人生を面白くする 本物の教養 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344983922

感想・レビュー・書評

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  • 出口イズムが現れまくった本だった
    旅x人x本の3本建の考え方が非常にしっくりきたし、人として生きる上で欠かせないことを突きつけられたようにも思える一冊。教養とは人生における面白いことを増やすための手段に過ぎないこと、学歴や年齢に関係なく日常的なことが教養として自分のツールになることを教えてくれた。

  • 本書で語られていること:
    ❶教養とは何か
    ❷教養が足りない日本の現代人
    ❸物事の考え方
    ❹教養の身に付け方
    ❺時事問題(日本の社会保障問題)

    ❶教養とは、
    A:人生を面白くするツール
    =面白い・ワクワク・楽しいことを増やすためのツール
    B:自身の頭で考える能力
    =頭の中で考え抜き、意見を表明する能力

    ❷何故、現代人は教養が足りないのか?→日本社会が教養を求めないから
    海外では教養はボキャブラリーとも置き換えられ、その人の面白さや人を惹きつける魅力と直結しているので、様々な事柄に興味を持つ人が多い。
    逆に何故日本社会は教養を求めないのか。その理由には、戦後の高度経済成長期の社会構造が根底にある。高度経済成長期の日本はアメリカのビジネスモデルを「何も考えず真似する」形で採用し成長を遂げてきた。既に有用なビジネスモデルがあるので、上層部からすると何も考えずに従う人が使い勝手が良かったのである。結果、一括採用・青田買いが横行し、年功序列・終身雇用が誕生した。

    ❸物事は数字で検証が成され、シンプルかつ修飾されずに考えることが大切。
    数字で検証される具体例;
    「在住外国人が増えると、犯罪も増加する」という客観的根拠を欠いた理論。
    シンプルとは;
    物事の幹を捉える。枝葉の様な細かい部分ばかりに注目せず、物事の幹を見定めシンプルなロジックで考える。
    修飾されずとは;
    書き言葉であれば修飾語、会話であれば会話相手に対する感情や自身の心情で、物事の内容に影響が出ないようにする。

    ❹本を読む、人に出会う、旅に出る
    本は最初の5ページを読み面白ければ読み進め、それ以外は捨てる。
    自分が面白いと思える人と付き合うようにする。
    旅は教養を得る事を目的とするのではなく、とにかく楽しむ、その結果教養を得ることに繋がる。

    ❺年金はいずれ破綻すると言われているが、実際は破綻しない。今後少子高齢化が進むことで年金に関して、歳出が増え、歳入が減ることになるので年金制度は破綻すると言われているが、歳出と歳入の差は国債を発行することで凌ぐことができる。つまり国債を発行出来る限り今の年金制度は維持出来る。逆に国債が発行出来ない(政府が破綻している)時は、最早年金問題よりも深刻な問題に直面していることになるので、年金どころの話ではない状態になっている。
    また、消費税の増加に反対をする声が多数あるが、今の社会保障を維持するには増税は必須である。消費増税の代わりに所得税の増加等を実施すると、働き世代の負担が増えることになる。
    全世代に対して平等に増税を課すためには消費税の増税が分かりやすい。
    なので、少子化を抑えるためにも消費増税は避けられない。

  • 様々な事をただ知っている事を表す「知識」とは違い、「教養」とは自分の頭で考える力であり、一種の能力のようなものだろう。
    進学や採用での試験など効率が重視されるに今の日本の世の中で、真の教養を身につける事が出来る機会は少ない。
    その中で、読者・人との出会い・旅から教養を身につける術を語っている。
    「教養」を身につけた筆者は時事問題についても、極めて論理的に、そして実質的に分析し、読者に提言を行う。
    感想等でなく、合理的に導き出すその意見を私が自らの手で導けないのは「教養」が欠けているからなのだろう。

  • とても感心する内容でした。
    第7章「教養としての時事問題」は唸らされました。
    コロナ後の今、著者はどういう考えに至っているのか、伺ってみたいなと思いました。

  • 私の場合は趣味としての教養を身につけたいのでビジネスにおける教養を身につけるためのこの本はあまり役に立ちませんでした。
    とはいえやっぱり賢い方というのは物事の考え方、受け止め方が違うと感心しました。

  • 2度目の読書 
    腑に落ちるを大切に
    自分のルールを作り判断を減らす
    自分ルールに例外はない
    旅、人、読書を自分の中にどう作るか

  • 「教養とは人生を豊かにするために必要なものである。」
    この言葉を本当に理解した時に自分に教養がついたと思っていいのではないかと思った。

  • 教育では、考える力と生きた実践的な知識を教えることが大切だと書かれていました。
    先の見えない困難な時代と言われている今、子どもたちをロボットにするのではなく、考えて行動できる人へと成長させることが教育者として改めて大切だと思った。

    また、肩書きとはミッションを実現させるための役割であり機能と捉える出口さんの考え方。社長だからすごいということは全くない。自分の立場が上がった時に忘れないでいたい言葉だと思った。

    これを読んで、自分の頭で考えられる人がこれからの時代に求められていることであると思った。ある物事に対して自分はどう考えるのか。自分の思いを常に表現できる人でありたい

  • 前いた会社の研修で中国の大学院生と瀋陽の都市開発についてディスカッションする機会があったのだけど、思考力の圧倒的な差を見せつけられて同僚と唖然としたのを思い出した。本で主張している通り、これが日本の中にいるだけでは気づけないリアルなのだと思う。

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著者プロフィール

出口 治明(でぐち・はるあき):立命館アジア太平洋大学(APU)学長。ライフネット生命創業者。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒。日本生命入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画(株)を設立し、代表取締役社長に就任。2008年4月、生命保険業免許取得に伴いライフネット生命株式会社に変更。2012年上場。2018年より現職。著書に『全世界史(上・下)』(新潮文庫)、『0から学ぶ「日本史」講義』シリーズ(文春文庫)、『歴史を活かす力』『日本の伸びしろ』(文春新書)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)、『一気読み世界史』(日経BP)、『ぼくは古典を読み続ける』(光文社)等多数。

「2023年 『人類5000年史Ⅴ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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