#マイネーム

著者 :
  • さ・え・ら書房
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本棚登録 : 233
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784378015583

作品紹介・あらすじ

「とりあえず、さけぼうか。あたしの本当の名前」
海とキャベツの町、千葉県銚子市にくらす中学一年生の明音(みおん)は、両親の離婚によって名字が変わったばかり。入学した杜中(モリチュー)では“さんづけ”運動がはじまり、新しい名字が強調されることに。もう最悪だ。
そんなとき、SNSで、地元中学生限定のスレッド【自分の名前がきらいなやつ集まれ #マイネーム 】に出会う。スレッド主のビオが、“さんづけ”運動に反対して、自分の呼ばれたい名前の名札をつけようと呼びかけると、名前にそれぞれの不満を抱える明音たち一年生は熱狂した。そして、「杜中名札事件」がぼっ発する。
仲たがい、裏切り、大人たちの反撃………事件は思いもよらぬ展開へ。
はたして、明音たちの心のさけびは届くのか―――。

感想・レビュー・書評

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  • ハッシュタグ#を半音上げるシャープ#と思っていた
    婆さんがどうしてこの本を図書館予約したのか
    思い出せないのです

    今のキラキラネームって子どもたち自身が本当に好きなのかなあとはずっと思っていましたが、この本はそういうこととは少し違っていました

    名乗りたい名前
    呼ばれたい名前
    それをめぐって、中学一年生が戦いを起こします

    学校・親・地域・友達
    SNSで繋がっていくのですね

    そして最終的には……

    婆さんは「がんばれ!悩め!」としか言えませんでした

    ≪ マイネーム みんなで悩め ハッシュタグ ≫

    • はまだかよこさん
      アールグレイさん、コメントありがとうございます。
      本当に何も分からなくってオロオロ
      アプリ、インスタグラム、ツイッター、フェイスブック
      とに...
      アールグレイさん、コメントありがとうございます。
      本当に何も分からなくってオロオロ
      アプリ、インスタグラム、ツイッター、フェイスブック
      とにかくログインの前で挫折しています
      フィッシング詐欺にあってからは
      ネットでの買い物もカードが使えません
      でも、こうして知らなかった方とお話しできるのはうれしいです
      またよろしくお願いいたします

      2022/07/05
    • ゆいりんさん
      ハッシュタグ#をシャープ♯だと思っていたのには笑えました。
      わたしはこの本を読んではいないのですが、
      気になったので読ませてもらいました。
      ...
      ハッシュタグ#をシャープ♯だと思っていたのには笑えました。
      わたしはこの本を読んではいないのですが、
      気になったので読ませてもらいました。
      TwitterやInstagramなどこのご時世スマホが必須。ブクログもスマホでやってますね笑
      見た感じ、ハッシュタグとか名前の本なのかなと思いました。
      (わたしの見解なので違っていても大丈夫で         す)
      2022/08/17
    • はまだかよこさん
      ゆいりんさん、コメントありがとうございます
      ホントにね、婆さんは新しいことが脳に定着しないのでカナシイです。
      ただ、最近うん???って名...
      ゆいりんさん、コメントありがとうございます
      ホントにね、婆さんは新しいことが脳に定着しないのでカナシイです。
      ただ、最近うん???って名前が多いので
      ちょっと手に取ってみました。
      それぞれの年代に悩みはありますが
      お互いにカバーできるといいなあって思います。
      2022/08/18
  • DragonAge
    https://dragonage.hateblo.jp/

    須藤はる奈 / Haruna SUDO(@soujoh_) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/soujoh_/

    #マイネーム | さ・え・ら書房
    https://saela.co.jp/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%83%A0/

  • 私が中学校にあがるのを期にママとパパは離婚した
    今はママの苗字になっている
    ママはテーブルの下の住人になっている
    中学生でどうにもならないことから、トーヒしたい
    中学校では「SUNさん運動」が導入された
    ニックネームや呼び捨てではなく、「さん」付けで名前を呼ぶようにと

