- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344980679
作品紹介・あらすじ
新左翼とは、1960年代、旧来の共産党や社会民主主義政党を「既成左翼」と呼んで批判し、矛盾に満ちた国家体制を打倒するための革命運動をいう。それは、70年あたりにピークを迎えるが、やがて「よど号ハイジャック」「浅間山荘」など社会的事件をおこし、「内ゲバ」で百人をこえる死者を出すにいたって完全に挫折する。彼らは一体何を考え、何をしたのか。理論家であり、常に第一線にいた著者が、その内実を初めて解き明かす。
感想・レビュー・書評
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この人は左の人なので、反権力や左翼思想礼賛がところどころにある。
それをそういうもんだと思って読めば、いろいろ勉強になる。
こんな時代に巻き込まれなくて、本当によかった、詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最終章の内ゲバのところは読んでいて頭が痛くなってきた。
何冊か読んで思ったのは、
同じ新左翼でもその性質は年代によってかなり異なると感じた。
特に六〇年安保とそれ以降の新左翼は一線を画していると思う。
七〇年以降の大学自治周りの動きは知らなかったので、
ここはもう少し突っ込んで調べてみたい。 -
本書は、新左翼の活動家でも古い経歴を持つ荒岱介氏(元ブント代表)によるものである。
あとがきに「一般読者に理解できる」ようにとあるが、その内容は新左翼の歴史としてはそれなりに詳細ではあるが、一般にはわかりにくいのではないだろうか。また、ある程度基礎知識がある読者には、なぜその時代に若者が激しい戦いを行ったのかの総括がないようにも思える。どちらの読者にも不満が残る内容なのではないかと思えた。
本書は、新左翼運動のダイジェスト版を目指したのだろうが、「新左翼とはなんだったのか」とテーマとする以上、いかにその内容が厳しくとも、歴史的な評価をもっと前面に出さなければ、かつて戦いに大きなエネルギーを注いだ若者たちに申し訳ないのではないだろうか。
著者は、共産同戦旗派の指導者として多くの若者を指導し、その後マルクス主義から環境団体への転換など、多彩な経歴をもつ特異な知識人・活動家であると思う。
彼の生きてきた過去の活動や思想の変転については別の著作があるのかもしれないが、新左翼の歴史とその活動・内ゲバの簡単な紹介のみが「新左翼とはなんだったのか」の結論なのでは、ちょっと物足りない。本書は残念な本であると思う。 -
新左翼がどのように登場し、どんなことを行なったかはわかったが、もっと体系的な概説を期待していたため、納得するまでの理解ができなかった。
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新左翼の中の人が書いた本。
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現在から過去を見て評価することも必要だろう。そう思った。しかし、なんだかなー? 結局なんだったんだ? でもそこから、現在の組織されていない(?)労働組合などは発生してきているということらしい。個人加入の労働組合のことである。たぶんそうなんだろう。ヨーロッパでは緑の党なんかがその流れをうまく汲んで、主流派になったところもある。残念ながら日本ではそうはならなかったけど、それでも「新左翼」は何も残さなかったというわけではなかったということ。
しかし、著者は触れていないが、新左翼の残した「負」が、現在の日本国民の心象を作っている、つまり「お上にはやっぱり勝てない」という気分を作っているのは間違いない。そういう意味では、罪深い。 -
[ 内容 ]
新左翼とは、1960年代、旧来の共産党や社会民主主義政党を「既成左翼」と呼んで批判し、矛盾に満ちた国家体制を打倒するための革命運動をいう。
それは、70年あたりにピークを迎えるが、やがて「よど号ハイジャック」「浅間山荘」など社会的事件をおこし、「内ゲバ」で百人をこえる死者を出すにいたって完全に挫折する。
彼らは一体何を考え、何をしたのか。
理論家であり、常に第一線にいた著者が、その内実を初めて解き明かす。
[ 目次 ]
第1章 これが新左翼のルーツだ
第2章 五五年体制下での砂川闘争と労働運動・学生運動
第3章 新左翼運動が全面開花する六〇年代高揚期
第4章 新左翼と自治会・労働組合運動
第5章 新左翼のグローバリズム―組織された暴力とプロレタリア国際主義
第6章 なぜ内ゲバになったのか
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[ 参考となる書評 ] -
感想は次の本で。
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研究テーマと向き合いたくない。。。
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客観的に書こうとしているのだろうが、そこかしこに内部の人なんだな、と思う表現が見られます。それはそれで興味深いのですが。