彼女が死んだ夜 (幻冬舎文庫 に 8-3)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 596
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344411449

感想・レビュー・書評

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  • 家へ帰って来ると知らない人の死体がある、という設定がおもしろい。
    しかし読み出してからが大変、というのも、箱入り娘のハコちゃんが嫌な女であること。なぜそんな切迫しているのか、厳格な家で育つとそんなものかと思いはしたものの、見知らぬ死体の処理を自分に気がある男ガンタにやらせる発想がそもそも嫌なものだ。その上見知らぬ死体を始末するのに、手伝うのは嫌だ、掃除は嫌だとかわがままばかりで、苛立ちが付きまとってしまった。ガンタはそんな女のために死体処理を手伝うと必死になるのも共感できない。死体処理という後暗いものに付き合わされる展開も、都合が良過ぎる展開も、失礼ながら何一つ楽しくない組み合わせでなっていた。

    小説<推理なのだと割り切るにしてもちょっとやめてしまいたくなったのだが、自然とテンポ良く読み進めてしまうのはきっと本作の主人公タックの柔らかい視点で語られるからだろう。途中で行き詰まったと思えば、何やら軽い謎解きもある。

    あれあれと思っているうちに、二重三重にもなっている真相へと導かれる。そんな簡単にその道筋を辿ることができるのだろうかと思わないでもないが、何よりも予想外の展開が明かされていく様が見事。最初これは辛いぞと思っていたものに最後こんなにも切り返されると、前半の苛立ちが強いほど悔しくてお見事と拍手したくなる。

    序盤は辛かったが私がこういった展開が苦手というのもある。軽いタッチでさくさく読み出すことができるので、騙されたい人にはおすすめである。

  • 悲しい真相に驚かされたが、少しご都合主義が目立つ場面があったかな。特に被害者の似顔絵に誰も気づかないというのはかなり違和感があった。

  • ボアン先輩のキャラ小説として面白い。
    論理はご都合主義なので微妙だが、
    意外性はまあまああった。

  • 推理の部分の大半が机上の妄想で、具体的な証拠や論理性(というか説得力?)が少なめ。「こうなんじゃないかな→結果、大体合ってました」というご都合主義な流れなので、ロジックがもう少しあっても…という若干の物足りなさ。

    登場人物が記号的でわかりやすく、キャラありきなので読めた感じ。中でもボアン先輩が格好良いので★+1。

  • 2014/1/28
    匠千暁シリーズ 1作目

    【引用】
    自分が無条件に愛されているのだと自信が持てない(No.3851)

  • タック&タカチシリーズ第一弾。
    厳しい親にしつけられた女子大生が、飲み会が終わって、海外旅行へ出発という時に事件が起きた。自宅で人が殺されていたのだ。
    そして次から次へと展開が待ち受けて、まさかの衝撃的な最後は読む人を驚かせてくれる。

  • 本の整理をしてたときに出てきたので思わず再読。
    初っぱなの展開のめちゃくちゃさとは裏腹に、かなりシリアスな本格推理もの。このシリーズの推論に推論を重ねて真相にたどり着く展開が好き。結末はなんとも言えないもの悲しさが…。改めて西澤さんの本もう一度読み返してみようかなーと思いました

  • タックの最初の事件です。登場人物も個性的で楽しく、また物語の背景やシーンなどにも懐かしさを感じて、ほっとしてしまいます。ボアン先輩は一昔前の大学生の先輩像で、あたたかみがありますね^^ 

  • 途中やや無駄と思える描写がいくつもありましたが、各キャラの魅力で楽しめました。
    主人公たちの推理は状況を分析して謎を解くというものではなく、主人公の予想…というより妄想を膨らましたような推理を出し、それが適合するか検証するスタイルです。多少無理やりでご都合主義的な感がありますが、ラストは捻りが効いていてちょっとした驚愕を味わえたのでなかなか面白かったです。

  • けっこう仕掛けにひっかかりました。笑
    若干仕掛けが大掛かりすぎるというか、コ○ン的な匂いがしなくもないですが。
    ガンタ、憐れやら怖いやら…面白かったです。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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