上流階級 富久丸(ふくまる)百貨店外商部

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929107

感想・レビュー・書評

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  • 百貨店の女性外商員鮫島のアグレッシブな行動が印象的なお話。百貨店の売上を支えているのは外商員と上流階級の人たちなのだなと初めて知った。

  • 374ページ
    1600円
    9月6日〜9月7日

    ノルマは月1500万円。バイトからのたたき上げ、バツイチ女の静緒は富久丸百貨店の外商部に異動してきた。宝飾品や化粧品、結婚式の引き出物...お客様のあらゆるご要望に応えるのが外商員。バイヤーとして働いてきた静緒は、男社会の外商部の中で自分らしさを忘れずに奮闘する。

    始めは、外商部とは何かの説明や初期設定などが長いなと感じたけれど、真ん中を過ぎてからはおもしろさに拍車がかり、どんどん読み進めたくなった。同居することになったゲイの桝家との今後も気になる。

  • 製菓学校を卒業してケーキ屋でアルバイトをしていた主人公が、百貨店からスカウトされて百貨店の外商員(百貨店の年間売上の3〜4割を占め、お得意様カードを持っていて年間70万円以上の買い物をしてくれる上流階級の人に訪問販売などをする職業)になって奮闘する物語だった。

    外商員という職業自体、はじめて聞いた。
    上流階級の人に少しでも買ってもらうよう、家庭の事情を考慮し、作戦をたてながら営業すると知り、大変な職業だなと思った。

  • 大好きなシリーズの1作目。百貨店の外商という普段見ない世界のお仕事小説を読んでみたくて買った1冊だけれど、それぞれの顧客からのリクエストと関係性、それで成長していく主人公の静緒の奮闘が好きで何度も何度も読み返している小説。

    シリーズ通して読み返すとこの頃のツンケンしている桝屋も好きだよ。笑

  • 図書館で小説コーナーをふらふら歩いていて手に取ってみた本。結果、読んでみてすごく良かった。

    百貨店の外商という、庶民からしたら交わることのない世界の中で進む話。未知の世界なのに、主人公の女性の働き方には取り入れたい考え方や動き方があるからか、どんどん引き込まれるし共感できることも多かった。

    比喩としてマイフェアレディが出てくるけど、こういうクラシックや映画は見ておきたいな。

    印象に残ったところ:
    -セリフ「教養とは頭の中に詰め込んだテキストではない。教養とはふるまい。手間暇をかけた身なりと、正しい日本語と、落ち着き。」

    -紳士服におけるストライプ柄のネクタイはもともとイギリスではストライプの種類によって所属するグループを表す、シルクのピンドットが無難とかいう情報も面白かった。ブランドや上流・一流としての身なりにはあまり興味がない私だが、こういう背景や身なりの整え方とかは奥が深いし学んで楽しいことかもしれないと思う。

    -お持たせにするワインやスイーツを考えること、アンテナを張ることの大切さ。

  • お金持ちではなく、上流階級という方々に接するデパートの外商部の色んな意味で強い女性の小説。
    彼女の接する、所謂 上流階級の方たちの生活はやはり、この日本(資本主義)にも桁違いのお金持ちが実際にいらっしゃるということ、わかりました。
    あ〜格差社会だなぁ。
    デパートのバーゲンに喜び勇んで出かけてゆくような庶民にはイマイチ分からない部分もあるけれど、
    概ね彼女のシンデレラ的な立ち位置が楽しくて読み終えました。ヒギンズ教授に対するイライザかな。

    シリーズの続きも機会があれば!
    展開はどの場面も予想通りですね。

  • これは…まさに貴方の知らない世界。(古い)
    高殿円さんの作品は国税徴収官の『トッカン』の時といい、地続きの別次元へと誘ってくれる。
    全くちがう業界話も魅力的。シンプルにブルジョワというだけの生活を垣間見せてくれるのも、また楽しい。

    仕事柄なのか我が家は祖父の代まで外商とお付き合いがあった。孫の私は「なんでデパートの人が家に来るの?」くらしか分からなかった。お店に行けばいいのに。
    今は毎日ECサイトとフリマアプリ巡回。人の勧める高いモノ。イコール無駄。それなのに口コミを一生懸命見てはポチポチ買い物をしている。そんなオンチな私には、外商に用が無いどころか入場お断りレベルなんだな。
    無教養な人間からは、付加価値とかホスピタリティという言葉の方が逃げ出していってしまう。


    ──教養とは頭の中に詰め込んだテキストではない。
    教養とはふるまい。
    手間暇をかけた身なりと、正しい日本語と、落ち着き。
    (抜粋)

    あらま、すべてもってませんわ。
    年収550万の主人公が貴族たちに求められる姿。教養に対する努力のしかたを少しばかりは見習いたい。
    美意識は人を育てるものかもしれない。

  • 百貨店の売上の3割〜4割を占める外商を舞台にした、エンターテインメントお仕事小説。

    外商の仕事はとても幅広く、生半可な知識では到底太刀打ちできない厳しい仕事ですが、お客様に対する姿勢は、同じ接客業に携わる者として、とてもタメになる作品でした❗

    主人公の鮫島 静緒は、女性としては近寄りがたい性格ですが、仕事に対して前向きで最後まで諦めない姿勢は、この今の物を売ることが非常に難しい時代に、何かヒントを与えてくれるように感じました❗是非とも続編を読んでみたいと思う、オススメお仕事小説です♫

  • 知らない世界を知れる。
    読書の楽しみの一つです。

  • 全然そんなことないんですが
    なんだか私の雰囲気が上流階級と職場でよくいじられ。ファストファッションもセール品も大好きですよ?でもついにブクログのおすすめ本にまでこの本が出てきたのでこれはもう読むしかないなって思って図書館行ったらありました。笑

    最初の方はもうとにかくぜんっぜんはまらず、私こんなセレブじゃないしこの主人公と同じようになんかこんなお金持ちっているんだなぁってため息つきたくなるようなそんな気持ちで読んでました

    でも、どんなにはまらなくても最後まで読むのが私のモットー

    ちゃんと、はまっていきました。笑

    誰かの喜ぶ顔が見たい
    幸福になってもらいたい

    それはどんなに高いものでも、どんなに安いものでもきっと同じ。

    仕事も恋愛も、頑張れるようになれたらなぁ

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著者プロフィール

1976年兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。主な著作に「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』、『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、『マル合の下僕』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』、『主君 井伊の赤鬼・直政伝』(文藝春秋)など。2013年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。

「2023年 『忘らるる物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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