まぼろしハワイ

  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344013858

感想・レビュー・書評

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  • ハワイに纏わる短編集。サウスポイントの後書きに載っていたのでとりあえず読みました。どれも雰囲気があって良かったです。あとがきで「これだけ書くのに五年かかった。入魂の小説集です」と言うだけあると思う。言葉の精度や主題がはっきりしているように思います。
    「まぼろしハワイ」年の近いパパの再婚相手のフラダンサーと行くハワイ。しかしパパは死んでいてそこで明らかになるフラダンサーの悲しい過去。p.83の引用が主題かな?でも、「人生は過ぎていく」っていうのが一貫したこの短編集の主題だと思う。辛いこと楽しいこと全て。
    「姉さんと僕」両親が交通事故で死亡し10歳上の姉に育てられてきた主人公が10年育ててくれた叔母の結婚式に姉と共にハワイへ行く。そして姉へのコンプレックスを理解する。親という存在についてp.172引用参照。
    「銀の月の下で」父の恋人とその子どもとハワイへ旅行へ行く帰り一人二日間遊んで帰ることにしている主人公。そこで知り合いの小説家と出会い悲しみの共通点を見つける。16のとき母とその恋人と3人で旅行したときに感じた寂しさを覆すまでの物語。これが一番言葉の精度が高かったように思います。

  • ハワイに訪れたときに感じる、あの独特な香りと神秘的な空気があたしの体をやさしく包み込む。文章から伝わってくるハワイの神様の吐息。強烈な草花、木々の香り。太陽にさらされた砂浜の熱さ。しっとりとやわらかくあたたかい海の体温。彼らはハワイに来て、心の中に沈殿している重いしこりが、そうっとあたため溶かされていく。まるで、海の波がゆらりゆらりと押し寄せてはかえしていくように。この300ページにも満たない本が、どうしてあたしをこんなにも懐かしい気持ちにさせるのか。心臓をかきむしりたくなるほど愛おしい気持ちにさせるのか

  • 途中まで

  • ハワイに関する短・中編三本。
    話としていちばんありえないけど
    「銀の月の下で」が好きかな。
    でもやはり、なにかが足りない。

  • 寒い寒い今、ハワイの暖かさが眩しすぎるほどでした。

    新年1冊目。

    なるほどなとか思いました。

  • 最初からずっとずっと半泣きで読んでた。
    私もハワイとフラをこよなく愛していた、
    大事な人を去年亡くしたから。
    でも何度もこぼれそうになる涙を止めたのは
    随所にちりばめられている、
    ハワイの美しさ。

    切なくて、ハッピーで、
    その両方で胸がいっぱいになるお話でした。

    どうしたら人はあんなにやさしくなれるのかな?
    それをハワイとフラから学ぶ事ができるなら、
    わたしだってもっともっとやさしくなれるはす。
    大好きなハワイをもっと知りたい。
    フラもたくさんレッスンしよう。
    天国から見られても恥ずかしくない踊りが出来るよう。

    今日はあざみさんのフラの才能に嫉妬しつつ、
    一曲踊ってから、寝ます。
    ばななさんにAloha and Mahalo!

  • パパが死んでしまった。
    パパの再婚相手のあざみさんと泣き暮らした末に
    一緒にハワイへ行くことに。
    フラダンサーであるあざみさんにとってハワイは馴染みの地だ。
    マサコさんという彼女の育てのおばさんの元を訪れたり
    あざみさんの初恋のおじいさんの山本さんが訪ねてきたり
    びっくりするくらいの自然と人との関わりの中で徐々に癒されていく。
    表題作他2編。

    よしもとばななのハワイ熱がこれでもか、というくらい伝わってくる。
    圧倒的な自然とかきらきらした太陽とか甘い匂いのする風とか
    そういうもののよさが切々と語られている。
    ↑こういう感じの並列文がものすごく多い。
    一人称で書かれているから主人公の思ったままを表しているのと、
    ひとくくりにはできない凄さを表しているんだと思う。

    それでもハワイに留まらないのは「銀の月の下で」にあるみたいに
    旅先が日常となることで発生するルーチンと
    自分が自分でしかないことを痛感させられるのを避けているのか。

    「姉さんと僕」の天国には順番がないという話は
    何でも思い通りにできてしまうということなのか。
    それって挫折や失敗がないのはいいけれど本当に怠惰な生活だよね。
    人間の好奇心を満足させられる楽園ってどんなところだろう。

  • フラダンスしてみようかな

  • すごく良かったです。
    そうそうハワイってそういう不思議なパワーっていうかエネルギーがあるよなぁ、と。きれいな海と空と、暑さや風や、ハワイの空気そのものを感じるような小説でした。

    3つの話、どれも良かったです。特に表題作の1番目が好きかなぁ。でも2番目のも3番目のもどれもやっぱりよかった。

    知らないうちに固くなってる身体や心が、ゆるゆるとほどけていって、じんわり温かく柔らかくなっていくような。自分自身に対しても他人に対しても、もっと心を開いて素直になれるような。ハワイってそういう力があるかも、とこの本を読んでいて感じました。

    夏休みにハワイに行くので、旅行への期待感も一層高まって楽しい読書ができました。

  • 再読。
    収録作品の『姉さんと僕』が、いい意味で「小説」という雰囲気で好き。
    『デッドエンドの思い出』が好きな人はきっと気に入ると思う。

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著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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