田村はまだか

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925987

感想・レビュー・書評

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  • タイトルが気になって購入。
    同窓会の三次会で田村を待ちながら、集まった数人で田村のエピソードも時々交えながら個々の思い出話や人間ドラマを語る。
    よくありそうなグダグダ感がいい。
    読み進むうちに、皆が思うよう田村に会いたくなりました。
    最後の思いがけない展開と、田村に会える。
    ほっとなりました。

  • 題名を聞いたときから、
    「あれ、田村は生きてるんだよね?なんかあったりしないよね?」
    とまだ知りもしない田村を心配して読み始めた。
    ベタといえばベタな話だけど、これを連載当時読んだ人は毎回
    「田村は、まだか?」
    と絶対つぶやいていると思う。

  • これは侮れない。タイトルといい、装丁といいあまり期待はしてなかったのだけど。登場人物たちと同じ歳だからか、グダグダと友達と思い出話をする感じが好き。

  • 私も、本を読みながらマスター達と一緒に、田村が来るのをいまかいまかと待ってしまいました。
    40過ぎての同窓会、それぞれ抱えた人間模様、大人になり変わりつつも、本質的なものは変わらないよね…

  • 図書館にて。
    何といってもセリフが秀逸。かっこつけすぎてないけど、しゃれている。
    私もこのスナックに行って一緒に「田村はまだか」と言いたくなった。仲間っていうのはいいね。
    読めて本当に良かった1冊。

  • 同級会の三次会。
    いまだ来ない「田村」を待つ同級生たち。
    彼らの話から、浮き上がってくる「田村」の人となり。

    「ゴドーをまちながら」的なシチュエーションだけど、
    最後にちゃんと田村が来る(笑)

    みんな、あの頃よりオトナになって、
    それなりにいろいろあって、
    だけど、こうやって集まると、あの頃に戻っちゃう。
    同級会したいな・・・

    30~40代が一番、感情移入できるんじゃないかと。

  • 飲み屋で田村を待つ面々。飲んでるアルコールの名前で勝手に呼んでるマスターの一人称が自然で面白い。人間関係が明らかになっていくとだんだんとそれが、「~を呑む客」から「~さん」に変わっていく。事故のくだりはちょっと唐突だけど、それぞれに「いろいろある」客とマスターの味のあるお話。

  • タイトル買いしたけど、ドラマチックに仕立てるためだけに人が傷つく作品は好みでないので、星2つ。

  • 28年ぶりの小学校の同窓会の三次会に残った5人が、遅れてくる田村を待ちながら、ススキノのバーで他愛もない話をしている物語。
    バーのマスターから始まり、一人一人に焦点を当てた短編が収録されています。
    40歳の大人になった彼らは、社会に出て家族を持ち、それぞれがさまざまな事情を抱えています。

    人生って、なかなか明るいものではないし、失敗や転落、災難は、至る所に転がっているけれど、陰影があって味わい深いものだなあと思います。
    まさにバーで語るによい話。
    いまだ現れぬ人物を待ち兼ねる人々という設定が『ゴドーを待ちながら』ぽいなと思いました。

    表紙絵がまたいい味を出しています。
    マスターのくせである、左耳を揉むしぐさ。接客するにしては、ラフな格好すぎるし、なぜこの絵を?とはじめ思いましたが、マスターはこの姿勢で、田村についての話を聞いているからでしょう。

    このまま本人は登場しないのではないかと思いましたが、最後に事件発生。
    誰もが予想もしない形で、田村と再会することになります。

    彼らの話を聞いて、すっかり田村に興味を持ったバーのマスターの、粋な計らいがまたいいです。
    すっかり仲間の一員と言う感じで。

    引っ張って、引っ張って、最後にようやくバーに登場した田村。
    「田村は、まだか」幾度となく出てきたこのセリフには、早々に飽きが来ていましたが、「やっと、こられた」という彼の一言には、ぐっときました。

    こういう付かず離れずの細く長い付き合いって、いいものですね。

  • 深夜のバー。小学校の同級生5人が、同窓会に間に合わなかったクラスメートの田村を待つ。

    ストーリーは5人の脳裏をよぎる、自分たちの過去の回想を軸に展開していく。なんてことのない、けれども、あの頃あのときには確かな意味のあった出来事を、ハートにチクリと刺すような感覚で描写していく。

    人生は得てして、淡白に流れていくものであり、この小説で取り上げられるそれぞれのエピソードも決して派手なものではない。その点で、小説自体も大きな盛り上がりもなく、単調に終わっていく。あえて、「それに徹した」作品として見ることもできるが、しみじみと味わうにしても、やや物足りなさを感じた。

    【収録作】
    ・田村はまだか
    ・パンダ全速力
    ・グッナイ・ベイビー
    ・きみとぼくとかれの
    ・ミドリ同盟
    ・話は明日にしてくれないか
    ・おまえ、井上鏡子だろう

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著者プロフィール

1960 年生まれ。北海道出身。04 年「肝、焼ける」で第72 回小説現代新人賞、09 年「田村はまだか」で第30 回吉川英治文学新人賞、19 年「平場の月」で第35 回山本周五郎賞受賞。

「2021年 『ぼくは朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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