    変わったばかりの名前を「さん」で強調されて呼ばれるのか…

    【自分の名前がきらいなやつあつまれ#マイネーム】という呼びかけがどうやら同じ中学校の人間の立ち上げたSNS であった

    クラスメートたちは【星の名前】を名札につけて学校に通いはじめる

    〇名前ってなんだろう
     ←自分にとって
      人の名前についても
    〇自分の名前をきらいだと思ってもよいのか
    〇マイネームを名乗ることで、蓋をしていた気持ちや考えを伝えられるようになった子どもたち
    〇名乗りたい名前を
     外国ルーツ
     離婚
    〇大人と子ども
    〇アイデンティティ

  • 公共図書館のおすすめYA本でしたでしょうか。
    たしかに、中学生の読者にとっては、漠然とした「自分は何者なのか」という不安が大きくなってくる時期でしょうし、それにフィットする物語なのだろうと思います。

    ただ、舞台が千葉県(銚子市)の海沿いの小さな町の公立中学校ということで、近所付き合いが濃密という要素も含めて、いわゆる「都心部」の「私立中高一貫校(しかも男子校)」という勤務校の生徒たちにとっては感情移入しづらいかな、という気がします。
    私自身も「周囲の大人が、地域の子どもたちのことを深く知っている」というコミュニティにはなじみがありませんでしたので、登場人物たちの心情は理解できるものの、共感して作品に入り込むというところまではいけませんでした。

  • 名前について考えるキッカケを作ってくれる児童文学。歴史、特に近現代史を正しく学ばないと、名前についての考察はできないかもね。

  • 名乗りたい名前。呼ばれたい名前。

    名前を呼ぶことは、相手を認めていることであり、親しみや尊敬などの大切な意味があると思っている。

    名前が嫌いとかは考えたことがなかったが、きっとそういう人もいるんだろうなぁ。

    SNSという今っぽさと、中学生で迷い悩む時期といういつの時代でも変わらないようなもの。新しさと懐かしさを感じた。

    在日コリアン4世の彩瑛の叫びが、よかったなぁ。
    「知らないからって、いっしょにしないで。いっしょに見えるからって、あるものを、ないことにしないで。日本で生まれ育ったわたしは、9割は〈日本人〉かもしれない。でも、残りの一割はちがうの。ちがうものまで、同じにしないで。そういうの、優しさでも親切でも理解でもないから。」

    韓国朝鮮にルーツをもつ子が、大阪に住んでいた頃は、もう少し多かったろうし、見えやすかったと思う。愛知県に引っ越してきて、なかなかそんな子に出会わなくなっていたから、本の中だけど、久しぶりに出会えたなぁって思った。

    いっしょにすることが優しさでも親切でも理解でもない、というのは正にそう。色んな立場の人や考えに触れることで、優しさは広がっていくと思う。

    この本が、多くの中学生や大人に読まれるといいなぁと思った。

  • とある田舎町にブックカフェができたのがはじまり。そのブックカフェにいる間は自分の名乗りたい名前の名札をつける。

    そこから、親の離婚とか、出世によってとか、自分の主張したい事を名前にのせるだとか、名前について思うことがある子達が、SNSのトークルームで同盟をつくる。

    次第に同盟は学校にまで絡んでいき、学校全体を巻き込んだ問題に発展していく。





    最初の章のブックカフェのあたりが、とても素敵で、こんな素敵な場所があったらいいなって読んでいた。実在する本や、一節がでてきたり、本好きにはワクワクした。中盤からはひたすら、若者の主張。中学生の時にこのような革命をするような子がいる学校ではなかったので、時代もあると思うけどとても斬新でした。

    自分の名前に関しても、例えばキラキラネームをつけられた子が自分の名前が嫌で改名する子がいるように、いろいろな理由で自分の名前に疑問を持つ子供がいる。私は自分の名前に疑問なんか持ったことないし、結婚したときに苗字が変わることも自然なことだと思っていたけれども、そうは思わない人もいる。

    村田沙耶香さんの本とか読んだ時もだけど、本を読んでいて時代の変化を感じることが、なんだかとても不思議な感覚です。
    自分の意見を持っていてもいともたやすく時代に流される、何なら自分の意見なんて持ってないんじゃないかと言う自分に気がつきました。


    自分たちで自分たちの名乗りたい名前を名乗ることにするのか、平等に名字にさん付けにするのか、最終的に学校で投票を行うことになるのですが、その結果がいともたやすく後者だったことが少しほっとした気持ちにもなりました。 

