プラージュ

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344028241

感想・レビュー・書評

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  • 皆さんはシェアハウスをしたことはありますか?
    シェアハウスに興味はありますか?
    私はしたこともないしあまり興味もありません。(どちらかと言うと一人でいるもしくは少人数でいる方が好きです)

    今作品は「プラージュ」というシェアハウスを舞台にした物語です。で、住民は皆訳ありの前科持ち。

    ある殺人事件の犯人がこのシェアハウスに住んでいることを知り、記者が潜入し真相を暴こうとするが実はその殺人事件の犯人は……!?

    ネタバレになるので気になる方は是非読んでみて。

  • 許されるってどういうことなのか。一度間違えた人間は、どうなると許されるのか、人間社会の課題を問う作品なのかな。舞台設定はエンタメ的で、無理やり感は否めないけど、展開は巧みだ。ただ結末は好みじゃない。倒叙的にもっていったのはどうかなぁ。

  • *たった一度、魔が差した結果、仕事も住む場所も失ったサラリーマンの貴生。やっと見つけたシェアハウスで、人生をやり直す決意をした矢先に、一人の女性住人に「夜這いし放題よ」と耳打ちされて…。あるシェアハウスに住む、厄介者たちの物語*

    前科ある人々の住むシェアハウスが舞台です。それぞれに事情があっての犯罪ではあるものの、罪は罪。そこからどう更生していくのか…重いテーマながら、テンポよく前向きな展開で気持ちよく読めます。現実にはなかなか難しいだろうけど。

  •  一度の覚せい剤で職を失い、そして火事によって住む場所も失った吉村貴生は、保護司のツテでシェアハウス「Plage」に流れ着いた。壁もなく、カーテンで仕切られた空間に住んでいる他の住人達にも、どうやらそれぞれに事情があるらしい。

     シェアハウスの住人達、そしてそこにある事件で無罪となった人物を追ってプラージュに潜入している人物の目線が交差しながら物語は進む。片方は苗字だけ、片方は名前だけで表記されているので、どれとどれが同一人物なのかは最後の方までわからなくなっている。こういう仕掛けでミステリ色強めなのかと思いきや、意外にもそれより人情というか、シェアハウスでの人のつながりが多く描かれていて、最後はみんなで住人の1人を助けに行く展開に。まぁこういうのもいいけど、ちょっと期待していたのとは違っていたかなぁ。

  • とてもよかった。「ある記者」がカギだね。

    前に読んだ「真綿荘の住人達」と似ている感じがして、ちょっとごっちゃになったんだけど、こちらのほうがよかったかな。

  • 前科者たちが暮らすシェアハウスでの話。
    更生していくことは大切だとは思うが、ぬるい印象を受ける。
    パソコン内に残された告白は途中から薄々は感じていたが、だから、なに?って言いたい。それを、許してしまえるんだと思った。

  • 前科者のみを集めたシェアハウスを舞台に、各々が過去の罪と闘いながら、成長していく話。最初はシェアハウスの住人の話の合間に記者目線が入り込むのが、煩わしかったが、それも気にならなくなるくらい、シェアハウスの住人同士の絆が上手い具合に描かれている。こういう場所が本当に存在したら・・・犯罪を重ねる人は少なくなるのかもしれない。

  • 読みやすかったです。
    途中、誰が誰か混乱してしまったけど、それはそれでも楽しめました。
    推理とか結末に少し頭を働かせすぎて、物語の本質的なところがあまり私に響かなかったけど、
    でもなぁ、そうだなぁ…
    難しいですね。
    罪を償う、やり直す、ということ…
    誰がそんなの判断するのでしょう。
    何を持って償うというのでしょう。

    うっかりしてしまった犯罪から、
    理由もなく人を傷つけてしまう、犯人の動機なんて到底理解できない犯罪まであります。
    「あぁ、この人はもう大丈夫だ。ちゃんと罪を償って、やり直して生きていける」なんて誰が判断できるのでしょうか。
    表面だけ取り繕ってる人もいれば、きっと本当に反省している人もいるし、それを信じてあげる人が必要なのも確か…
    この話を通してそれは感じだけど。

    もし自分の大切な人が傷つけられたら、いくら犯人が猛省していても、やり直して新しい人生を歩むなんて認めたくない気がします。
    難しいですね。

  • 前科者で執行猶予中の貴生が火事で焼け出され辿り着いたのはプラージュというシェアハウスだった。
    前科者故なかなか仕事が決まらない中、それでもそれも自分の罪と受け入れ、なんとか人生を立て直そうと足掻きながら、シェアハウスの住人たちと交流を深め、成長していく貴生。
    罪人たちの罪は一生かかっても赦されないのか。人にやり直すチャンスはあるのか。

    ここで描かれる罪は、正直まっとうに普通に生きていれば犯さない罪ばかりだけど、この住人たちのような犯し方であるならば、確かにやり直しのチャンスはあってもいいなと思える。
    罪の定義なんて人が勝手に決めた枠組みで、そんなことより今どんな行動をするのかが重要なのかもしれない。

  • 罪を犯した人たちの出所後の行方って
    なかなか知ることはない。
    住むところ、仕事、生きがい…
    みんながこんな風に悔い改めて生きていけるか
    難しいと思うし
    再販率は高いのだろうけど
    確実に更生する人はいるのだから
    その判断は難しいな。
    もし職場に元犯罪者がいたら…
    偏見を持たずに接することはきっとできない。
    でもその犯罪の背景をできるだけ考えていけるようになりたいとは思う。
    毎日触れる数多の犯罪の後ろの本質を知らなければならないと思う。

    本作では
    その中に一人記者が潜入捜査?しているので
    それがどの人だろう
    というのが一番の関心ごととなって読んでしまったが
    結果的にあんまりピンとこなかった。

著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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