- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344000780
感想・レビュー・書評
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溢れる情報と電磁波の問題と若者の画一化した価値観を題材にしたお話。サイエンスミステリーともファンタジーともとれる。
描きたい世界は分かるがまとまりが悪かった。
大地でありアースであり阿修羅でもある佐藤ミミはとても魅力的だけど、ミミがその存在である理由が弱すぎた。そして狂った男による性暴力描写は不愉快だし必要なかったのでは?
説明役的な人物が出て来て色々解説していた。作者本人も描くの難しかったのかもと推測。感覚とかフィーリングは理解出来るけど…。
精神世界と宇宙観に阿修羅なんて萩尾望都さんの世界みたい…と思いつつ読んでたら270ページほどに、実際に名前が出てきてびっくりした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
佐藤ミミに惹かれる。健全なカラダがあってこそ、得られるものがあるように思う。規則正しい生活があって、気がつくことも多い。オイラはきっとそういうことに憧れている。不健康で自分勝手なリズムで生活することが個性的でカッコいいと思っていた時期が長かったからだ。
いつまでも携帯電話を見ている姿が嫌いだ。カッコ悪い。電車に中で学生も社会人もオッサンも片手に持った携帯を覗き込んでたり、ゲームをしてたり‥‥歩いている時まで。大勢の人が下を向いているのがちょっと気味が悪い。携帯に夢中になる分だけ、集中力とか周囲への関心とか気がつかないうちになくなってるんじゃないかって思う。 -
高度に発達した情報ネットワーク化社会は人間の身体さえも共有化していく。旧世代の人類には無い感覚を持ったニュータイプの人々の苦悩を描いた話。
近年多発している少年犯罪に対する作者の解釈を小説化したという感じ。いわゆる普通の人から見た異常者を精神病と分類してしまう社会に一石を投じている。生命というものが科学的にも100%解明されていない現状では、超能力とかあっても別段不思議ではないと思う。ただ、社会ではそういったものを受け入れることができるものが、宗教とかスピリチュアルなんとかぐらいしか無いのが問題だと。
正常・異常の境界、幸福・不幸の定義、そんなものを考えさせられた。強く生きなければ。 -
SFっぽい内容もあったけど、なんだかすごくリアルだった。
精神病の人を病院まで移送する仕事をするミミ。その移送途中に14歳の正也が逃亡して。
彼の捜索中に出会う人たちや、電磁波とやらに侵された街とかを通して自分の中に新しい過去や気持ちと出会うというようなお話。 -
どんどん電波が加速…
ここまで来るともう好きじゃないですねー。
理屈をこねまわしていかにもそれっぽく見せているんですが、如何せんやり過ぎ。
私は携帯に依存しないしなー。
女子高生とかこういう話、喜ぶんかしら。
3連作ではコンセントが最も良いです。
12.07.10 再読 -
田口ランディさんが 好きです。
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フィルターがかった日常のやりきれなさを なんとなくこういうことかと理解できた一冊
複雑なことをテーマにしてるし 重苦しさもあるけど 嫌いじゃない むしろすきな話
田口ランディのことばは不思議だ -
「コンセント」「アンテナ」に続く3部作の3作目。
「コンセント」を読んでから、随分経つ。
乱暴に言ってしまえば、精神的なオカルトの話なのだ。
それを丁寧にいろいろな視点から考えているような感じ。
小説なので細かい検証やなんかは必要ないのかもしれないが、気になる。
まあ、しかしそれでも何故か軽くツボにはまる。 -
田口ランディさん三部作の最後。
三部作通じる世界観がすきだけど、
モザイクは一番ぴたっと嵌まってしまった。
自分と世界との繋がりとか。
ぐちゃぐちゃどろどろで夢みたい。 -
三部作の最後だが、前二作よりはやや薄味。それでも凄いことに変わりはない。