    最後に、同じ娘を持つ母として、それも極めてメンヘラな母として、美音ちゃんのお母さんのことが人事じゃない、親近感さえ覚えました。母親だからって完璧じゃない、娘にとっては迷惑な話かもしれないけれども、どんな形であれお母さんをよく理解している美音ちゃんに感謝のような気持ちでいっぱいです。

  •  両親の離婚によって、中学入学を前に明音は名字が変わった。明音は母親の旧姓に馴染めない。
     学校では、全員がさん付けで呼び合うように決められ、皆がざわついた。明音もなれていない名字にさん付けでよばれるなんて嫌だと思った。

     通学路の途中にオープンした「ブックカフェ・てふてふ」では、自分の好きな名前を名のるというシステムがある。明音はもとの名字のアルファベットからSGMにした。

     何気なくスマホで検索して見つけた、自分の名前が嫌いな仲間を募っているトークルームに、明音はSGMの名前で参加した。
     このトークルームから、学校強制のさん付け呼びに対抗して、自分の好きな名前で呼び合おうという流れができた。これには担任も困り果てて…。

  • それまで歩いてきた道が、その人の成分になる。成分はその都度変わっていく。

  • 「# マイネーム」

    「たでーま」「 おけえり」ってかわいな。東総弁っていうんですね。

    名前はあくまでアイデンティティの一部。でも、この世に生まれて最初に付与されるアイデンティティであり、リアルにおいては自己と外界を結びつける上で最もポピュラーな「しるし」であるといえるとでしょう。

    なのに、こんなに名前というものについて考えたのなんて、小学校で「自分の名前の意味を両親に聞いてきましょう」っていう宿題(今はいろんな配慮が働いてこんな直截的なお題はあまり出ないかな)に取り組んだとき以来な気がします。
    最近の子だと小4あたり(2分の1成人式)で赤ちゃんの頃の写真を使って自分史作ったりするときに似たことやりますよね。

    「考えた」といっても、自分の名前について考えることって実はそんなにないんですよね。
    不満はないし、むしろ好きだから。

    登場人物の彼らも、本来の名前に不満があるというよりは、自分を取り巻く環境への嘆きや心の叫びを「名前」というひとつの「しるし」を借りて知らしめたかったわけですよね。真田くんは別にして(笑)

    その中でも明音・結人・彩瑛は比較的「名前」というものの本質に近い場所に火種がありました。

    家庭内のネガティブな変化、隠さなくてはいけないといわれた自分のルーツ。本当の問題はそこであって、あくまで名前の変化は事実に付随した、ただの現象。
    でも、それが「名前」であるからこそ、その問題によって揺り動かされる影響が自分という存在すべてに及び、「変えられる」もしくは「否定される」と考えてしまうんでしょうね。
    人種的なルーツに関しては差別っていう実害が出ることで、個の「しるし」としての役割から離れて他の作用を持ってしまうのが辛いし悲しい。

    この本を読んでいるあいだ、頭から離れない子がいて。胸の名札には名字が3つあって、そのうち2つはマジックで塗りつぶされてる。もちろん最初からじゃない。あの名札をつけ続けるあの子は「名前」について何を思うのか。


    Chaeyongの詩。
    核は二つのルーツを内に秘めてガラスを纏う、彼女の抽象化部分なんだろうけど、

    「それはただの名前
    あなたの人差し指で発芽する
    ただの名前」

    この部分がすごく好き。
    解釈が作者の意図とは違うかもしれないですが……
    他者の意識が自分に向いてはじめて、個として認識されてはじめて、己の「名前」は息吹くっていうイメージが眩しくて。

    この本のPOPはこのイメージで描きたいなあ。

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著者プロフィール

作 黒川裕子(くろかわ・ゆうこ)
大阪府生まれ。京都外国語大学学士、エディンバラ大学修士。2017年に第58回講談社児童文学新人賞佳作入選、『奏のフォルテ』でデビュー。小学生向けから中高生向けまで、幅広いテーマの児童書を執筆している。おもな作品に『天を掃け』『となりのアブダラくん』『いちご×ロック』(すべて講談社)などがある。千葉県市川市在住。

「2021年 『#マイネーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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