- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344010901
感想・レビュー・書評
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大学院生の「僕」が山谷で、過酷な労働状況の飯場で、過ごした日々
本の中の男達の日々は、客観的に見ればお金も時間も空虚に舞っている。
工事現場で、日雇いの現場で、一生懸命働く。
得たお金は将来に投資するでもなく、自分のギャンブルや酒など日々の欲望に忠実に使う。
生き方に選択肢がないわけではない。
彼らは自ら自由気ままに生きることを選んだ。世間の一般的な幸せからは遠のくのと引き替えに。
ただ、彼らが送ってきた人生での選択肢は世間の人より狭かったことも事実
就職活動中の今、自分がどう生きたいのかを考える。
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面白いは面白いのだが、どーも大昔の山谷を上っ面だけとはいえ見てきている身としては、エラくライトだなと。学生が逃げる場所じゃぁ無いんじゃないかな。表現悪いが吹き溜まりの集まりなんだから。今は大分その匂いが消えちゃってるけどね。ただ面白おかしく書いているのではなく、若い人の体験記として書かれているところは良い。
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山谷や飯場の生活を体験してみた学生さんの手記。外から見るだけではわからないことばかりです。
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淡々とし過ぎて日記を読んでるみたいだったけど「アングラゾーン潜入ルポ」みたいな、怖いもの見たさの斜に構えた書き方のものでなかったのが良かった。
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この本はノンフィクション小説。
「山谷」(さんや)というのは、東京都台東区にある。
肉体労働を専門に扱う日雇い労働者が密集して住んでいる地域で、「ドヤ街」ともいわれる場所だ。
確か「あしたのジョー」にも、山谷のドヤ街に住む丹下段平たちが描かれていたので、ここからイメージできるのではないだろうか。
作者は大学生の時に就職活動に矛盾を感じ、未知の世界であるこの山谷に飛び込み、180日を日雇いの飯場で過ごすこととなる。
その様子を描いたのがこの小説だ。
山谷で働いている人たちは、ホームレスとは違う。
安い金額のドヤに部屋を借り、土木作業の飯場を行き来してその日の収入を得る。
煩わしい人間関係は無い。そのかわり、生活の補償も無い。
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オレのようなサラリーマンは、モロここで言う「哀れな飼い犬」そのものなのだ。
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ryot