妃は船を沈める

著者 : 有栖川有栖

• 光文社 (2008年7月18日発売)

感想・レビュー・書評

[スミコさんの感想 · 2009年8月14日]

内容（「BOOK」データベースより）
所有者の願い事を3つだけ、かなえてくれる「猿の手」。“妃”と綽名される女と、彼女のまわりに集う男たち。危うく震える不穏な揺り篭に抱かれて、彼らの船はどこへ向かうのだろう。―何を願って眠るのだろう。臨床犯罪学者・火村英生が挑む、倫理と論理が奇妙にねじれた難事件。


火村先生シリーズ、中編の連作。短編と長編のダメっぷりに辟易していたので、中編のおさまり具合は丁度良かった。やっと身の丈に合った感じ。前書きは余計。連作にして初めて主人公？が生きた感じ。っていうかもうその流れから後編の犯人がわかるよね。犯人当てとしてはどうなの？と思いますが。連作にしたことによって2本の間に2年という時間の流れが入って（主人公だけでなく勿論火村先生や有栖にも）、それを後編でかみしめながら読むとちょっと胸がきゅっとします。そこが萌えポイントか？…それにしても、内容紹介ってうまいことかくなぁ。おもしろそうじゃないか。とても。

[ぴぐさんの感想 · 2009年7月24日]

内容よりも何よりも、「猿の手」の解釈に感動しそれが気になった。
ので、本編をさらっと流してしまい、その点が残念。
時間を置いて、もう一度読もうと思う。
別の2作が、実は繋がっているという構図。
一度出てきた人が主要人物意外で再登場するのは、有栖川作品では珍しいはず。
「猿の手」を通して全編語られるわけだが、結構新鮮で楽しく読めた。

[623honさんの感想 · 2009年6月23日]

猿の手

[かわべゑさんの感想 · 2009年6月13日]

090516貸出
中篇集。「妃」の黒さがいいね。

[アーニーさんの感想 · 2009年5月24日]

大阪北というあまりにもな地元話でした。
ほのぐらい

[mikikiさんの感想 · 2009年5月18日]

火村准教授。

[ちょさんの感想 · 2009年5月8日]

アリスシリーズ。

かの有名な「猿の手」を下敷きにした中篇2作を1冊にまとめた作品……ではなく、読み終えると「うぉ1冊だ！」と納得した作品。
「猿の手」を読んでから読むべし！

そして「猿の手」にこんな読み方があったかーと思わせる。新たな視点の見える逸品。
実に面白かった。

[東雲さんの感想 · 2009年4月25日]

火村英生の連作からなる長編。
本編で有栖が指摘しているように、二年間で人は変わるかもしれないけれど一部と二部で妃が変わりすぎている気がして、もやもやする。
有栖のぼけっぷりが、火村を上げるための道化に見えすぎて哀れになってくる。
新キャラの登場で、匂わすだけで一向に秘密なままな火村の過去が暴かれるのかなと。雰囲気を読まず、または好意からか暴きたててくれそうだ。

[yatoriさんの感想 · 2009年4月5日]

やっと読んだ。ミステリとしては美しい哀しさがあって好きだなあ。しかし噂のマチコさんは、ポジションとして非常に危険だと思う…！

[つぅさんの感想 · 2009年3月3日]

今回は火村先生。

連作を合わせて長編というつくり。

そういうこともあってか、今回は火村センセの内面に深く食い込むということはなかったような。
アリスは相変わらずぶっ飛んだ推理で場を和ませてくれていましたけれど。ふふふｖ（←アリスファン）

普通に考えていると真犯人までなかなか辿り着けないこの話。
犯人の動機に捻りが加えてあって、面白かったです。

有栖川作品は読むたびに甘酸っぱい気持ちで一杯になるんですが、今回の作品は甘酸っぱいというよりも物悲しい感じに浸れました。
人間って哀しい生き物よねー（何）

私だったらお妃様のように20前後の男の子を囲うんじゃなくて、40前後のオジサマを囲いたい。
でもその年でこの年の小娘に囲われてるオッサンて非常に情けないからやっぱできねぇなー。
本を読みつつそう思ったのは秘密（笑）

著者プロフィール

１９５９年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。８９年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」