キャロリング

著者 :
  • 幻冬舎
3.62
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感想 : 544
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026599

感想・レビュー・書評

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  • 大和俊介が務める小規模子供服メーカー「エンジェル・メーカー」は経営不振のため、12月25日でクリスマス倒産することとなった。エンジェル・メーカーは学童保育もしており、田所航平だけは最後の日まで世話になることになっていた。航平の両親は別居しており、何とかして両親を仲直りさせるべく、大和の同僚の折原柊子と共に父親の祐二の居る横浜へと向かう。祐二が働く整骨院では、居場所をなくしたチンピラたちが借金の返済を迫っていた・・・。クリスマスの夜、ささやかな奇跡の連鎖がもたらされる。

    最後があっけなさすぎて、ハッピーエンドだけどリアリティがない。柊子の一言でレイが動くならもっと早い段階で止めそうじゃないか?複雑な背景がある大和にしても、話して分かりあって良かったねで終わるのかなぁ。柊子が優しくて理解があっても、また何かあれば衝突してやっぱり育った環境の違いのせいになるんじゃないかな。航平の両親の結末だけは納得できたけど。英代の言葉が一番響いたし好きだった。いつか自分のそばにいる子供に同じように接することができる大人でありたいですね。

  • 忙しさにかまけて手を出していなかった一冊。

    毎度のことながら、著者の書き表す文章のテンポが自分の波長と合っているのだろう、一気読みしてしまう。

    「傷つく」「傷つけられる」の応酬って、終わりが見えないんだよね、輪廻のように。
    絡み合った糸を解すのは「許し」なのかな。
    あ、こんなこと書くと宗教チックになってしまう…w

  •  映像化を意識した作品。各登場人物の役割がきちんと設定され、喜劇役者も配され、脳裏にその景色が映るようにできている。時系列や話者、文体が自在に変化するが、読者の記憶にしっかり刻み込まれるような描き方。読者の期待にもしっかり応えてくれている。
     だから★5つをつけようとして、はたと手が止まった。
     みんながこちらの期待通りに動いてくれているのだ。こうあってほしい、という希望をすべてかなえてくれている。だからこその有川作品なのだけれど、こんなに思い通りでいいんだろうか、なんて考えてしまったのだ。
     でも未来に希望を抱かせる展開はやはり気持ちがいい。やはりこれでいいのだ!

  • 有川浩さんの小説、大抵は、一気読みなんですが、
    う~ん。
    この本は、買うのも遅く、そして読むのに日数がかかりました。

  • サブタイトルの割にはクリスマスっぽさはあんまりなかったけど、おもしろかった。

    クリスマス倒産が決まった子供服メーカーの社長と従業員、そこで副業としてやってる学童保育にきている小6の航平とその家族、そしてしがない末端の闇金「赤木ファイナンス」の面々の、それぞれの大切な人を守り救うお話。
    バカで物騒だけど優しくて温かい。

    社長の英代と、航平の母の圭子が素敵よね。
    圭子と祐二はこれでいいと思う。
    ヤマトとトーコには幸せになって欲しい。

  • 偏狭な辞書を持つ人・最初から選択肢の無い人・日の当たる生い立ちの人・トンチキで頓狂な人などが様々に絡み合い、斬りつけたり不幸を比べたり、、でも皆それぞれの性根は自分に正直で優しい人達ばかり…それはそれは彼が書いたX'masの軌跡の物語。やっぱり有川さん、Love要素で見事にキュンと締め括るなぁ♪。

  • X'masシーズンの今に読みたい作品。
    テンポの良い文章は変わらず健在で、ページ数のわりにはさらりと読めてしまいます。
    大人の良いところと嫌なところが軽快に書いてあるからこそ、大人の立場で読みながら心に刺さるものがありました。
    良いことばかりではないだろうけど、彼らみたいな素敵な思い出が残るX'masを過ごしてみたいものです。

  • どうしようもない痛みもあるが、本当の意味で悪い人間は出てこない。クリスマスらしい?ファンタジーな面もあるが、有川さんの言葉は刺さる。特に今の自分の状況は、子供の言葉が胸に刺さる。
    自分の弱さ故揺らがない人にいつも惹かれるが、有川さんの描く人は揺らがない事に理由があり、スーパーマンでなく人間らしい。自分の想像も及ばない辞書がある事に思いをはせられる人で、そして不幸の比べっこをしても仕方ない、と言える大人でありたい。

  • ☆☆☆☆4つ
    最近わ演劇に凝ってしまっているらしいこの作者さんわ、小説作品の作風がだんだんと取っつきにくいものになりつつあることに果たして気付いているだろうか。
    自衛隊シリーズや図書館シリーズ(未だ読んでないけど)の様な文句なく読んで面白い作品では無くなって来ている気がする。
    いつまでも同じ様な(程度の)作品ばかり書いているのは進歩がないしマンネリを生む、ということも事実でわ有るけど、変な方向へ走って行ってしまうのはそれは違うというもんだ。

    もともと男筆名でもって作家デビューしたのだから、こんなに早い時期に「演劇」などという手垢にまみれてるくせに一般庶民からは程遠いところにある「もの」などに走る事無く、もっとしっかりとエンタメ小説を極めて欲しいものです。まだ時代小説とか書いてないでしょ浩さん♪

    NHKで放送されるらしい「ドラマ」は観ないだろう。

    まあ、しかしこの本けっして面白くないわけではないので念のため。すまぬ。

  • 育った環境がまるで違う二人の今後に希望が湧いてきた。航平君の気持ちも落ち着いて行くきざしがあって良かった。赤木ファイナンスの方々にも幸せな時が来ると良いな。

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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