ナウシカの飛行具、作ってみた 発想・制作・離陸---- メーヴェが飛ぶまでの10年間
- 幻冬舎 (2013年9月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344024502
作品紹介・あらすじ
なぜ、どのように、架空の一人乗り機"メーヴェ"を実現させたか。10年間をかけたプロジェクトの全容。最初は模型、次に実寸サイズの機体を制作し、ゴムで引っ張るグライダーでの飛行訓練を経て、ようやくジェットエンジンで飛翔するまで。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
好きだな、こういう「無駄かもしれないことに一生懸命になるオトコたち」
ナウシカの飛行具を作りたい、ってそのために10年もかけるなんてさ。
しかし、2005年の愛知万博にメーヴェの実物大模型が展示してあったなんて、びっくりだ。
全然覚えてなかったよ。
「風立ちぬ」が公開され、宮崎監督が引退したこの年にこの本が出たってことに、しみじみと運命を感じるなぁ。 -
誰もが、一度は夢に見、想像したことがあるでそぅ。
『風の谷のナウシカ』に出てくるメーヴェに乗って、
ナウシカのよぅに、空を自由に飛んでみたぃな~と。
本作品は…、そんな夢に向かって、本気で取り組み、
本当にメーヴェを作って、空を飛んでみよぅといぅ、
オープンスカイ・プロジェクトの10年間の軌跡です。
単純に…、このよぅな取り組みって、大好きです。
公的機関や大学のプロジェクトじゃない点もよぃ。
(ちなみに…、ジブリ公式プロジェクトでもなぃ)
プロジェクトの企画から初テストフライトまでの、
大きな一区切りまでの足跡が語られておりますが、
読んでいて、なんとも心地よぃ気持ちになれます。
さらに、順調に、テスト飛行を繰り返していけば、
2~3年後には、大空を飛翔することも夢ではなぃ、
いよいよ、そのよぅな段階まできている模様です。
どんな夢でも、
夢が実現する、といぅその瞬間に出会える機会は、
とても稀なことでそぅ。でも…、
あきらずに夢を追い、夢を実現することの、
楽しさや素晴らしさを感じ取ることができる、
そんな、ステキな読み物でした…。
文章も、簡単なので、
小学校の高学年~中学生にも、オススメです! -
高校生の時に『風の谷のナウシカ』に出会った、著者と同世代の私。もちろん、メーべに憧れてましたよ!でもまさか、自分で作ろうとか思って、本当に作る人がいるとは!
アーティストであり、楽しんで、本当に飛べるメーべを作った作者八谷和彦さんを尊敬します。 -
メーヴェで飛ぶって、ほんと人類の夢ですよね(笑)
その夢を実現しちゃおうっていう試みの記録です。
しかし、ポストペットを作った方だったとは!
ポストペットが登場した時に感じた衝撃を思い出しました。
あのモモは実はジョジョのスタンドに近いものをイメージしていたのだそう。
ひみつの日記ってあったなぁ!
メーヴェはもうちょっとメーヴェっぽかったらもっと良かったな。
いわゆる、やり手の芸術家さん。
アイデアだけではなく、
実務もできるところがこの人の強みだと理解しました。 -
少し前に「風の谷のナウシカ」に登場する飛行具、メーヴェを再現したと言うニュースに接した事がありますが、本書はこの再現の張本人(と言ったら聞こえが悪いですが・・・笑)八谷さんが口述した内容を、共著者の猪谷さんが書籍化した物です。
1999年の農民ロケット祭り「龍勢」に参加した時にレシート裏に計算式を書いた事から始まり、幾度かの中断を経て2012年のジャンプ飛行成功までを描いており、柔らかい語り口調の文体にリラックスしながら読み進められるのではないかと思います。
具体的には、資金繰りの厳しさや虎の子のジェットエンジン破損、そして製造メーカー倒産により修理部品なし・・・等、様々なトラブルに翻弄される様や、著者の実績(以下)の解説、
・かつて一世を風靡したメールソフト「ポストペット」
・「バック・ツゥー・ザ・フィーチャー」のホバーボートの再現、「エアボード」の作成、
・最終的にアニメーションまで作られた「うんち・おならで例える原発解説」等、
著者の所属企業ペットワークスの紹介、芸大生への進路アドバイス等が載っていました。
決して「ギジュツ、ギジュツ」した内容ではなく、時に「夢見がちな・・・」と言う言葉が思わず脳裏をよぎる様な文章です。
しかし、何かを実現する事は決して夢を見るだけでは済みません。
決して重たい文章ではないのですが、上記の通り資金繰りやエンジン故障等、様々なトラブルに遭遇しつつも欲するままに計画実現に取り組んでいる様が描かれており、著者の自己の感情や感覚に率直な有様がうかがい知れ、アーティストってこんな人たちなのかな?と言った感じです。
何であれ事を成すためには多くの時間と苦労が必要なのだと思いながら読了。 -
なんとなく興味で読んだが、ホリエモンや糸井重里が出てきて驚いた。何でも裏で繋がっているな、というのが感想。
-
いわゆるメーヴェを実際に作ってしまった人のお話。アニメだとかなり非現実的な機動をしているが、一応飛ばすことができるというのはすごいと思ったが、やはりお金はかかっているようで、夢はそんなに簡単には叶えられないのだとも感じた。
-
①困難なことほど萌えますし、もし成功すれば簡単に他者が真似できないものになるのも事実です。
②小さな企業は他社とは明らかに違う何かがないとすぐに潰れてしまう
③この人に見せたいから作るという動機で作品を作ることが多い。
④人間はできるようになると出来なかった自分を忘れてしまう。
-
図書館で借りて読み。
もともとはあさりよしとおの本を探してたんだけど、この本のタイトルに惹かれて借りた。
・メーヴェはドイツ語で「カモメ」
・メーヴェは無尾翼機。日本でも第二次大戦末期には「秋水」という無尾翼局地戦陶器の製造が計画されていた。(wikipedia見たけど、メーヴェとはだいぶ違うずんぐりむっくりな形状だな…)
・八谷和彦のことを初めて知ったのだけど、back to the futureのホバーボードに着想を得たというエアボードとか、面白いものを作ってるんだなー
・日本の航空産業の一端もちょっとのぞける本。今、日本では、民間用の航空機は年間何機くらい製造されているでしょうか?--答えはゼロ。GHQの航空禁止令によるもの。
・中二のまま生きる技術を持つ、という株式会社ペットワークス、いいなあ。
・偉大なアマチュアであれ。その世界のプロが経験による先入観ゆえに気づかないことを、アマチュアが突破することがしばしばある。
・誰のために作るのか?この人に見せたいから作る、そんな動機で作品作りが始まる。この人がこれを見たら喜びそう、が基準
・ロケットも作ってるのか、この人。(なつのロケット団)。私も子供とペットボトルロケット飛ばしたい欲がわいてきた。
・いろんな先生に指示した筆者。「あの時黙ってみているのは大変だったろうなぁ」自転車やサーフィンのように、体を使って乗る乗り物の練習では、体と同時に頭もフル回転している。横からごちゃごちゃ言っては、やっている本人はそれをしょりするだけで混乱して、上達がおぼつかない。ピンポイントでひとつだけ気を付けるべきことを言って、本人がそれを自覚しながら体を動かすことが大事。
・2013年の本。筆者のtwitterに2018年の飛行動画が。