最後の家族

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344001213

感想・レビュー・書評

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  • ひさびさの村上龍だけれども、かわらないテイストで安心する。
    いや、安心はしないけど。トラウマ的に好きな作家なのだ。

  • 父、秀吉。母、昭子。長男、秀樹。長女、知美の4人家族がそれぞれに、社会の中で生きている姿。それぞれが持っている家族の存在の位置を各視点で表されている物語。

    現代社会で問題になっている、引きこもり、リストラ、DVの話を中心に話が進められている。

    家族の中での母親という存在の大きさを改めて知らされた。

  • 村上龍っぽくない。だけどそこがイイ。

  • 女性を救いたいというのは、DVの第一歩なんです。救いたいという思いは、案外簡単に暴力につながります。それは、相手を、対等な人間として見ていないからです。対等な人間関係には、救いたいというような欲求はありません。彼女は可哀相な人だ。だからぼくが救わなければならない。ぼくがいなければ彼女は生きていけない。

    そういう風に思うのは、他人を支配したいという欲求があるからなんです。
    他人を救いたいという欲求と、支配したいという欲求は、実は同じです。

  • 2009/04/15

  • 一つの箱の中から始まる「家族」という集合体。演劇のようにそれぞれがそれぞれの役を演じ続けることが
    幸福に繋がるわけではなく、その事に気付き各々が自らの役割ではない本当の自分に問いかける時、家族は崩壊するかに見えるがそうではなかった。
    必ずしも一緒にいて、食事を共にし、同じ空気を吸うことだけが家族のあり方ではなく、離れていても結束力の強いどんな力によっても壊されない家族をこの小説で見た。
    家族のそれぞれの視点で作品が構成されていて、自分の年齢や位置から一番共感できてわかりやすかったのは息子の視点だったが、他の家族の語りの時は新鮮で興味深かった。

  • 『限りなく…』は個人的に最悪の作品であったが、これは楽しめた。

    父は会社を解雇され、母は不倫、息子は引きこもり、娘は援助交際という状況で、家庭崩壊が進んでいる。

    しかし、ふとしたきっかけから各自はそれぞれの人生を歩みだす。

    エンディングは感動的で泣ける。

  • 生きるということの本。
    なかなか素敵。

  • 村上龍の作品にしては珍しく最後が良かった。立場、家族、というものを考える。

  • 村上龍っぽくなくて好き。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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