空飛ぶ広報室

著者 :
  • 幻冬舎
4.14
  • (1366)
  • (1475)
  • (654)
  • (58)
  • (29)
本棚登録 : 11123
感想 : 1274
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344022171

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 自衛隊大好きな有川浩。

  • 2017(H29).8.4読了
    ・有川小説は「短編連作集」的な要素が強い?

    ・「自衛隊を広報する人たち」に焦点を当て、その人たちの生き方から、国民と自衛隊の距離感やら認識の違いやらをあぶり出している

    ・しかし、軽妙な文体と誠実で前向きな登場人物の生き様に助けられ、エンタメとして読み進めることができる

    ・本作も、主人公のロマンス的な物語も絡められているが、甘々ではなく程よい距離感で話が進んでいくので、全然苦にならない

    ・というか、「有川作品に胸キュン」とか「激甘」などと、恋愛の要素を中心に評価が大きく分かれているが、個人的には、登場人物たちは、ベタ甘の恋愛感情をメタ認知してて、そういった感情をある意味客観的に認識してる(=作者がそう書いてる)ように読み取れるので、その客観さが小気味よく感じます

  • めっちゃ良かった。
    有川さんの作品は心が綺麗になる。
    純粋になって頑張ろうって気持ちになる。

    子供の頃から憧れていた夢が不慮の事故で絶たれ、それでも新しい道を発見していく姿。
    空井さんの最後の報道へのお願いもしびれます。自衛隊に寄り添う報道ではなく、国民が安心する報道をしてほしいって。
    こんなこと言われたら、稲葉さんの心境は。。。
    ただ、この二人早くくっつけとじれったく思う。

  • 連ドラを見ていたので、イメージ先行になってしまってしまいましたが
    読み進むうちに、やっぱり有川さんのお話だなぁとニマニマしてしまうところもあって、本は本として映像に引っ張られすぎずちゃんと楽しめました。
    それでも、本を先に読みたかったけどね。
    ドラマほどラブコメ要素なかったですね。有川さんにしては糖度低目ですかね。

    わたしは、阪神大震災を被災者として経験しているので、自衛隊には割といいイメージを持っているほうかな、という気がします。
    馬鹿でかいヘリが近くを飛ぶと余震かと思うくらい揺れるのですが、
    とても頼もしい存在だったと思います。

    広報官という切り口はより人間臭くておもしろい。
    専守防衛、災害救助、分かっているようで分かっていないというより知ろうとしてないことがたくさんあったんだなぁと思いました。
    実際に、この本とドラマ化で広告費に換算すればいったい何億くらいの効果があったのか。
    お仕事ドラマ、人間ドラマとしてもとてもおもしろかったです。
    話の筋がわかっていても、泣き所でしっかり泣けてしまうし。

    震災後に、書き足された「あの日の松島」。
    あの日のこと、18年前のことを思い出して、これからもしっかり生きていこうと思いました。

  • 半沢直樹に引き続き、ドラマ原作シリーズ。
    半沢直樹は、完全にドラマ>小説だと思ったけど、空飛ぶ広報室はどちらもいい!
    細かいところだけでなく、大枠のストーリーがけっこう違うのね。
    有川浩だからもっとラブを全面に押し出してるのかと思ったら全然そんなことなくて、むしろほとんど甘いエピソードはなくて、初めて有川浩でもっとラブラブしてほしいと思った。いつも甘さは要らんとか思ってたのに(笑)
    ドラマのときもそうだったけど、柚木さんのエピソードは小説でもやっぱり涙ぐみながら読んだ。職場で「女」であることで壁にぶつかる話に弱い。私はたぶん職場で理不尽な扱いは受けていないはずだしそんなに悔しい思いはしてないけど、でも私が女じゃなかったら扱い違ってたのかなあと思うことは今までに何度かあったから。
    それから最後の松島。
    ただ淡々と、稲ぴょんが空井に、震災時の松島の話を取材してるんだけど、すごく胸にせまるものがあった。それから、作者が本当に自衛隊に思い入れがあるんだなあ、と伝わってきた。

    • shadiさん
      私は、ドラマの方はみてませんが、やっぱり、「ラブ」ありでしたか(笑)知り合いに、自衛隊の仕事をしている方がいますが、実は、自衛隊について、ほ...
      私は、ドラマの方はみてませんが、やっぱり、「ラブ」ありでしたか(笑)知り合いに、自衛隊の仕事をしている方がいますが、実は、自衛隊について、ほとんど知りませんでした。この本で、少し勉強になったかも。
      2013/08/28
    • 55rodyさん
      shadiさん
      ドラマは、ラブ大前提でしたよ笑
      でも、嫌な感じではなかったです。
      有川浩さんの小説は、よく自衛隊が出てきますね〜。
      shadiさん
      ドラマは、ラブ大前提でしたよ笑
      でも、嫌な感じではなかったです。
      有川浩さんの小説は、よく自衛隊が出てきますね〜。
      2013/11/17
  • 航空自衛隊に所属する空井大祐は、ブルーインパルスのパイロットになるという夢を掴みかけた時に、交通事故に巻き込まれてP免になってしまう。パイロットでなくなった空井の転勤先は、航空幕僚監部広報室であった。
    空井が着任早々任された取材相手は、帝都テレビのディレクターの稲葉リカ。自衛隊嫌いで頭の固い彼女に強烈な出会いをかまされ、空井の広報員としての物語がはじまる。

