- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344817944
感想・レビュー・書評
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冬にはBLが読みたくなる。うちにあるのを一冊ずつ読み直していくコーナー‼
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2021/06/21-06/24
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友達の暁行に告白した遙。同性だし、恋人もいる人だし。と、うまく行くとは微塵も思っていない感じが悲しい。それでも伝えたかった気持ちと、少しでも一緒にいたいと思っていることを考えると余計に。遙の告白に戸惑いながらも、変わらないでいようとする暁行。考えたこともない状況に、遙を傷つけるような行動をしてしまったりもしたけれど、大切な人である遙のことを考え続けているのは嬉しくなった。2人が幸せになれる道を選んでくれたらいいな。と願わずにはいられなかった。
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物語はゆっくりしっとり進みます。が、最後おまけページで持っていかれました!きゅんきゅんします!!
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好きすぎて、もう何回読み返したか分からない1冊!
すごくドラマチックな展開とかはなく、大学生活の最後の一年に、ずっと思いを寄せてた超ノンケ、彼女アリの親友と、思いが通じるまでのお話です。
本編はノンケのアキ(攻)視点で、BLなのにそこがもう珍しいです。
なのに、ハル(受)の超切なくて健気な気持ちが痛いほど伝わってきます。
もう、ぼろぼろ泣いてしまってヤバイです。
彼女がハルにヤキモチ焼いてハルが追いかけさせるとこ、クリスマスの廃墟の展望台、二人が初めて結ばれるとき、ハルが実家に戻って段ボールだらけの部屋で初めて感情を爆発させて泣くところ、アキがハルを追いかけていくところ、、、
ほぼすべてのシーンで泣けて涙腺崩壊します。
帯の「俺が勝手に好きになったんだ」は、最初はハルの台詞だと思ってたんですが、意外なことにこれはアキの台詞でした。
二人の続編読みたいけど、他のシリーズが人気過ぎてこの作品はけっこう地味みたいで、なかなか取り上げられないのが残念です。
私的には全てのBL作品のなかで一番好きかもです。
好きすぎて感想も書けないぐらいです(笑) -
ゲイを自覚する親友、遥に告白され、咀嚼しきれない思いに戸惑う暁行の視点で終始進むお話。
あれ、一穂作品としては珍しくゲイである自分に苦悩する男の子とノンケの話だー、と思いつつ、苦悩や戸惑い、抑えきれない行き場のない感情の行き交う様がはらはらと美しくて切なくて引き込まれました。
人物描写と感情の流れのひとつひとつ、恋愛にとどまらない人間の描き方の深さがとてもすきです。
自由気ままに過ごしているように見える店長の抱えた影の重さがとても深い……。
店長や暁行の恋人真樹を交えての感情の行き来の移ろい、藍染の家業を営む遥の家族への想いなど、二人の恋の枠に収まらない人間同士の愛情の切り取り方や、毎回唸らされる小物使いのアクセント、言葉が切り取る色合いと景色のひとつひとつがしんと染み渡るほど美しい。
暁行はよくも悪くも不自由せず育ち、あっけらかんとした裏表のない性格でルックスにも恵まれ、「恵まれ、愛されている」が故の無自覚ののびのびとした傲慢さは普通の男の子という感じで、遙はそこが好きなんだろうなぁ。
人によってはイラッとするかもですが、ある種嫌味がない普通の男の子で、それ故に同性を、友達付き合いを続けてきた友人に恋ごころを告白されることも、狭い世界で生きてきた「都会の絵の具」に染まらない遙にどこか惹きつけられ、戸惑うさまもリアルでした。
日々の戸惑いやためらいを隠さずにブログに気持ちを綴る様も心の動きが手に取るように感じられて、はらはらと胸に迫るよう。
文章で気持ちを吐き出して行く様はのちのふったらどしゃぶりのメールのやり取りを思い起こします。
大学生のお話かー、と思いきや藍染の家業というお仕事、そこに由来する人間としての生き方が物語に絡んでくるところも一穂作品ならでは。
後半の兄のエピソードが痛ましくて切ない。
息苦しさと鮮烈さ、想いを重ねてからのあまやかさとがバランスがよくてとても好きな一作。 -
「だって「かわいそう」と「いとしい」ってひどく似ている。」
攻め視点。
攻めのアキが男前で格好良い。
一穂さんはやっぱり文章がとても綺麗で、特に、
「軽くひるがえったオリーブグリーンの袖やすそ、いっぱいに差し込む春そのものの陽光、窓際で咲く桜。」
あ〜これは見惚れちゃうううう!
(再読)