- Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344007277
感想・レビュー・書評
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続けて読むのは重かったな、と思ったのは一日目で二日目は吸い込まれるようにすごいスピードで読めた。阿波踊り、見てみたくなったな。
相変わらず生命力に溢れた気持ちのいい本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東京の旅行代理店で働く咲子は、故郷の徳島で一人で暮らす母・龍子が末期癌であと数ヶ月の命と知らされる。ちゃきちゃきの江戸っ子で、気風のいい母は、「神田のお龍」として、沢山の人々から慕われてきた。徳島に滞在し、母を看取ろうと決心した矢先、咲子は、母が自分に言わずに「献体」を申し込んでいたことを知る。それはなぜなのか?やがて咲子は、母が残した箱から、まだ会ったことのない父のことと、母の想いを知っていく―。
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人のためを思って、という行動が、半端なものではなく、相手に嫌われるでもなんでも覚悟して、正しいと思っている筋を通して報いる、というお龍さんの生き方。
姉御だ。
そりゃあ慕われる。
娘さんも悪くはないが、献体を知らないのに驚いた。
まあ、設定なので仕方ないですが、その後、知らなくても、それを知ろうとする姿勢にはよきものを感じる。
ご遺体の緑色。
緑、というのは……一言でいうと、確かに緑だけれど、普通に思い浮かべる緑ではなく、しかし他に言いようがない色です。
今でも不思議で、よく覚えている。
保存されているので、ふれると冷たく。
血はなく。
内臓もかたく、色は失われ。
あの、緑は、枯れ草の色に似ている。
ただでさえ悲しい別れなのだから、あの色は、ご遺族には見せるにしのびなく。お骨にして返すのでよかったろうと思います。
そうして自分の身体を捧げて貢献する方のおかげで、立体である人間の構造を学習出来るというのは、医学生たちにとっては、ものすごくありがたいことでしょう。
今は保存料にかわったと作中にあったので、もっと人としての形を保ったものになっているのでしょう。
一方で、最後の手記にあったように、そのようにおかれた状態は、生身とは遠く。感謝の念を抱くまでの学生の心の動きがよく表れていて。
物語の余韻とはまったく別物でありながら、あれを巻末においたさださんの構成は素晴らしいと思った。
そして臓器提供意思表示カードを書くにあたり、親が悲しむかと思い、未だに手許に未記入のまま置いてある自分と、お龍さんの願いの対象との差を思う。 -
龍は強い
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両親のこと、考えさせられるなぁ~
徳島阿波おどり、描写が綺麗。映画は見てないけど、絵が浮かんでくる感じ。
あと余談で主人公と誕生日一緒やった(^o^;)なんとなく嬉しい -
粋な女性の生き様を見事に表している。これ程強く、優しく、愛情深く、しなやかさを備えた女性を書ける、著作さだまさしが素晴らしい‼
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話のつくりがうまい。映画みたいな表現。
最後に謎がとける
良著 -
人としてこれからどう生きるべきか、生きて行きたいかを改めて考えさせられる一冊だった。