- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334926182
感想・レビュー・書評
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面白かった割に何故か不完全燃焼気味にもやもやする。犯人に全く共感出来なかったせいかしら?
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臨床犯罪学者・火村英生、かつてない強敵と対峙す!
三松妃沙子。「妃」と綽名される彼女の周りには、いつも若い男たちが集まっていた。自由で貧しくて、少し不幸な彼らとの時間に彼女は、何を求めていたのか。願い事を三つだけかなえてくれる猿の手に、あるいは不穏に震える揺り籠の中で、何を祈ったのだろう。
倫理と論理が奇妙にねじれたような、不可解な二つの事件の背後には、濃くゆらめく彼女の気配があった。
臨床犯罪学者・火村英生、罪深くも誇り高い難敵に挑む。 -
火村&アリスシリーズ。
『猿の手』『3つの願い』そんな話あったなぁと懐かしい気持ちになった。新顔のコマチさんが登場。刑事の輪が広がる広がるw。
幕間のアリスの語りが個人的にすごく共感できたかな☆彡 -
所有者の願い事を3つだけ、かなえてくれる「猿の手」。〈妃〉と綽名される女と、彼女のまわりに集う男たち。危うく震える不穏な揺り籠にに抱かれて、彼らの船はどこへ向かうのだろう。――何を願って眠るのだろう。
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2011.04.16
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20110205
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中編2本と幕間の一本、どれもすっきりとまとまっていて読みやすい。
奇抜なトリックや現実には不可能な犯罪ではなく、
発想の転換や筋道だった推理によって事件が解決されるところがいい。
中編が一見何の関係もなさそうに見えて実は絡み合っているというのも一興。
幕間の行間から香ってくる雰囲気と後半一気に盛り上がる推理は有栖川有栖の骨頂か。 -
読書完了日2011年03月09日。
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所有者の願い事を3つだけ、かなえてくれる「猿の手」。“妃”と綽名される女と、彼女のまわりに集う男たち。危うく震える不穏な揺り篭に抱かれて、彼らの船はどこへ向かうのだろう。―何を願って眠るのだろう。臨床犯罪学者・火村英生が挑む、倫理と論理が奇妙にねじれた難事件。
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はしがき
第一部 猿の手
幕間
第二部 残酷な揺り籠
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三つの願い事を叶えてくれる代わりによくないことをも引き寄せる、と言われる猿の手にまつわる殺人事件と、地震という大きな揺り籠に思惑を狂わされることになる殺人事件。ふたつの事件はどちらも妃こと三松(設楽)妃沙子の身近で起きたものなのだった。犯罪心理学者・火村英生と助手兼語り手の有栖川有栖のコンビがどちらの事件にも借り出され、ああでもないこうでもないとろくでもない思いつきを言うアリスを置いて、火村先生の推理と謎解きが冴えるのである。物語の中でもすっかり有名になったこのコンビであるが、アリスの判りやすさに比べ、樋村先生の真実がなかなか見えてこないのがもどかしくもある。彼を犯罪現場に駆り立てるのはいったい何なのだろう。それが明かされるのはシリーズが終わるときのようにも思うので、知りたいようなまだ知らなくていいような、複雑な気持ちである。今回の事件では、真相をまず誰に話そうか悩んだ火村先生がいつもに似合わず揺れていたのも気になるところである。妖しく不思議な設定だがいつもながらに見事な一冊である。