暗礁

著者 :
  • 幻冬舎
3.72
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  • Amazon.co.jp ・本 (433ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344010581

作品紹介・あらすじ

建設コンサルタントの二宮啓之を、三たび誑しこんだ疫病神・ヤクザの桑原保彦。次なる獲物は数十億円に及ぶ大手運送会社の闇のマル暴対策費。そのシノギは追いつ追われつの壮絶な裏金争奪戦となった…。リアルでコミカルなセリフ回し、白熱のバイオレンスとサスペンスが読者の興奮神経を直撃する、超弩級のエンターテインメント大作。

感想・レビュー・書評

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  • 疫病神シリーズ第三段。なかなかの長編大作でした。

    相変わらず、腐れ縁二宮・桑原コンビのやり取りが楽しい。前二作と比べると、展開、相関は一番分かりやすかった。
    二宮の声に出せない心のつぶやきもだいぶ強気に。

    このしぶとい二人の行く末をまた追っかけてしまいそう。
    次はどの業界の裏社会がテーマになるのかな?







  • 疫病神シリーズ第三作。
    今回は宅配便業者と警察との癒着に絡んだ裏金を狙う。
    前作では北朝鮮まで追いかけっこをしたが、今回は沖縄。
    このシリーズを読むと、日本で商売をするには警察とヤクザと政治家に金をばらまかないと物を一センチも動かせないのかと思えて、ワイロが横行する余所の国と変わらないではないかと思ってしまう。
    またヤクザも決して割りの良い商売ではないなと見える。あれだけ金を使って喧嘩して自分も怪我して、二宮もボロボロになって、その割には手にしたお金はそう多くない。
    喧嘩に勝っても負けても手打ちの金が要るし、後始末にも金、組にも金、残ったお金はこれだけならヤクザも大変な商売だ。
    相変わらず桑原と二宮とのやり取りが楽しい。

  • 「疫病神」シリーズ第3弾。今回は桑原から、賭け麻雀に二宮が誘われることから始まる。ただの麻雀のはずが、その裏には運送会社と警察官の間の贈収賄の疑惑があり、またしても二人はトラブルに巻き込まれていく…前作の北朝鮮の細かい描写が読みにくかったせいか、今作でも2段書きなのだが、読みやすく、意外に早く読了。桑原と二宮の性格やストーリー展開に慣れて来たせいもあるかも。正直、「早く続きが読みたい!」と思うような中毒性もないのだが、次はいよいよ、映画化された「破門」とりあえず、ここまでは読んでみる。

  • 黒川博行の疫病神シリーズ第3作。極道の桑原とカタギのコンサルタント二宮の疫病神コンビが今回狙うのはヤクザや悪徳警察官が群がる大手運送会社の裏金。大阪弁のどつきあい漫才の会話をしながら、カネの匂いに吸い寄せられる2人。

    物語は桑原に命じられ、二宮が賭け麻雀に参加したことにはじまり、二宮は窮地に陥るごとに参加したことをウジウジと悔やむ。が、カネへの執着は絶えることがない。一方の桑原は過ぎたことは気にせず、カネのためにひたすら前に進む。性格は対照的だが、カネのために体を張るところは共通。

    そして2人は関西圏を離れて沖縄へ。沖縄諸島を次々と渡りながら、ヤクザに追いつ追われつ、カネを追う。この追走劇は読者にとっての沖縄リモート観光だ。リゾートホテルあり、チャータークルーザーあり、コテージあり。沖縄に行って、彼らの足取りを追ってみたくなる。

    第1作から読み続けてみると、喧嘩にも法律にも強いヤクザとその手足となって雑業務を引き受ける非ヤクザとの組み合わせは、最強だ。様々なヤクザの収入源パターンに対応できる。本シリーズが今でも続いている要因は2人のキャラクターだけじゃない。

  • 建設コンサルタントの二宮啓之を、三たび誑しこんだ疫病神・ヤクザの桑原保彦。次なる獲物は数十億円に及ぶ大手運送会社の闇のマル暴対策費。そのシノギは追いつ追われつの壮絶な裏金争奪戦となった…。リアルでコミカルなセリフ回し、白熱のバイオレンスとサスペンスが読者の興奮神経を直撃する、超弩級のエンターテインメント大作。

