藍より甘く (幻冬舎ルチル文庫)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
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感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344817944

感想・レビュー・書評

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  • 冬にはBLが読みたくなる。うちにあるのを一冊ずつ読み直していくコーナー‼

  • もう10年以上前に書かれた本なんですね。今はもうない場所や、モノ、SNSの単語がちょいちょい出てくるので、あーそんなのあったなぁ、と懐かしくなります。

    ノンケの彼女持ちの男の子が、友達だと思っていた男の子に告白され、意識していく。
    暁行の混乱、戸惑い、惹かれる心模様が、日々の生活の中で時間をかけて変化していく様が、とてもうまいです。さすがです。もーするする読めます。一穂さんの文章、登場人物、ほんと好き。
    遥のグズグズ感も、なんかジメジメしてないんですよね。好きで、諦められなくて、一緒にいたくて。

    藍染という馴染みのない世界のことも、とても丁寧に描かれていて、面白いです。
    遥かの藍染に関する気持ちも、暁行に対する気持ちも、なんか一緒なんですよね。大好きだけど、手に入らない寂しさ。強がっているようで、とても切ないです。

    主役2人以外の登場人物たち(店長や彼女やお兄さんやら)も背景がきちんとしていて、世界は様々人たちと絡みあって、できているんだと思わせてくれます。
    BLとしては、ちょっと物足りないかも。
    でも、面白かった!
    バーの店長さんの過去が気になるな〜。 

  • 2021/06/21-06/24

  • 友達の暁行に告白した遙。同性だし、恋人もいる人だし。と、うまく行くとは微塵も思っていない感じが悲しい。それでも伝えたかった気持ちと、少しでも一緒にいたいと思っていることを考えると余計に。遙の告白に戸惑いながらも、変わらないでいようとする暁行。考えたこともない状況に、遙を傷つけるような行動をしてしまったりもしたけれど、大切な人である遙のことを考え続けているのは嬉しくなった。2人が幸せになれる道を選んでくれたらいいな。と願わずにはいられなかった。

  • 物語はゆっくりしっとり進みます。が、最後おまけページで持っていかれました!きゅんきゅんします!!

  • カーーッ!!入江は愛しのニコールの攻めを彷彿とさせますね。遥のほうが綺麗で男前に感じるけど、遥にしかわからない入江の良さがあるんだろうな。彼女のことを特に嫌いになっていかずに遥と付き合うことにするところはよかったです。BLでは大体彼女がヒステリックになって「嫌な女」というヒール役になることが多いので...。マキのことが好き以上に遥のほうが好きになったことに泣いた。

  • 好きすぎて、もう何回読み返したか分からない1冊!
    すごくドラマチックな展開とかはなく、大学生活の最後の一年に、ずっと思いを寄せてた超ノンケ、彼女アリの親友と、思いが通じるまでのお話です。
    本編はノンケのアキ(攻)視点で、BLなのにそこがもう珍しいです。
    なのに、ハル(受)の超切なくて健気な気持ちが痛いほど伝わってきます。
    もう、ぼろぼろ泣いてしまってヤバイです。
    彼女がハルにヤキモチ焼いてハルが追いかけさせるとこ、クリスマスの廃墟の展望台、二人が初めて結ばれるとき、ハルが実家に戻って段ボールだらけの部屋で初めて感情を爆発させて泣くところ、アキがハルを追いかけていくところ、、、
    ほぼすべてのシーンで泣けて涙腺崩壊します。
    帯の「俺が勝手に好きになったんだ」は、最初はハルの台詞だと思ってたんですが、意外なことにこれはアキの台詞でした。
    二人の続編読みたいけど、他のシリーズが人気過ぎてこの作品はけっこう地味みたいで、なかなか取り上げられないのが残念です。
    私的には全てのBL作品のなかで一番好きかもです。
    好きすぎて感想も書けないぐらいです(笑)

  • ゲイを自覚する親友、遥に告白され、咀嚼しきれない思いに戸惑う暁行の視点で終始進むお話。
    あれ、一穂作品としては珍しくゲイである自分に苦悩する男の子とノンケの話だー、と思いつつ、苦悩や戸惑い、抑えきれない行き場のない感情の行き交う様がはらはらと美しくて切なくて引き込まれました。
    人物描写と感情の流れのひとつひとつ、恋愛にとどまらない人間の描き方の深さがとてもすきです。
    自由気ままに過ごしているように見える店長の抱えた影の重さがとても深い……。

    店長や暁行の恋人真樹を交えての感情の行き来の移ろい、藍染の家業を営む遥の家族への想いなど、二人の恋の枠に収まらない人間同士の愛情の切り取り方や、毎回唸らされる小物使いのアクセント、言葉が切り取る色合いと景色のひとつひとつがしんと染み渡るほど美しい。

    暁行はよくも悪くも不自由せず育ち、あっけらかんとした裏表のない性格でルックスにも恵まれ、「恵まれ、愛されている」が故の無自覚ののびのびとした傲慢さは普通の男の子という感じで、遙はそこが好きなんだろうなぁ。
    人によってはイラッとするかもですが、ある種嫌味がない普通の男の子で、それ故に同性を、友達付き合いを続けてきた友人に恋ごころを告白されることも、狭い世界で生きてきた「都会の絵の具」に染まらない遙にどこか惹きつけられ、戸惑うさまもリアルでした。
    日々の戸惑いやためらいを隠さずにブログに気持ちを綴る様も心の動きが手に取るように感じられて、はらはらと胸に迫るよう。
    文章で気持ちを吐き出して行く様はのちのふったらどしゃぶりのメールのやり取りを思い起こします。

    大学生のお話かー、と思いきや藍染の家業というお仕事、そこに由来する人間としての生き方が物語に絡んでくるところも一穂作品ならでは。
    後半の兄のエピソードが痛ましくて切ない。
    息苦しさと鮮烈さ、想いを重ねてからのあまやかさとがバランスがよくてとても好きな一作。

  • 「だって「かわいそう」と「いとしい」ってひどく似ている。」

    攻め視点。
    攻めのアキが男前で格好良い。
    一穂さんはやっぱり文章がとても綺麗で、特に、
    「軽くひるがえったオリーブグリーンの袖やすそ、いっぱいに差し込む春そのものの陽光、窓際で咲く桜。」
    あ〜これは見惚れちゃうううう!

    (再読)

  • とても、良い話でした。大学生同士で親友、暁行と遥。突然の告白から2人の微妙な距離感が読んでいてドキドキもしたし、ハラハラもして… 暁行の言葉や態度がとてもリアルに感じました。暁行の戸惑いや素直な疑問、そして段々と遥を意識し始めていく心情が丁寧に綴られていて凄く良かった。後半で遥視点の話しもあって、遥の号泣するシーン、お兄さんへの想いに私も涙した… ラストの書き下ろし「愛より甘く」の2人が微笑ましくて、糖分UPしていてほっこりしました。

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著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

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