殺生伝 疾風の少年

著者 : 神永学

• 幻冬舎 (2013年6月12日発売)

作品紹介・あらすじ

「それでも、生きろ!」時は戦国の世。近づく者の命を吸う"殺生石"を生まれながら体に宿す、信濃国志賀城の姫君、咲弥は、周囲の人間に忌み嫌われながら生きてきた。甲斐の武田晴信(のちの信玄)は、その石欲しさに志賀城に戦いを仕掛ける。一方、城から逃げだした咲弥は、道中、山奥で暮らす一吾という少年に出会う。咲弥を石の呪縛から解き放ちたいと望む一吾。しかし、武田軍の影はどこまでも執拗に追ってくる-。動乱の世、運命に抗い、生きる意志を貫く人々を描く新シリーズ開幕!

感想・レビュー・書評

[九月猫さんの感想 · 2013年7月8日]

ことの起こりは鳥羽上皇の頃に現れた玉藻の前という美女。
その正体の九尾の狐が姿を変えた岩が、のちに玄翁和尚の封魔の鎚により割られ、九つに飛び散った。
石は「殺生石」と呼ばれ、近づく者の命を吸い取るという。

時は流れて、戦国時代の信濃の国。
志賀城は武田晴信（信玄）に攻められ、最後の決戦に出ようとしていた。
佐久方面を統一せんがためというのは表向き、武田の実の狙いは殺生石。
志賀城主の娘・咲耶姫は生まれながらに殺生石を体に宿していたのだ。

殺生石を渡してはならないと両親に命じられ、お付の紫苑とともにひそかに城を脱出する咲耶姫。
逃げるうち、紫苑とはぐれた咲耶は一吾という少年と出会い、一方紫苑は咲耶を探すため、謎の忍・無名（むめい）と、ともに行動することに。

戦国エンタテインメントと謳っているだけあり、派手なアクション、妖しい術、忍に異形のもの……と盛りだくさんでそちらに目を奪われがちになるけれど、この作品は少年と少女の成長物語でもある。

呪われた身に生きる意味を見出せない咲耶。むしろ死んだほうがいいのではと思っているふしがあり、石の力によって死ねない自分を嘆いている。
出自のはっきりしないことも親がいないことも気にせず、生命力に満ちた一吾。咲耶に出会い守りたいと思うが、闘いに巻き込まれる中で大きな存在を喪失、自分の無力さを思い知る。

一吾を育てた真蔵の「生きろ」という言葉は、ただ生き延びろという意味だけではない。
「信じた道を生きろ」
一吾にとっての信じる道は、真蔵の教えてくれた信念であり、その信念とは大切な者を守るということ。生きていなければ大切な者を守ることはできない。
無名が思い出させてくれた真蔵の言葉は、心が死にそうになっていた一吾をまさに生き返らせる。

そして咲耶も自分を大事に思ってくれる人たちの思いに応えたいと願い、忌まわしい石の呪縛に抗う決心をする。

物語はまだ始まったばかりで、この巻では主役の座は無名にあるといってもいい。
だけれど、やっぱりこの作品は少年と少女の成長物語なのだと思う。
大きな敵と恐ろしい宿命に立ち向かう決意をした、一吾と咲耶。これから主役の座を奪い返す活躍が待っているはず。それがとても楽しみ。

[九月猫さん · 2013/07/18]

まっき～♪さん、おこんばんは～！
　　　　　　（また↑使っちゃいました♪）
この本、ご利用の図書館になかったですか（´･ω･`）
神永さん、人気ある作家さんなので、
近いうちに入れてくれると信じましょうっ！

新選組モノ、面白いですよね！
「薄桜鬼」は知らない間に始まっていて、気づいたときには
もうすでに終わりがけだったんですよ～(ﾉω･､)
少ししか観ていないのに、ミーハーにも「山南さん」を
「さんなんさん」と呼ぶようになりました(^m^)
しかも山南さんファンではないのに（笑）
まっき～♪さんは土方さんがご贔屓なのでしょうか？

