- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334927158
感想・レビュー・書評
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基督教布教を禁じたころの秀吉の時代に布教のため来日した
イエズス会士を主人公にした痛快冒険物語『幻海』を読了。
布教の禁止の翻意を目的に秀吉に無謀にも近づいた司祭に対し、秀吉が提案したのは布教を東国で認める代わりに伊豆近辺の水軍を破る為の航海の手伝いをする事だった。そのうらには秀吉のとんでもない野望があったのだが、それ故に司祭らはとんでもない冒険に巻き込まれる事になる。とんでもない作り話なのだが、痛快な物語だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一種の伝奇小説という気もするが、おどろおどろしさがなく、古臭さもない。
ストーリーそのものに意外性はないのだが、サクサク読めるし、後味も悪くない。
この癖のなさが作者の持ち味なのかな。 -
タイトル的に読まざるを得なかった。中身は端から期待してなかったから別に。読めればそれで本当に良かった。
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★3.5.
舞台は秀吉の北条氏攻め時の伊豆半島。
主人公は宣教師。
歴史小説というよりも伝奇小説の色合いが濃い。 -
日本での布教活動に苦労するイエズス会士の話かと思ったら、主人公たちは北条家を滅ぼすための水軍に同行することになり、「あれ?戦記ものか?」……いやいや、話は予想していたのとは全然違う方向に。秀吉といえば金。それはわかるし、海上戦はなかなかの迫力で悪くはなかったが、全体的に深みが感じられず、何だか軽いだけの大味な印象だった。
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イエズス会士シサットは、秀吉からその知識を東国征伐に生かすよう命じられ、布教の拠点を作ることを条件に引き受けた。そして噂に聞いていた「黒い竜に守られている黄金の国」にたどり着き…。
海を舞台にした合戦モノ。でも「面舵」とか「取舵」とか叫ばれてもその切迫感がどうもピンと来なかった。宣教師の目による日本人観も他の作家の作品に比べると淡泊だった。
(C) -
バチカンから日本に布教に来て色々あって帰っていった話・・・。
歴史おんちには無理でした・・・。 -
1588年イエズス会士が長崎に上陸。その布教の行き詰まりを
打破すべく自ら秀吉太閤に直談判に向かう。そこで会見した後
会士「シサット」は本人も、そしてそれこそゼウスすら予想しなかった
大きな渦に巻き込まれていく...。
という歴史海洋小説にして、一級品の冒険小説でもある。
このシサットと岩見重太郎とのファーストコンタクトからラストまで...
なんて微笑ましくも男気に溢れた友情なんでしょう! 弱いんだよねー
こういう展開。ニヤニヤしてまうw。重太郎...完全にツンデレじゃないすかw。
...とキャラ読みにも対応出来るいい話です。
そのシサットが奇跡的にヴァチカンに戻って待ち受けている運命。
そしてその運命に対して「自由」にかつ己の使命を信じること、そして
したたかに行動することを彼はカノ国で学んだ。このラストの痛快かつ
爽やかさ! 冒険小説の醍醐味!あまり、難しい時代考証もなく
すんなりと読めます。時代ものが苦手って人でもイケます。...きっと。