    主人公は建設コンサルタントの二宮。相棒!?はチート級の腕っぷしを持つヤクザの桑原。今回は運送会社の裏金を狙います。前作『国境』のシリアスな展開と違って笑いが多め。最初から最後まで緊張と笑いが続きます。果たして二人が大金を手にする日が来るのだろうか……。

  • 疫病神シリーズ第3弾

    運輸業界と警察の癒着を暴く。

    登場人物が多いのがネックだが
    リアリティーがあり、このシリーズは好き。

    桑原の「二宮君」というフレーズが心に残る。

  • 疫病神シリーズ3作目

    相変わらずの疾走感と二人のやり取りの絶妙さ
    お互い毛嫌いしつつも金のために協力するのは毎度のことだが
    全くマンネリを感じない楽しさ

  • 「疫病神」シリーズ第3弾

  • 建設コンサルタント:二宮啓之シリーズ 第3弾。

    佐川急便汚職事件を元にした物語。

    二蝶興業のヤクザ桑原から、奈良東西急便(奈良急)の幹部との接待麻雀の代打ちを依頼された二宮。

    その接待麻雀の裏には、奈良県警幹部と奈良急との癒着があった。

    話はそれだけにとどまらず、奈良急の暴力団対策費として40億円もの金が闇に隠れているのを、桑原と二宮は掠め取るために奔走する。

    大阪から沖縄、各地でゴロをまき、ヤクザ同士での交渉は緊迫感のある読み応え。

    相変わらず、桑原達の大阪弁の掛け合いが心地良い。

    派手に殺人があったり、濡れ場があったりしないのに、長編を一気に読ませる創作力に感服しました。

  • 疫病神シリーズ第三作で、今回は沖縄諸島が舞台になる。二宮と桑原の掛け合いは相変わらず面白いんやけど、単行本はとにかく長い。最後には読むのに疲れきってしまうなあ・・・

  • 疫病神シリーズ(3)

  • 2016_09_13-0094

  • 疫病神シリーズ第3弾。

    今回は宅配業界と警察の癒着の裏にある資金を狙って、沖縄と奈良で活躍します。
    このシリーズは社会的な問題と訪問先の旅的雰囲気を融合したエンターテイメントで2時間サスペンス的なパターンを楽しむべきことがようやくわかりました。
    それにしても、このコンビは面白すぎます。
    未読は第4弾の螻蛄だけになってしまいましたが、新作も期待したいです。

  • 4月-6。3.5点。

  • これは佐川急便だな。

  • 前作のような破天荒さはないが桑原と二宮のコンビの息がぴったり合った一作。エンターテイメント性十分な作品。

  • シリーズもの。
    佐川急便がモデルか・・・。

  • 疫病神シリーズ第三弾。
    セリフが短いのが多いから二段組にしないともっとページ数増えるのかな(笑)
    テンポも良いし面白いのでかなりのめり込んで読んでいたのだが。。。
    ストーリーより後半に出てきた桑原の自前の服の「トゥイディ」で爆笑w
    おそらくひよこの「トゥイーティー」なのだろうけど、いかついおっさんがひよこ柄の服を着てるのを想像してしまった(笑)

  • なんだかスラスラ読めなかった。

  • 前作同様面白い。
    読んで損なし

  • 疫病神シリーズ3作目。
    二宮・桑原コンビ、健在。台詞回しが相変わらず小気味良く、二人のやり取りが何だか眼に浮かぶよう。シリーズを追うごとにジャイアンっぷりに磨きがかかっているような桑原だけど、二宮も二宮で桑原の扱いに関してはだんだん成長してきた感じ。してやったり、的なところも見えたりして、読んでいて楽しかった。

  • 大阪のヤクザ桑原のシリーズ3作目。
    ゴールデンウィークに時間があったので読み返し。

    桑原に引っ張りまわされる二宮が、だんだんとしぶとくなってくるのがいいですねぇ。
    会話のテンポもすごく良くて、かなり分厚い本ですが一気に読めます。

  • 疫病神シリーズ3作目。4年振りに刊行。またまた二宮を誑かして巻き込む桑原。今作はこれまで一番アングラ色が強い気がしました。全体的に重いですが、小気味好さは健在。