乙女ゲー原作のアニメ、最近すごく増えてますよね。
わたしも乙女ゲーには興味がないんですけど、
アニメになると、ついつい観てしまうものも(*￣∇￣*)
まっき～♪さんは今期夏アニメではどれがお気に入りですか？
よければ教えて下さいね♪

[九月猫さん · 2013/07/19]

まっき～♪さん、こんばんは！

おおぅ、まっき～♪さんも「さんなんさん」呼びしちゃいますか！
山南さんファンでなくても、なぜか呼んでみたくなりますよね（笑）

そしてそして、推しメンは斎藤一ですか！
彼も人気ありますよねー(´∀｀*)　わたし、渡辺多恵子さんの
「風光る」の斎藤さんが大好きなんです♪
本来の斎藤さんファンには、「風光る」の斎藤さんは
イメージが違うかも？ですが(^-^;)
でもって、わたしの新撰組推しメンは、原田左之助なんですーっ！
豪放磊落なところと、遊び好きだったのに結婚してからは奥さん一筋！な
ところがツボすぎて、もーう大好きです(〃▽〃)
でも彼がメインの小説や漫画って・・・あまり無いですよね(ﾉω･､)

夏アニメの一番のお気に入り、同じだわ～（嬉）
わたしも今のところ「FREE！」が一番です。
録画して観るのですが、ＥＤが好きすぎて何度も観ちゃいます♪
１話からＥＤで気になっていたメガネくんが、本編に登場してきて
ますます楽しくなってきました！

「銀の匙」不覚にも一話目見逃してしまいました……(ﾉω･､)
次週から気をつけなきゃー。
「巨人」はコワイけどおもしろいですよね！作画兵団がんばれっ（笑）
「有頂天家族」「物語シリーズ」「魔界王子」は、まだ録画を観てないのですが
まっき～♪さんのおススメならきっと楽しめるはず！
「八犬伝」は絵がキレイだし、もふもふ好きにはたまりませんね（笑）
「空の境界」はアニメだけだとわかりにくいですねぇ。
原作を積みっぱなしなので、これを機会に読もうかなと思っています。
「ブラコン」は・・・登場人物多すぎて脱落しそうです(^-^;)

だいたい同じタイトルを観ていて嬉しいです(´∀｀*)
アニメ話、楽しいのでまたお話にきてくださいね♪

[九月猫さん · 2013/07/22]

まっき～♪さん、こんばんは☆

しつこいなんてとんでもないっ！！
大好きなアニメのお話ができて、すごく嬉しい＆楽しくてっ(*>ω<)o
毎日でも通ってきて～っ、ってお願いしたいくらいです！

「FREE！」次の回（４話）は予告がメガネくん祭り？！というくらい
レイちゃんばっかり映ってたので、すんごく楽しみにしています♪
しかし彼はなぜにずっとビキニパンツなのでしょう（笑）
リンちゃんもいいですよね～。ＥＤの最後のハルちゃんに向けられる
手と笑顔がっ！本編でも早く、みんなとあんな風に笑いあえるといいなぁ。

「巨人」の一期のOP曲(*￣∇￣*)
すごくクセになりますよねーっ！
今でも、空耳バージョンでアタマのなかぐるぐるしてます。
　♪スミマセン　ソノ右ニ　家ガーッ　
　　レバニラッ　レバニラッ　エッノキッダケーッ♪
・・・とても人前では歌えません（笑）

佐之さん、もしかして薄桜鬼ではけっこう活躍してたんですかーっ？！
いやあ、やっぱり最初から観ておけばよかったー(≧д≦)
脱退・解体後まで生きていた隊士でも
永倉さん（わたしは親愛を込めて「ぱっつぁん」と呼んでますｗ）
みたいに最期まではっきりしてるといいんですけど・・・
佐之さんは最期が・・・ねぇ。不明すぎる(Ｔ＿Ｔ）

