給食のおにいさん 卒業 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344422292

感想・レビュー・書評

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  • フレンチレストランで腕を磨いて、自分のお店を持った途端に、火事でそのお店を失う。そしてたどり着いた先は、若竹小学校の給食のお兄さん。
    笹目は、プライドも高いし、人見知りだし、まず小学校に学校に向いてないよね。一緒に働くマトリョーシカの3人にも馴染めず、食育に命をかける毛利ともぶつかって。でも、子どもたちにいいものを食べさせたい!って思いが周りを取り巻くみんなと同じだから、いろいろあってもちゃんと最後は落ち着くんです。

    自宅に帰って作る笹目の料理は美味しそう。丁寧に料理するっていいな、って。その丁寧さは、子どもたちが抱えている問題に対する笹目の行動にも出ます。じっくり向き合えば気持ちは通じるんですね。

    最後の炊き出し給食。笹目の挨拶。就職した先で渡される毛利からの手紙。クライマックスでグッときちゃいました。「お前ら、口開けて待ってろ。」

    若竹小学校の子どもたちは、こんな給食を毎日食べられて幸せです。

  • これ以上ないハッピーエンド!
    泣く!

  • 大人ってこういうことだなあと思うシリーズでした。ささめも、毛利さんも、由比先生も、小牧さんもその他の人も

  • 給食の調理場を舞台とした異色シリーズ最終巻。1巻はその新規性に惹かれましたが、次巻は期待を陵駕できるほどではなく、可もなく不可もなくな印象でした。

    最終巻の本作は前作でモヤモヤしていた主人公、佐々目が明確に将来の目標を見定めようと動き始めます。最初はなぁなぁにやれたら良いかなー程度だったその将来の目標が、徐々に定められてきます。

    そうして目標が見定められたら、残すべき行動が明確になります。すなわち、生徒達との別れ……

    いずれ訪れる別れに対し、佐々目は彼なりに、周囲の人たちはその人たちなりに努力し、一生懸命がんばってその日を迎えようとする姿に、ウルッと来ました。生徒一人一人も、調理場の職員も、みんな最高です。

    本作は決して楽観的なだけではなく、モンスターペアレントによる給食費未払いといった問題を扱っています。それは本作でも大きなウェイトを占めていて、ややメンタルが落ち込みかけました。しかし、それを補って余りある(個人的に)魅力ある展開がその後にありました。

    シリーズ3編、思い返してみれば総合的に超良作だったと思います。知られざる職業紹介もかねて、多くの人に知ってもらいたい作品だと思います。誰かドラマ化プロデュースしねーかな。

  • 小学校の給食と食育、そして、トラブルを、
    給食調理員の視点と仕事から解決していく、
    お仕事小説シリーズの、3作目で完結編…?

    給食調理員といぅお仕事も目新しぃですが、
    主人公が若ぃ男性であるといぅ点も珍しく、
    子供たちの、食物アレルギーやストレス、
    親たちの、ネグレクトやモンペといった、
    近年の教育現場で見られる問題に対して、
    試行錯誤しながら、給食と食育によって、
    トラブルシューティングするパターンは、
    本シリーズならではの良さなんですが…、

    前作(2作目)では、何気に違和感のあった、
    主人公のカウンターパートとなる毛利さんが、
    脱線、といぅか迷走…? お話も一本調子…。
    キモとなる創意工夫の給食メニューも少なめ。
    で、何より、
    起承転結の「結」が、持ち越しとなったまま、
    「完結編(本作品)に続く」的な終わり方は、
    ボク的には、一番キライなやり方でしたが…、

    本作品では、
    その辺りは程よくまとめられて、
    それぞれの卒業と旅立ちを軸に、
    うまく、完結はしてました…。十分、及第点。

    ただ…、
    前作のいじめも、本作の給食費未納の問題も、
    どちらも、作中で、問題は解決しておらず…、

    登場する主要なキャラクターも、
    それぞれに差別化された特徴を持ってますが、
    作中で、活かしきれてなぃし…、

    そもそも、
    たった2年で、主人公が再び転職といぅのは、
    お仕事小説としては、どぅよ?って思ったり。

    1作目が、荒削りだけどとてもよかったので、
    急遽、短期間で続編を書かせてしまった故の、
    編集者の欲張り失敗事例になっちゃったかも?

    1作目の、よぃテイストを活かすなら、
    しっかりと小学校給食の問題を取材し、
    年に1冊の発行、1年間のお話として、
    丁寧に続編を書いていけば、
    息の長ぃシリーズになったと思ぅんだけど…。
    なんだか、勿体なぃです…。

    個人的には、お好みのジャンルなので、
    こんなことなら、続編を期待したまま、
    1作目だけで終ってた方が、よかったかな~。

    (辛口で、ごめんなさぃ…)

  • ものごとは、思い通りにならないほうが、ふつう。
    だから、どこまでできるかやってみよう。

  • 小学校の給食調理場が舞台だから、もっとほのぼのしたものを想像していた、給食のおにいさんシリーズ。
    2年間の給食のおにいさん生活で、ささめが変わっていくのが分かります(本質は変わってない)

    給食のおにいさんから卒業したささめが、シェフメニューのシェフとして戻って来る話があればいいなと。

  • シリーズ第3弾 卒業。

    卒業証書に感動した。

  • 本当に卒業なんですね~、寂しいなあ。
    料理に関する小説の多い中、給食という珍しい(?)分野で、学校や子どもたちを取り巻く問題も取り上げられて、良いシリーズでした。
    食べ物が人間を作るのだから(中も外も)、まさに作られていく途中の子供たちにとって、食事は本当に大切な問題。
    シリーズ3作目、この本は、やや大人たちが中心でしたが、その辺、書ききってほしいと思っていたので、読者としても、ささめの『卒業』を祝いたい気持ちです。


    給食費未払いの件は、どうなったのでしょうね?
    安易にハッピーエンドにならなかった所が、却ってリアルかもしれない。

  • ささめー

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著者プロフィール

東京生まれ。1996年、脚本家デビュー。1999年、テレビドラマ「入道雲は白 夏の空は青」で第16回ATP賞ドラマ部門最優秀賞を受賞。2013年、『給食のおにいさん』で小説家としてデビュー。同作はシリーズ化されている。他著に、『キッチン・ブルー』『イメコン』『バー極楽』など。

「2020年 『二人がいた食卓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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