C級フルーツパフェ

著者 :
  • 光文社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925925

作品紹介・あらすじ

あんな男なのに、こんなにも好き!鈍感、自分勝手、神経質、うだつが上がらない…なのにキュートでしかたない男たちと、必死に愛する女たち。行き着かない思いに、もどかしさと愛おしさが溢れてくる快作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 誰かにとっては最悪だと思う自分勝手さや神経質さも、ある日突然輝いて魅力的に見える瞬間がある。
    タイムテーブルの卓男の言葉が通じないほどの神経質さもその表情を崩すことで楽しめるようになった恵美子と
    スターウォーズエイジのスターウォーズ好きの英男から名前で選ばれたと真剣に考えて泣くオビィとそれを見て爆笑する英男の関係性が好きだった。

  • 世の中的には、真っ当じゃないのかもしれない。
    でも、それでも生きてる。短編。

    高校生のころの非常勤教師と性関係だった恋ではない思い出。
    離婚しただらしない父の実家で過ごした夏の日の子供の無力さ。
    冴えない男3人での同級生の葬式の後のドライブ。

    予定通りの行動をこなす彼氏の辟易するデート。
    だめ男の諦めきれない恋の歌。
    スターウォーズ大好きな彼氏に付き合わされた結果。

    幼馴染という括りにしばられたくない出戻り同級生との微妙な関係。
    ストーカー気味の長年の成就するあてのない恋。

    p86「おまえらはおれの人生をうつくしくないと思うのかもしれんけど、おまえらはおれじゃないだろ。そんなことはおまえらが決めることじゃない」

    最後の梶さんがミキモトくんに恋するゆえにキモくなっちゃうのを、
    笑いながらもその様子を楽しんで付き合ってくれる男友達の倉持くんのキャラが優しかった。

  • 一概にダメ男とはいえない、バラエティーに富んだ男たち。
    『タイムテーブル』の細すぎる男、『君のために〜』の二股男は本当にありえない!と嫌気がさしたけれど。
    『芳野がくる』で幼い頃から特別な想いを寄せながらも別の道を歩んでいる主人公の葛藤が、芳野の娘との交流と描かれているのがよかった。
    【最初にこれだって思ったらもうそれしかないのに。】

  • 表紙の鮮やかさが気になって読んだ本。生きることはみっともないし、簡単じゃないし、傷つくことも多いけど、隣で笑って受け入れてくれる人と出会えたら、そのために挑戦していけたらと感じた。

  • だらしなさすぎる恋人に嫌気が差した私が
    次に選んだのは全てを計画通りに行動する卓男だった。
    最初のうちはスマートで無駄のない彼に感動したけれど
    毎週送られてくる週末のタイムテーブルに辟易してきた。
    予定通りにいかなかったら卓男はどうするんだろう。
    反抗してみようとするものの全ては卓男のペースで進められていく。
    「タイムテーブル」ほか全8編。
    装画:できやよい 装丁:木庭貴信(オクターブ)

    「チェルシーとドライブ」のモラトリアムな感じが
    「夏の出口」と似ている。年齢は全然違うけど。
    「君のためにぼくがつくった愛のうた」とか
    「運命の青」とか思い込みが激しすぎる人が多い。
    他人事だから面白いけれど実際にいたらやだなぁ笑
    「スターウォーズエイジ」が一番甘い。

  • 面白かった。ダメなオトコに惹かれる女心。勉強になります。

  • 3.8

  • ダメな男に惹かれてしまう私、っていうのが理解出来ないのですが、楽しく読む事が出来ました。

  • ダメ男とそれにつきあってしまう女たちを描いた短編集。

    うーん、期待せずに読んだんだけど、なかなかよかったです。R18賞をとった作家さんらしく豊島ミホさんに通ずるものがあります。面白いので作家読みしてみようと思います。

    私が一番、印象的だったのは「タイムテーブル」。私自身も計画魔だったことがあり、この彼氏は身につまされます。「だってガイドブックに書いてあったから」・・このマニュアル本に頼ってしまう感じ、わかるなあ。
    でもこんな男、即効切るでしょうと思いきや切らない女はなんと優しい・・。切ったほうがいいと思うけど。

    全体としてダメ男に共通するのは「こんな仕事、ぼくじゃなくてもやれる」とか「平凡で終わりたくない」とかそういうナルシズム。結局いい男というのは平凡な日々を淡々と送れる男ということなのかな

  • あんまり印象に残る話がなかった。
    薄ぼんやりしてる。

  • なんか、イライラするなぁ。甘ったれていて、みっともなくて、どこか「ダメなやつ」の匂いがする人物たちの日常がごたごたに盛られた短編集。味はまさにC級のフルーツパフェ。あえて低俗感を狙ったような内容の短編たちは、これ!というものがなくて、なんとなくぼんやりとしている。

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著者プロフィール

1977年生まれ。2004年「ねむりひめ」で<女による女のためのR-18文学賞>第三回大賞および読者賞を受賞、同作収録の『しゃぼん』でデビュー。著書に『グッモーエビアン!』『戦場のガールズライフ』『ミドリのミ』『ずっと名古屋』『マリー・アントワネットの日記 Rose』『女優の娘』『夢で逢えたら』『あわのまにまに』など多数。2022年『余命一年、男をかう』で第28回島清恋愛文学賞を受賞。エッセイ『おんなのじかん』所収「流産あるあるすごく言いたい」で第1回PEPジャーナリズム大賞2021オピニオン部門受賞。

「2023年 『コンビニエンス・ラブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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