最後の家族

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344001213

感想・レビュー・書評

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  •  家族という集団においても、個人としての人でなければならない。
     結局、“社会的引きこもり”の秀樹を自立させたいと思いながら、いちばん“家”に拘っていたのは秀吉だった。
     今、考えてみると、柴山と同じ匂いを秀吉に感じる。つまり、DV野郎ということだ。行動にはしなくとも、言葉や存在で自立を妨げる、それを本人は気づいていない。だから自己主張が必要なのだ。思っていることを思っているままにしていてはいけない、言葉にしなきゃ、伝わるものも伝わらない。

  • 正直、驚いた。「村上龍」のニオイがほとんどしない。たとえば最初の頃の作品(悲しき熱帯、コインロッカー、フィジーの小人などなど)は、ありていに言えばセックス、ドラッグ、バイオレンスみたいなものが前面に出ていて、最近は経済的な視点のおもしろさが際立っているけれど(半島を出よ、希望の国のエクソダスなど)、これはどちらにも当てはまらないような気がする。
    氏には珍しい群像小説。そして珍しく、毒々しさがない。「村上龍」初心者にはいいのかも……と思ったけれど、これを初めて読んで次にフィジーあたりを読んだら、その読者は失神してしまうかもしれない。

  • 何度となく同じセリフが続き、あれ?これさっきも読んだけど・・・って感じで読み終わっているハズなのに前に進んでいない感覚。4人家族、それぞれの問題を解決するにはそう簡単に物事が進まない、ってコトでしょうかねぇ。人は自分の為に生きる。それが自立で、それがそれぞれの幸せに繋がるんでしょうね。

  • 自分の家族はどうなんだろう?十年後は、こんな感じで離れ離れで暮らのかも知れない。考えさせられた作品でした。

  • 引きこもりや依存などの問題にぶつかりながら、家族が成長していく話。
    最後はさわやかで、とてもよかった。

  • 崩壊しても、それぞれ歩きだすことができるならそれでいいのだ。
    家族の在り方なんて幾通りもあるのだから。

  • 重いストーリーだけど、読んでいて映画を観ているような感覚になるほど描写がリアル。

  • 家族ってなんだ?最後にひきこもりの長男が気づいたこと、誰に救われたのか。。ってところがじーんときた。

  • ある家族を一人ひとりの視点から書いている。

    救う・救われるの人間関係が常識になっている社会に、反抗してる感じかな。最終的には一人一人が自立して、他人からすれば不幸かもしれない現実を幸せとして描いてる。

  • 自分に対する自覚‐『最後の家族』
    http://d.hatena.ne.jp/kojitya/20100115/1263514626

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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