  • 会話を楽しむだけでもおもしろい。見開き4段430頁、
    しばし、「お目にかからない世界」を。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    建設コンサルタントの二宮啓之を、三たび誑しこんだ疫病神・ヤクザの桑原保彦。次なる獲物は数十億円に及ぶ大手運送会社の闇のマル暴対策費。そのシノギは追いつ追われつの壮絶な裏金争奪戦となった…。リアルでコミカルなセリフ回し、白熱のバイオレンスとサスペンスが読者の興奮神経を直撃する、超弩級のエンターテインメント大作。

    (借)

  • 二宮・桑原コンビ第三弾。
    もう、のっけから桑原節さく裂で一気にストーリーに引き込まれます。
    よくもまぁここまでドタバタな2人を描けるものだと感心します。

    今回は企業と警察汚職にからむやくざの抗争で、とにかく組織の名前がどっさり出てくるし、
    やくざの組関係も複雑で読むのに少し時間がかかりましたが、そのぶん最後のたたみかけがいい。
    こんなに膨大な組織の関係図がすべて頭の中にある作者って、どんだけ切れるんだろうとものすごく尊敬します。

    こういうシリーズものって、回を重ねるごとに勢いがなくなるものだけど、
    このシリーズだけはいよいよ面白くなっていくから、先が楽しみです。

  • 桑原がジャイアンなら、二宮はのびたなのだ。
    スネオではない。のびただ!

    なんというか、しょっぱなからジャイアンにヤバそうな気配を漂わせられているのに、ついつい目先のサカナに釣られて食いつく――それがのびた、二宮。
    自業自得なんじゃ・・・とここまでくると思ってしまったよ!!
    ユキちゃんに振られないように、と忠告までしたくなる。

    接待麻雀で、代打ちとして駆り出された二宮は、桑原の言うままに勝ってしまいそこから疫病神の本領発揮だ。
    まーあれよあれよと、あっちゅーまに再び二宮は関西中の極道に目を付けられ事務所は荒らされおうちにも帰れず。
    毎回毎回、命張ってギリギリなことしてんのに、どうしてジャイアンに乗せられるのか。のびただから?

    しかし毎回思うのだけど、二宮が父親のことを語るところが・・・まるで一巻の「疫病神」からコピペしたように同じ文章なのが気になります。
    それでいいのか?
    結局二宮は未だにその時のことを解決してないのね?
    複線かと思いきや! ただの思い出?
    いいですけど。
    今回は、二蝶会の嶋田さんも活躍されてましたね!
    結構すきなんです、嶋田さん☆
    てか、桑原ジャイアンがダメダエだったというか・・・イケイケヤクザで、狡賢い武闘派ジャイアン。
    それでもまだやっぱり甘い、というところかしらー?
    それで二宮といい勝負なのか・・・

    だからラストの墓前でのケンカが、微笑ましく見えてしまうのかも。
    次があるなら、今度はもう少し成長してみて欲しいものです。

  • 二蝶会の桑原。二宮企画の二宮、亡くなった父・孝之は初代二蝶会の大幹部。接待賭けマージャンから端を発し東西急便の暴対費、警官との癒着からシノギを得ようと奔走。桑原と二宮の必要悪のような関係。信頼はないが手足になる。長かったけど2人が調べたり、動いたり行き先々での出来事が次々起きて飽きずに読めた。お調子者のようなキモが据わってるような。桑原は激しいイケイケやくざ。2人の関係もつかず離れずでいい。2008.5.13

  • 一言で言うとヤクザやさんのお話(簡単にまとめすぎ)接待麻雀にかり出された二宮が、やくざの桑原とともにあれよあれよと厄介ごとに巻き込まれていく(桑原視点では自ら厄介ごとに首を突っ込んでいくと言ったほうが正しい)お話はとても読みやすい。内容は贈収賄やシノギ、ヤクザの喧嘩…など犯罪がらみが大半で、なぜ読みやすいのかよく分からなかったが、二宮桑原の会話のテンポが良いのだと思う。大阪弁が楽しい。

  • 061103 関西弁のやり取りが面白い。桑原が二宮を君付けで呼ぶときの脅しがいい

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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