レッドリスト絶滅進化論 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344430013

作品紹介・あらすじ

都内で謎の感染症が発生し、死亡者が続出。
厚生労働省職員の降旗は、感染症研究所の都
築博士と共に原因究明を命じられる。責任転
嫁する上司や失策続きの政府に翻弄されなが
らも、必死に感染源を探す二人。さらに、地
下鉄構内で連続殺人事件が勃発し、東京は未
曽有の事態に陥っていく。人類は生き残るこ
とができるのか? 進化系パンデミック小説。

感想・レビュー・書評

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  • 安生正『レッドリスト 絶滅進化論』幻冬舎文庫。

    2018年に刊行された進化系パンデミック小説『レッドリスト』に副題を追加し、文庫化。

    今まさに渦中にある新型コロナウイルス感染症を彷彿させるような感染症のパンデミックと生物の進化論とを融合させた、謎が謎を呼ぶ展開は面白い。しかし、相変わらず登場人物が多く、厚生労働省を始めとする組織内の軋轢が描かれるなど多少の煩わしさを感じる。

    記録的な寒波に襲われた極寒の都内で新種の赤痢や破傷風といった感染症が発生し、病院に搬送された患者はなすすべもなく、相次いで死亡する。そんな中、厚生労働省の降旗は感染症研究所の都筑博士と共に感染源の究明を命じられる。感染源と思われるネズミと黒いヒルの大量発生の謎……

    さらには都内の地下鉄構内で身体の一部だけとなった死体が相次いで発見される。ここ2年、地下鉄施設の周辺で発生している20人にも及ぶ行方不明事件は猟奇連続殺人なのか……

    そして、都内に大量発生したコウモリ。迫り来る人類滅亡の時……人類滅亡は神の意志なのか……

    色々と詰め込み過ぎた割りにラストが……

    本体価格750円
    ★★★★

  • 都内で謎の感染症が発生し、死亡者が続出。
    厚労省や感染症研究所が登場し、対応に追われる。
    原因不明のパンデミック。絶滅への扉は開かれた――

    コロナ自粛にも疲れてきて、そうはいっても密で遊びまわるわけにもいかない。人類の生き残りをかける程の感染症をフィクションで読んで、もう少し自制心を働かせよう。
    そんな意図で手にした8月発行の本書。実は2年前に発行されたものに副題をつけた形で再発行されたものでした。

    息つく暇もなく、様々なことが起こる東京。
    死体の描写が何とも気味悪く、実は読み進めるにしたがってぞわぞわする場面はそれだけではないと思い知らされた。
    一体何が起こっているのか、時間のない中で情報を集め明るみになる事実に驚くばかりで、同時に組織の中で非常時に対応することの難しさを改めて痛感しました。ただでさえ大変な時に、嫌な上司や同僚がいると心が疲弊しますね。

    非常時に、どこまで国民に情報開示をしていくか、という難しさも。情報開示は大事なことだと思いますが、一度流れた情報はもう止められず、不安な情報しかなければパニックを引き起こす。かといって、閉鎖的に議論してても危機感は伝わらず不信感が募るばかりだし、事実関係の整理すら追いつかない状況では誰が責任をもってどこまで伝えるのか、白黒はっきりしないものへの対応に日頃からどんな備えができるのか、なんて本筋から離れたことも考えさせられました。

    今までに5回もあった大量絶滅。人間もいつかきっと滅びる日がくるのでしょう。地殻変動か、人間自身によるものか。フィクションだけど、現実と地続きで、読み応えのある一冊でした。
    この時期に再刊行した判断は素晴らしいですね。

  • 次にどうなっていくのかが気になって、ページを捲る手が止まらなかった。
    バイオハザードにより、人類は種の絶滅の危機に瀕し、未曾有のパニック状態になる。
    捕食者と化した「とある生物」を前に、人類は生存競争に勝ち残ることができるか。

    今の世の中を見てもそうだが、永久に続くように見える我々の生存というのは、実に奇妙なバランスのもとに成り立っている。

  • レッドリスト と言えば絶滅危惧種のリスト。そのリストに追加され、滅亡に至るのは……

    そんなことあるはずがない でも あるかもしれない
    私たちは増えすぎた? この星を食いつぶしている?

  • すべては、ヒルによる感染症と芝浦水再生センターの死体遺棄から始まった。
    複数の事件が同時進行する中、今度は狂犬病が発生し、ついには人類の敵として新種のコウモリが現れた。
    コウモリか人類か、生き残りをかけた戦いの幕が開く。

    この手の作品は嫌いではない。
    しかし、初めのうちは説明が分かりにくく長い。
    登場人物も魅力を感じる人はいないのは残念だった。

  • 面白かった。
    小難しい説明や描写もあったが、もたつくような無駄描写がなくテンポ良く読めた。
    急に成長するわけでもなくヘタレのままの主人公にも好感。登場人物各々の話も、本筋を邪魔せずいいアクセントになっている。
    最後の流れで続編出るんだったら星5にする!

  • コロナ禍の時代に、この本の人類の滅亡というテーマが面白かったです。展開も早く読みやすかったです。
    1人の不器用な人間が一生懸命に色々なものに抗う姿が印象的でした。

  • さすが安生さんの新刊、、
    面白すぎて一気読みしました。
    今までのシリーズもよくこんなこと
    考えつくなと思ったけれど、
    どんどんそのシリーズが大きくなっていって
    レッドリストは超大作だと思う。
    でも現実的で、いつか起こり得るかもしれない
    非日常のようで日常に近しいところが恐ろしい。

  • ちょっと読んだのがだいぶん前だから、完全に記憶してるわけじゃないけど、ゼロシリーズと同じ様な感じだったのかな?
    (確か)蟻とコウモリの違い。
    でも、コウモリが病原ウイルスを撒き散らすというのは、誰しもが知ってる中。
    彼の国がコウモリ使ってウイルスを作ったという噂もある中。
    あり得なくはない…。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50209045

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著者プロフィール

1958年、京都市出身。京都大学大学院工学研究科卒。第11回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、『生存者ゼロ』にてデビュー。同作から続く〈ゼロ〉シリーズは、累計130万部を超えるベストセラーに。現在、建設会社勤務の傍ら、執筆活動を続けている。著書に『レッドリスト 絶滅進化論』(幻冬舎文庫)、『ホワイトバグ 生存不能』(宝島社)、『不屈の達磨』(角川春樹事務所)などがある。

「2022年 『首都決壊 内閣府災害担当・文月祐美』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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