心中探偵 蜜約または闇夜の解釈 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 197
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344426702

作品紹介・あらすじ

死にたい。でも一人じゃ死ねない-。並外れた美貌と知性を兼ね備えながらも心中を渇望する華影忍が理想の女性と巡り会い、遂には闇夜に服毒心中を敢行。だが翌朝、自分だけ目覚め、死んだ相手は見知らぬ財閥の令嬢に成り代わっていた…。殺人疑惑がかけられる中、忍は盟友の若き大学教授、通称"黒猫"の助けも借りて事件の真相を探り始める。

感想・レビュー・書評

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  • 心中した、と思ったら生き残ってしまった主人公だが
    心中相手が違った。

    一体隣で死んでいた女性は、どう入れ替わったのか。
    おかしい状態になっているわけですが、主人公の時点で
    妙な存在になっているので、言い出しても…な現実。
    自力で調べようとしているのもすごいですし
    振り回されている編集者も…お疲れ様、としか…w

    何だかもう面倒な状態と言うべきか否か。
    最後の方になってきて、何だかこんがらがって
    分かるのだけれど分からない、な状態になってました。
    職業の固定観念って、すごいものがあります。

  • あの黒猫が、出版社の垣根を超えて登場している、と知り、読んでみた。

    主人公の言動、思考が、どうにも私には合わず、読む手を止めてしまいそうになったけど、語り手が主人公以外になったら不快さも減り、結末が知りたくなって、結局読了。

    なるほど。
    まさかの、結末。

    黒猫シリーズの続きが読みたくなった。

  • ゲスト黒猫さんで、どうなんだろう最終的に探偵役は黒猫さんになっている気もする。
    とりあえず、華影さんの口説き文句と女性があっさり落ちるところはなんか釈然としない感じもしますが、一夜の運命の女を探す旅は面白かったですね。
    最後に彼女を求めてくれたのも個人的には嬉しいです、その後彼がどうなるかはともかく。

  • 探偵が心中するのではなく、純文学作家が心中に巻き込まれる。女性への口説き文句が半端ない。

  • 別人になっていた心中相手。
    既婚の身で誰かと寝歩くのもどうかと思うが、行き当たりばったりで心中相手を探す等どうなのだろう。
    結末を知ると彼がいかに何も知らず走り回っていたのかわかるが、電話に出なかった彼女はどうなってしまったのか気になるな。

  • 黒猫も登場しますが、美というよりは耽美を追求するようなミステリー。主人公の正確にはかなり難ありですが、捜査の流れはわりとオーソドックス。手がかりを丹念に拾って、次へ次へとたどっていく感じ。
    タイトルの「心中探偵」はちょっとしっくり来ないかな。

  • どこかで見たような登場人物な気がするけれど、気のせいであろうか。

    黒猫シリーズというか、黒猫が出てきてるだけの番外編というか、そんな感じの文庫本書き下ろし第二弾。

    読んでいて、「あ、なんだか普通の推理小説だ…」という、普通とはなんなのかという疑問を抱きそうなことを考えていました。
    なんとなくラストが駆け足というか、早口でばばばっとしゃべっている感があったのですが、話は面白かったです。

    あんまりまともな人がいないな…

  • 心中を願っている主人公、花影忍は理想の女性と出会い、心中を図ります。しかし忍は死にきれずまた死んだはずの相手は別の女性となり替わっていました。 物語や行動の解釈とミステリ展開を丁寧に絡めるのが得意な作者さん。本作も心中を願う花影の根底にあるものと謎、真相が有機的にくっついた作品でした。真相は予想が付きましたが、展開ももちろんのこと、主人公の心象が丁寧で美しい作品でした。

  • 可もなく不可もなく。
    それ相応の雰囲気を狙った感はあるけど、みんなどこか感情が嘘くさくて皆さん勝手にしてくださいな、って感じ。

    黒猫さんが出てきたのが加点ポイント

    2018.6.7

  • 「四季彩のサロメまたは背徳の省察」の華影忍が再び登場。……ああ、やっぱりろくな男になってない(笑)。とことん最低なんだけど、ここまで突き抜けちゃってるとむしろ腹も立たないし。キャラとしては魅力的かもしれません。黒猫も登場するのが読みどころ。
    心中し損ねて自分だけ生き残ったものの、実際に死んだ女とあの時会った女が別人だ、という不可思議な謎。幻の女を追い求めつつ、隠された様々な事実も暴かれていく展開は目が離せません。相変わらずの耽美でお上品めかした猥談も健在なり。前作の雰囲気が好きだった人にはお勧めです。

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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