銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫 た 43-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344415324

感想・レビュー・書評

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  • 銀二貫で仇討ちを買って、その後どういう話になるんだろうと思ったら、
    じんわり心温まる結末になりました。

  • 2015年雪組宝塚バウホール公演原作。
    大坂天満の寒天問屋の主・和助は、仇討ちで父を亡くした鶴之輔を銀二貫で救う。侍の子供だった鶴之輔改め松吉は商人の子として厳しくしつけられながらも周りの温かい人たちに支えられ成長していく…というストーリー。
    松吉を救った銀二貫の行方がなんとも粋。上方商人の天満の天神さんへの信仰心の深さには驚かされる。度重なる火事ですべてを失ってもまた立ち上がる心意気に胸を打たれました。そして、松吉と真帆の恋の行方も。心温まる人情物でした。髙田郁さんにハズレなしだなぁ。
    宝塚版は、原作の一番粋だと感じた部分がまるっと削除されていてそこだけが不満だったけど、キャストも含め全体的に素晴らしい出来だと思いました。

  • 泣ける!面白かった!
    国語のテストに出てきて気になりすぎて探し出して読んだ思い出。

  • ええ話しやった。
    晩年の和助さんと善次郎さんが可愛らしい。

  • 何度も噛み締めたくなる作品。
    髙田郁さんの素晴らしさが凝縮されている。

  • 高田郁作品、2冊目。
    「刀で命の遣り取りして決着をつけるのが侍ならば、智慧と才覚とを絞って商いの上で決着をつけるのが商人や。」だから、仇討ちをお金で解決!という訳でもないでしょうが、寒天問屋・和助の懐の深さに圧倒されました。お金に執着するわけではないが、天満宮への寄進は、最期(商売を終える)までの目標のような商人魂にも。こんな感じが、私たちの根底に流れている生きざまなのかも。

    寒天の良さと可能性を聞いた松吉が、寒天作り、練羊羹作りに挑む姿にもは、半分呆れながらも半分羨ましく感じる。餅は餅屋なのか、専門職でないゆえの優柔さ、大胆なアイデアだろうか。一所作ごとにその工夫がみられるが、反面時間がかかり過ぎる気(専門家ともっと共同してやろうよ)もする。ただ、そんなことが許される時代だったのでしょうか。

    一部の登場人物を除いて、ほとんどが、人にやさしく、思い込みがあり、自分の仕事に誠実で、一生懸命。みんなで共同してゆかなければ(天災や火事などが多い時代ゆえ)生きてゆくことが難しい時代だからことなのかもしれないが、今の私たちにかけているものをいっぱい(当たり前のように)持っている、そんな想いを感じさせれらました。

    印象的なフレーズは:
    ★寒天を商うお前はんが、その寒天の良さに気づいていない。それやのに寒天問屋で寒天を売らなあかんのはしんどいやろう、可哀想や、といわれたからなんや
    ★始末、才覚、神信心――この三つのうち、どれひとつかけたかて店を大きすることはおろか、保っていくことさえ難しい
    ★私、初めて、あの火事で生き残ってよかった、て思えた。今日、初めて
    ★商いが上手いこといってると、何や景色まで違ってて見えるもんやな
    ★一里の道は一歩では行かれへん。けんど一歩一歩、弛まんと歩き続けたら、必ず一里先に辿り着ける。お前はんは、もう歩き出したんや。転んだなら立ち上がったらええ。簡単に諦めたらあかんで

  • 情景が浮かぶ。感動した。

  • ただただ感動!とにかく内容に引き込まれるし文体・表現もとても易しく、かっこつけてる所が全く無い。ストーリーは単純かもしれないけど、ホントに価値のある読書はこういった本を読むことではないかと強く思う。時代物は生きてる人々の気質や物事の考え方などが今と違って純粋な所が惹かれ要因なのか。この作家の他の作品もとても興味がある。

  • 最初から最後までとても良いお話でした。
    松吉だけでなく、全体にフォーカスが当てられて、いろんな人物の心中が分かり、読みやすかったです。
    最後の項では、義次郎こそ、お嫁さんもらって幸せになってほしいと思いました。最初の頃はネチネチしてんなーと思ったけど。彼の厳しさや細かさがあったから、ずっと井川屋がある気がします。
    もちろん、松吉も梅吉も真帆も。誰にでも幸せになる権利はあります。素晴らしいエンディングでした。ほろり。。
    個人的には読み切りで梅吉目線とかも読みたいです。

  • 2008年から時代小説を書き始めた高田さんの2009年の作品。
    困難に立ち向かい、苦闘の末に勝利を勝ち取る。
    「あきない正傳」シリーズに見られる作風が既に芽生えている。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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