渡辺多恵子さんの「風光る」は、女の子が男の子のフリして
新選組に入る、という少女漫画界ではありがちな設定なんですけど、
女の子なのに月代を剃っちゃったりするので驚きました。
沖田＆斉藤一が主人公の女の子にデレデレなので、
「あんなの総司（もしくは斉藤さん）じゃない！！」と怒るファンも
いるらしいです（笑）でもわたしはそんな斉藤さんが大好きなのです（笑）

秋山香乃さんの作品、まっき～♪さんのレビューを読んだときに、
読みたい本リストに書き込みましたよ♪
新選組！！な気分になったときに読もうと思ってます。

アニメ話になると長くなっちゃって……ゴメンなさいです(^-^;)
まろんさんご招待……したいですね(*´∇｀*)
最近お見かけしないので、気になって。早く本格復帰なさるといいなぁ。

[さいちさんの感想 · 2024年1月30日]

わかりやすい物語。
戦闘シーンの描写、テンポが良くて、小説なのにマンガを読んでいるかのようだった。

そもそも、図書館の辰年にちなんだ本特集の棚で、なんとなく手にした本。でも辰は？龍はどこ？…メインはまさかの九尾の狐。
次巻以降で龍が出てくるかもしれないので、続きの本を借りてみようと思う。

[morimoriさんの感想 · 2013年9月4日]

ＲＰＧを読んでいるような感覚。 てっきりこの１冊で完結なのかと思っていたら、「第一部完」とあって、続き物だった。読みながら、里見八犬伝を思い出した。 登場人物それぞれが出会い、決心をして旅に出るところまでの話。忍びの無名がなぜ旅に加わるのかとか、いろんな謎があるまま第二部へ。

[のがままさんの感想 · 2018年10月12日]

時代劇なんて久しぶり。無名はいったい何者なのか？一吾がどんな風に強くなっていくのか？第二部が楽しみ。

[skelligさんの感想 · 2018年3月11日]

困難な中で生きる強さ。それぞれ想いを持つ人が支え合っている。

[彩海本さんの感想 · 2017年6月5日]

面白かったぁー！！まだまだ続きが気になります^_^
登場人物の中に一吾という青年が出てきて、友達の子供と同じ名前だーと、感激。なかなかないんだよねぇ、こんなに読んでるけど知り合いと同じ名前の登場人物は！？
しかも、一吾！？時代ものだし！笑 いつか真右衛門も出てくるかなー？と期待してます！

恋愛あり、忍び同士の戦いありで読み応えもいい！最近私が読む時代小説には山本勘助が出てくるが、こんなにも悪役で登場したのは初！！こんなにも意地汚いやつ！！笑！それまた新しい一面でした！

神永学の小説はどれも面白いから他のも読んでみたくなりましたー！

[tanzanaiteさんの感想 · 2016年8月11日]

再読

[lilivaさんの感想 · 2015年10月10日]

動乱の世、運命に抗い、生きる意志を貫く人々が描かれたシリーズもの。
神永学さんのスピード感がある時代物のお話。
シリーズものにしては少し勇足な気がしました。

[ちこ(´・ω・)さんの感想 · 2015年3月15日]

まさかの続き物…。
中盤までは面白かったです。
最後の最後、いいたい事を全部詰め込んだ感じだったので少し残念でした。

[九重篠さんの感想 · 2015年3月14日]

戦国時代だけど、妖怪や妖術が多く出てきた。
武田信玄を操る山本勘助がいかにも悪者で、嫌いになった。
九尾の狐の復活のための殺生石を見に宿す姫の咲弥と殺生石にまつわるストーリー。
なんだかんだで協力する無名が好きになった。
このまま生き延びて欲しい。
これで完結かと思ったら、第一部で、まだまだ冒険と戦いは続く。
咲弥と一吾がいい雰囲気で、そのうち付き合いそうだと思った。
史実通りではないと思ったが、戦国時代を舞台にしたエンタメだった。

著者プロフィール

2003年『赤い隻眼』でデビュー。改題した「心霊探偵八雲」シリーズでブレイク。様々なエンタテインメント作品を発表し続けている。

「2023年 『怪盗探偵山猫 深紅の虎』 で使われていた紹介文から引用しています。」