夢を売る男 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344423190

感想・レビュー・書評

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  • どこまで本当で、どこまでが嘘なのか分からなくて怖かった。日本人ほど自分を知って欲しいという願望が強いのはいないと思った。牛河原さんの話のテクニック、尊敬する!欲しい。

  • 皮肉にも、私はこの作品を純文学「葬送」の合間に読んでいた。

    難しい表現やメタファを多用した、文学的に美しいと自分が大絶賛している「葬送」の後に読んでしまった(笑)

    「葬送」の二部の上巻を読むのに半月も費やした私だが、この本はたった1日で読み終わってしまった。


    読書家と呼ばれる程本を読むわけではないが、私はどちらの本も大好きだ。

    次から次へと事件が起こり、易しい表現で読者を飽きさせずに、落ちも痛快な小説も大好きなのだが、兎に角読みに苦いこ難しい表現で、今一体どういう感情なのかを2回、3回と読まないと消化できない高尚な純文学。

    とても複雑な気分で読み進めて言ったが、さすが百田さん。面白い!
    だから一日で読んでしまえるのだ!

    毎回ジャンルが全然違うが、この作家さんは人を引き込める力がある。

    今回のこの作品は、小説好きな私には思うところがたくさんあって、楽しめたなぁ~。
    実に良かった!

  • 出版したい一般人を丸め込んで出版資金を稼ぐ半分詐欺みたいな敏腕編集者が【夢】を売る話。
    読みやすく、最後の憎い終わり方も気持ちよかった。オススメ。

  • 筆者自身が小説家でありながら、作中の牛河原の本を書く人に対するセリフが皮肉めいてるというか自虐っぽくて面白かった。才能あるからこそ書けるブラックユーモアだと思います。
    登場人物のその後が気になる。
    電子書籍などが世の中に当たり前のように流通するようになった今の出版業界の厳しさをリアルに考えさせらて、読み終わってから、もっと貢献しよう…ってなりました。

  • 出版業界を裏から見る、というなかなかできない疑似体験をできるような本。
    知らないことが多かった為、とても面白かった。
    丸栄社にしろ狼煙舎にしろ、やってることは結局のところ似た者同士なのか、といった感じ。
    全国紙に「あなたも本を出版しませんか?」という広告が掲載されていたことを思い出した。

    ライター、小説家という言われる人以外でも、自分の書いたものを本にして出版してみたいと思う人は少なからず存在していると思う。
    みんな、自分だけは特別だと思い、エッセイくらい書ける、と思っている、ということだなと。私も含め…。
    自分の人生は輝けるものだった、と息巻く団塊世代の男。
    スティーブ・ジョブズになれると思っているフリーター。自分の教育にとてつもない自信のある主婦。
    本の出版を心の奥底で願う彼らに丸栄社の敏腕編集長・牛河原は「いつもの提案」を持ちかける。
    彼らを商売道具として取り込み、高額な出版費用を出させて儲けよう、と。
    本を一冊ずつ売るより、執筆者をまるごとお客様にしてしまう。自費出版ではなく、出版社と折半で本を出す、というところに自尊心をくすぐられるのかも。

    牛河原が、いろいろなやり方を次々考え、トライしていく姿は、しがらみの多い日常を送っている者としては、スカッとする。出せるところからは、お金をむしり取ってもいいが、老後の資金を蓄えていて、その中から費用を捻出しようとするのはやめさせる。

    商売とは何かと考えたりもする。
    批判的なレビューもあるが、私は楽しいエンタメ小説として読めた。

  • 初・百田作品。

    ジョイントプレスという形で利益をあげる出版社の編集部長を務める牛河原を主人公(?)とした短編集。

    冒頭の作品を読み進める内に牛河原が勤める丸栄社が、あまり誠意ある出版社ではないことが分かります。

    ところが、決して誉められない事業を行っているはずの丸英社と牛河原を何故だか応援したくなる気持ちが
    徐々に生まれてきてしまう、奇妙な魅力がこの作品にはあります。

    なぜかって?
    それは是非一度読んでいただきたいとおもいます。

    さて、百田作品は初ですが、著者はとても頭のいい人なのだろうという印象を受けました。
    言葉の選び方や、文体からそれを感じます。

    著者本人は、とても語彙力がある方だと思いますが、
    難しい言葉だらけにせず、けれど読み手を選ぶかのように、一定の水準以上の言い回しをされているー。そんな印象です。

    さて、他の作品を読んだらどのように感想が変わるのか。それを楽しみに、またこの著者の作品を手にしてみたいと思いました。

    2014年6冊目。

  • こんなビジネスがあったのかと驚くと同時に、人間の本能を上手くついているなあと感心しました。
    それにしても、最後の最後にきちんと落とし所を作ってくれているところか嬉しくなります。

  • 「滑稽」、肥大化した自尊心を抱えて
    自分の書籍を出版しようとする登場人物が
    牛河原の口車に乗せられていくのは
    まさに滑稽なんだけど、
    どこか身に覚えがあるところがあって
    「あはは、こいつヤベーっすね」と笑いながら
    内心冷や汗かきつつ、
    自身の自尊心を後ろ手に隠すような気分で読んだ。

    だ、騙しやがって、とはじめは思ったけど
    読み進めると“夢を売る仕事”への努力とか
    なにより矜恃がみえてきて、かっこいいなあと。

    本を書く人、本を読む人に対して、
    なんていうかちょっと挑戦的な内容を本にしちゃう
    というところも含めて、
    爽快な、小気味よい作品だった。

    とかなんとか、
    感想を書くのも恥ずかしくなってきました……!

  • 夢を追っている人や夢を諦めたい人に
    是非読んで欲しい。

  • 百田さんの本をめずらしく読んでみる気になった。
    ビジネスにはいろんな形がある。
    詐欺まがいのトークとセールストークは紙一重。
    クレーム対応も経験がモノを言うんだなーと思ったり。
    真似はしたくないが、何かのヒントになるかも。

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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