない」「葬儀の裏で」「殺人鬼がもう一人」を収録。
    東京都下の辛夷ヶ丘市を舞台としたイヤミス短編シリーズ。
    最初のうちはブラックユーモアと言えなくもなかったが、話を重ねるにつれ、それを超えて、ひたすらイヤ~な感じに。こんな町には住みたくない。

  •  なにその素敵な不労所得。税金もかかってないとか最高じゃない。

     正直、この辛夷ヶ丘には絶対住みたくない。なんなのその訳ありのひとしかいなさそうな町。警察もひでーなと思ってたら住人もとんでもねーわ。
     若竹らしいユーモアにあふれた連作ミステリ。ユーモアっていってもブラックユーモア。いつもよりブラックさが増してる。短編が六本入ってるんだけど、少しずつ微妙に重なってるところがあって、最終的に砂井さん最強ですね、っていうオチでした。かっこいいわ、砂井さん。
     全体的に女性が強いのがいいよね。「黒い袖」のお姉ちゃんも好きです。おお、こわ、なむなむ。「葬儀の裏で」のサクラさんもいいね。ミナミちゃんの今後も気になるところ。
     さっくり読めて面白かったです。

  • まさか文庫オリジナルや新書じゃないソフトカバーで出してくれるなんて思わなかった。人気が出てきたということだとしたらとても嬉しい。
    ほぼ確実に視点人物が何らかの犯罪を起こしている話だった。主役の女性もかなりの悪なんだけど、警察という立場からうまく立ち回るのもあって特に罰せられることがないから、ちょっともやっとしたかもしれない。積極的な殺しはやってないにせよ……
    せっかくたくさん出てきた警察関係者が後半あまり活躍しなくて残念。
    個人的には結婚式の話がかなり面白かった。

  • 【収録作品】ゴブリンシャークの目/丘の上の死神/黒い袖/きれいごとじゃない/葬儀の裏で/殺人鬼がもう一人

  • 最初のうちは、砂井がちょっと毒のある困った警察官
    かと思ったら、だんだん。。。
    まさかのラストに驚愕。
    中盤までの方が私の好みだったかな。
    そこまでは、ちょっとにやりの面白さだった。

  • 2019/01/27読了

  • 20年前ほど前の連続殺人事件<ハッピーデー・キラー>以来、事件も事故もめったにないのどかな町――だったはずの辛夷ヶ丘で、悪徳(?)警察官の砂井三琴は今日も大忙し。苦みのある読後感と短編ミステリーならではのツイストが堪能できる6編を収録。

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著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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