赤い雨 (幻冬舎文庫 と 3-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344400320

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  • 赤い雨が降ると人々が変わっていった。
    いじめ、やくざ、詐欺商法などに泣き寝入りしていた人達が「私刑」を下す。
    そんな中遂に未成年犯罪者が、テレビカメラの前で無惨に処刑され、中継を観ていた人々は狂喜する。
    理不尽な動機で命を奪われる事件があると、こんな処刑があってもいいのではないか?と最初は思った。
    コロナ禍の現在遊びにも旅行にも行けず、会いたい人に会えず、おうち時間が増え、マスク警察や反ワクチンに騒ぐ世の中で鬱憤が溜まり、煽り運転、通り魔的事件や自死も増え、日本ってこんなに物騒だったかと日々感じ、私達も見えない赤い雨を浴びているのではないかと怖くなった。
    嬉々として私刑に参加する夫から逃げた志穂は、同じく赤い雨を浴びて居ない元警察の芹沢と出会う。
    おかしくなった妻から子供を守るために逃げていた芹沢と、子供を死産したばかりの志穂。
    追い詰められていくラスト・・・はもう少し続きが読みたかった。

  • あんまり面白くなかった。
    時代の背景を風刺?しているのか分からないが、ただ皆んながパニックになっていく中で1人理性的な主人公。特に仕掛けや謎について解明、示唆されることもなく淡々と終わる。

    正直読んでいて苦痛であった。
    読む人が読めば面白いのか。

  • 期待した程ではなかった。打ち切りみたいな終わり方…

  • 著者の作品で、主人公が理性を失わないというのは珍しいかも。

  • 不思議な赤い雨が降ると、人々が狂ったようになって、クレーマーやDQN、悪徳商法をする者、犯罪者を喜んで寄ってたかって殺すようになる。徐々にその暴力に取り憑かれていく夫に恐怖を感じる女性主人公…という話。

    今の日本が加害者に甘いとか、そういう作者の主張はわかったが、それ以上のものは何もない。
    筆も拙いし、話の展開もないに等しく、あっても簡単に想像つく程度を越えず、本当につまらない。

  • 我慢しすぎの日本人が我慢をしないできれる話


    あーちょっと後味わるい

  • 実際にこの作品のようになったらいいのに、と日常確かにおもうことがある。
    みんなあるんじゃないだろうか。

    しかし主人公(最後にもう一人)だけが常識的な感覚を残すってのは―その理由を登場人物の解釈という形で述べてはいるにせよ―何となく釈然としないというか。

  • 理不尽な暴力に耐えてきた人、事件の被害者、
    さらに日本中の善良な市民達が、赤い雨をきっかけに
    悪事を働く人に徹底的に報復しだします。
    最初はなかなか気分良く(?)読んでいたのですが
    私刑がどんどんエスカレートしていく様は
    私が一番苦手とする分野になっていったので
    読後感は悪かったです。

  • 【2005.06.11.Sat】
    赤い雨が降った日を境に、人々が正義を振りかざして暴力事件を起こすようになる。報復という名の下で、その私刑はどんどんエスカレートしてゆく。日本中が残虐な暴力を繰り返す。その中で怯える主婦、志穂は1人取り残されてしまう。日本はどうなってしまってのか。様々な虐待やリンチは活字で読むだけでも生生しく恐ろしいものがある。志穂の心とリンクして、1人取り残された恐怖さえ味わってしまう。実際には起こりえない状況ではあるが、日本がこのようになってしまった原因である社会の弱さは実際の現実問題としてある。目には目を、歯には歯をという復讐心をくすぶらせている人はこの日本の中にも多く存在しているのではないだろうか。犯罪のない世の中は永遠に訪れないだろう。だからこそそれらの犯罪に慎重に厳しく対応してゆくことが必要なのだ。

  • 赤い雨を浴びると犯罪者及びその予備軍の少年に対して凶暴になる。
    未成年の銀行強盗をTVの前で撃ち殺す特殊機動隊員。発砲する前にヘルメットを脱ぐ。それを見ていた亭主とその両親。子供が生めなくなった女は、たまらずに家を出る。実家の両親もおかしくなって途方に暮れる。赤子を連れた刑事と一緒に逃げる。銃撃戦で刑事は死ぬが赤子を抱いて女は逃げ、自分の子として育てることに決める。昔の著者は、何をきっかけに今の作風になったのか興味深々。

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著者プロフィール

1968年東京生まれ。学習院大学文学部卒。98年『闇の楽園』で第3回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。作家活動と並行して『Jの利用法』ほか自主製作映画4本を監督。イラスト、写真、クレイアートにも才能を発揮する。

「2013年 『劣化刑事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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