    ドラマから興味を持って読んだのだが、ドラマではリカと空井両方の成長……と、どちらかといえばリカ寄りの構成だったのに対し、小説はあくまで広報室メンバーが主であった。
    微妙に設定が違ったりするし、ドラマを最初から見ていたわけでないから、片山と比嘉の確執(というかなんというか)など初見で面白くて興味深かった。
    柚木と槇のいちゃつきもにやにやした。笑。
    ドラマはドラマなりの、小説は小説なりの演出があるのだろう。先に原作を読んでいないこともあり、違いに反感はなく、小説とストーリーを微妙に変更した裏ではどんなやりとりがあったのだろう、なんて思ったりした。
    鷺坂(仮)さんが、自衛隊三部作で有名な有川浩さんに小説の話を持ってきて、空飛ぶ広報室が話題になって、ブクログ大賞獲ったりして、ダ・ヴィンチでも大人気で、読書家が注目して、ドラマ化が決まって、ドラマをきっかけにまた小説が興味を持ってもらったりという波ができた。その波を作った実在する鷺坂(仮)さんはすごいな、目の付け所が素晴らしい、とおもった。

  • 元・戦闘機P(ファイターパイロット・29歳)meetsどん詰まりの美人テレビD(ディレクター)。E★エブリスタ連載に、「あの日の松島」を書き下ろした待望のドラマティック長篇。
    「BOOK」データベース より

    自衛隊のことについてほんとに知らないことばかりなので、「興味をもつ」きっかけになった.自衛官も人なんです、という1文に、広報室の自衛官たちの日常のやりとりに、ハッとした.

  • 途中までは面白いなぁ、キャラがいいなぁ。と、思いながら読み進めていたのだけれど、「あの日の松島」で完全に持っていかれた。

    自衛隊に広報あるのも知らなかったし、ブルーインパルスも航空祭が地元なので生で見たことが何度もあってかっこよさも知っていたつもりだったけれど、知らない部分の方が多くて。

    無知の知というか…あまりに自分が自衛隊のことを何も知らなかったことを自覚させられました。
    でもそれが説明的ではなくて、リカと同じ視点で何も知らない状態からそこにいる人々を通して感じていく事が出来る過程が有川浩先生らしいというか、やっぱりキャラが魅力的なんだよね。

    そして前半部で平時の魅力を知った上での有事の彼らが…なんと言っていいのかわからないけれどかっこよくて。
    かっこいいという言葉で片付けることは出来ないけれど、作中の言葉を借りるなら「あなたたちは一体、どこまで私たちに差し出したら気が済むんだろうー」

    フィクションとわかってても、胸打つものがあった。

    全体的に自衛隊を擁護する内容で少し偏っているのかもしれなくて、社会的に見たら難しい問題なのかもしれないけれど。

    それでも、これは読み終わったあとに誰かに薦めたくなる胸を打つ一冊でした。

  • 読んでいて何回も泣きそうになった。
    私も、リカ以上に自衛隊に興味も関心もなかったし。ちゃんとしたことなんて何も知らなかった。
    この本を読まなかったら、今後もあまり知らないままだったんだろうなぁ。
    でも、読んだから、知っちゃったから、もうダメ。
    私は本を読む時、ドラマのイメージがついちゃうのがイヤで、広報室はドラマ3話分見ないで録画したところでやっと読了!
    晴れて3話分一気に見る。もう冒頭から泣いてしまった。
    空自の戦闘機やブルーインパルスが画面に出るだけで、よかったね!ってなってしまって。
    空井さんメインだけど、広報室の個性的な人達のつながりや、仕事が展開していって、気づけば読んでる私もなんか熱い気持ちになってました。
    だから、ドラマ…原作と違うところもあるけど、すごいね!よかったね!って気持ち高まります。
    今まで気にしたことなかったエンドロールに航空自衛隊って見つけただけで泣きそうになるぐらい。
    先に本、後でドラマ、読むタイミングもドラマを見るタイミングもベストで3倍感動してます。

  • 夢を諦めなきゃいけない話はたくさんあるけれど、なぜか陳腐じゃないのがこの本のいいところだと思う。
    何が違うのかはわからないけど。
    無条件に有川さんが好きなぶん贔屓目があるのかな?笑

    とにもかくにも、諦めるだけじゃなく違う生き方を見つけるということがテーマ。
    この怪我が自分じゃなければ、と思うのは自然だろうけど、
    そこを乗り越えた空井には、広報という彼なりの新しい空を得られた。
    乗り越えるって簡単に聞こえるけど、やってみると案外難しいこと。
    やりたいことができるって実はすごくレアだよねって思わされた。

    言わずもがな鷺坂室長がかっこよすぎる。ずるい。
    あんな上司ばかりならなあ。笑

    個人的にはおっさん女子柚木三佐がお気に入り。
    なんだかんだ女子が働くのはまだまだ厳しいし、おっさんになりたくなる気持ちもわかる。
    でもそこで女を捨てるのは貶めるのと一緒っていうのに私もぎくっとしちゃった。
    武器にするのも捨てるのも、やっぱり違うよね。

    あの日の松島も、収録してくれてよかった。
    あの日、消防、警察、レスキューと同じくらい働いた彼らの姿を、誰かが収めて、知らなければならないと思う。
    メディアがしないことを、本がしてくれてよかった。

全1274件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

有川浩の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×