ハードボイルド,ハードラック (幻冬舎文庫 よ 2-6)

著者 :
  • 幻冬舎
3.31
  • (93)
  • (185)
  • (711)
  • (42)
  • (6)
本棚登録 : 2447
感想 : 180
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344401594

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「ハードボイルド」
    奇妙な夜の出来事が描かれている。
    人と別れることはすごくつらい。けどあらゆる罪悪感から抜け出して、ハードボイルドに生きなくちゃ、という前向きな気持ちにさせてくれる。
    奇妙だけれど、不思議と癒される。

    「ハードラック」
    姉の死と向き合う家族の物語。
    姉との思い出や、これからの日常について、時間について、主人公の立場になって考えてみると、自然と心が浄化されてゆくような気持ちになった。

  • ハードラックが不運、不幸って意味だと初めて知った。
    ホテルのおばちゃんみたいな大人になりたい。
    吉本ばななさんの静かでスルスル入ってくる文章、世界観が好きです。

  • キッチンより好きかも。

    行間が大きくて読みやすい。

    生ってはかない。

  • 身近な人の死についての2つの物語。

    ハードボイルドはかつての恋人の死。

    夢で何度も彼女が出てくる。本当はとっても大切にしてた毎日だったと思う。彼女からたくさん影響を受けてたんだと思う。

    見えないものが見えたり、普通の人が感じれないことを感じ取ったりすることも彼女からの影響が強い?

    主人公が1人で訪れた場所でもそういうものを感じたり、もういない人がみえたり。
    そのもういない女の人の亡くなったエピソードも悲しかったなぁ。心中しようって決めて相手だけ死なれたら辛いなぁ。でも女の人はそれでも相手に生きてて欲しかったんだよな。それは愛なんだろうな。

    ハードラックは姉の死。
    わたしも身近の人が突然亡くなった経験があるから、すごく読んでて泣きそうになった。

    婚約者の逃げ出したい気持ちも分かる。
    徐々に死を受け入れていく自分も分かる。
    大切な人がなくなっても時間は流れて
    止まってはくれないし、生きていかないといけないから。

    最後に私の頭で流れる音楽は何かなって考えたなぁ。

    とっても素敵な本でした。

  • ハードボイルド
    不思議な愛しかただなと思った。千鶴さんの気持ちはわかった。千鶴さんは素敵な人だと思った。サッパリとした物語だった。

    ハードラック こんな風に人を失くしたことはないので分からなかった。闇の中から抜け出す光の入り口に差し掛かった間合いの物語。「これから姉と同じで香水に変えよう」ってところが決別でも執着でもなくて良かった。境くんの放つ光が際立った。

  • 真夜中に読みたい本。

  • よしもとばななさんを読む時には、覚悟が必要だということを忘れていたな…。あまりにも好きな作家さんなので軽々と読み進めてしまったけれど、読み終わったあとも考えてしまうたちの私には重く暗いものがのしかかってくる、それすら作品の一部として楽しめるのだけれど、、、。時間がある時に読むべきでした

  • ハードボイルドもハードラックもどっちも好き

    2022-60

  • 季節の表現とか、どこか乾いた文章が読みやすかった。

  •  「死」との向き合い方を考えさせられる作品。どちらの作品も身近な人の死を乗り越えて未来を開いていくイメージが強い印象を受ける。そのため、全体としては暗いというか静かな流れだが、あることをきっかけとして徐々にその傷心が癒えていく様子を紡ぎ取っている。
     薄い本ではあるが、読んだ後の余韻に浸る時間が長い。

著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉本ばななの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×