- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396110956
作品紹介・あらすじ
デッドライン仕事術とは「就業時間も仕事も、すべて締切を設定する」という、非常に簡単な仕事手法である。ダラダラと残業せずに、毎日、「今日は○時に帰る」と決めて仕事をする。「来月中旬ごろ」という曖昧な言い方はやめて、「×月×日まで」とすべての仕事に締切日を入れる。この二つを実行するだけで、仕事効率は驚くほど上がる。デッドライン仕事術は自分の仕事効率を高めるだけでなく、部下の仕事を管理し、スピードを上げさせるのにも、抜群の効力を発揮する。部下を動かす際は「会議」も併用するのだが、「本当に有効な会議のやり方」も本書で詳説してある。トリンプを一九年連続増収・増益に導いた、吉越式仕事術のすべてを開示した一冊。
感想・レビュー・書評
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仕事が終わらないのは、時間がないのではなく、効率がわるいから
「時間がいくらあってもたりない」方にかぎって実は、「時間はいくらでもある」と思っているように思えて仕方がない
足りないのは時間ではなくて、スピードである。
多量の仕事をこなすためには、労働時間を増やすのではなく、効率を上げるべきなのだ。
ではどうやったら効率はあがるのか、本書が述べる策は2つ
①毎日、お尻の時間を決めて仕事をする
②すべての仕事に、締め切り日を入れる です。
気になったことは以下です。
■仕事のスピードを3倍にする
・残業を当然のことと考えているかぎり、その会社からは仕事のできる女性たちが次々と去っていく。
・ホワイトカラーの仕事を可視化するにはどうしたらよいか。下げている問題点は3つ
① 必要のない仕事を一生懸命にやっている
② ワイガヤは集中力を奪うだけ 電話がよく鳴る、日本のオフィス⇒集中できる時間や、集中できる空間を作る
③ 判断の遅い企業は、日常業務も間延びする 仕事のアウトプットは、能力×時間×効率 で決まる
■即断即決
・時間がないと思えば、迷っている暇はない。考える前に体が動くようになる、要するに、「仕事のスピード」が上がるというのは、おおむね「判断のスピード」が上がることを意味している
・組織をぴらみっどにたとえるなら、欧米企業は斜面の角度がなめらかなので、底面と頂点が近いが日本企業は斜面が急角度なので、頂点にいると底面まで手が届かないのである
・情報を独り占めしてオープンにしないのは、いわゆる「ワンマン経営者」の常套手段でもある
・社内の意見対立に、個人の「勝ち負け」はない
・決断を保留して問題を先送りにしたときに、会社は停滞するということだ。一見すると取るに足りないような小さな問題であっても、放置しておくと大問題に発展することは少なくない
・「根の深い問題」は強い意志を持ってトップダウンの決断を下さないと、なかなか断ち切れないものである
・実際には、問題が大きければ大きいほど決断力が鈍くなるリーダが多い。人によっては、小さな問題をわざわざ大きくして複雑化させ、決断できない状況を作り出していることもある。
■キャリアアップできる人間の思考法
・要するに、「早く帰ろうと思えば、早く帰れる」
・仕事で良い結果を出せない人間は、「いい人」なのだ
・優秀な人間は全体の二割にすぎず、六割は可もなく不可もない人材で、残りの二割はほとんど戦力になっていない。2-6-2の法則だ。
・教育で人材なんか育たない。優秀な人間はみんな、自分で仕事のやり方を身につけてきたのだ
・マニュアル化できない「暗黙知」。経験に基づく「勘」のようなもので、はっきりと言葉で説明することができない。したがってマニュアル化することもできないので、そのノウハウを持っている人間がいなくなると、次の世代に継承されなくなってしまうわけだ。
・どんなに丁寧に手取り足取り指導しても、暗黙知は教えることができない。それは、自分で学び取るものだ。
・職人の世界では、昔から「技は盗むものだ」と言われてきた
・ウエストポイント(陸軍士官学校)に入学した学生たちは、まず「フォロワーシップ」を徹底的に叩き込まれるという点だ
■「会議」と「デットライン」で部下を動かす
・無駄な会議というのは、この「プロセスの共有」を重視していない
・報告をするだけなら、わざわざ集まって会議をする必要などない
・会議は、「話し合う場」ではなく、「決める場」
・会議を早朝にやることにしたのは、さまざまな部署の人間が一斉に顔を揃えられる時間帯が朝と夜しかないからだ。
・こちらの突っ込みに対して論理的な説明ができなければ、そこで話は終わりだ。もう一度ちゃんと話を組み立てて、また翌日に説明させる。
・部下にとって最高の褒美は、「上司が何も言わないこと」
・仕事は部下にまかせて、「デッドライン」で管理する
・部下の嘘は絶対に許さず、厳しく対処する
・経営の仕事の答えは、すべて「現場」にあると心得よ
目次
はじめに
本当に「時間がない」ほど忙しいのか
「お尻の時間」を決めて仕事をする
すべての仕事に「締切日」を入れる
第1章 仕事のスピードを3倍にする―まず、残業を止めてみる
第2章 即断即決―どうすれば決断力は身につくか
第3章 キャリアアップできる人間の思考法―仕事はゲーム、技は盗め
第4章 「会議」と「デッドライン」で部下を動かす―簡単で効果抜群なマネジメント手法
デッドライン仕事術すべての仕事に「締切日」を入れよ
祥伝社新書095
著:吉越 浩一郎
ISBN:9784396110956
出版社:祥伝社
判型:新書
ページ数:200ページ
定価:740円(本体)
発行年月日:2007年12月
発売日:2007年12月25日初版第1刷
発売日:2008年05月01日第12刷詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
トリンプという会社の早朝会議から気にはなっていた。
次から次へと自ら判断、動くことは重要。 -
全肯定するわけじゃないけど、
自分は残業は悪な考えなのでおすすめしたい。
残業に頼ると、残業時間いっぱいまでを持ち時間として仕事をしてしまう。
管理側も残業に依存してはいけない、残業時間にスケジュールされた会議などは非常事態である。
極端に言えば、残業中は電話禁止、会話禁止ぐらいでもいいのではないだろうか。
しかし最後のほうで、上層の人間はそうも言ってられず、
自分は仕事を持って帰ってるなんて話があったのは残念。
デッドラインの本だったか、
「なるべく早く」等という中身のない外見の指示は無駄。
それなら締切をきっちり管理しようというのはもっとも。
しかしそのための管理スキルは高いものが必要となりそうである。
決断力の話とか、ワークバランスの話もあり、
仕事の効率化に役に立ちそうだった。 -
前半はなかなか、後半は残念。
3章の頭、なぜ日本人は仕事の効率化に意義を感じられないのか?
なんだかんだいいながらも仕事してる自分が好きなんじゃないのと安直なことを言ってるが、自身が前半で持ち出した材料から考えるならば、そうはならないだろう。
仕事を量ではなく時間で測る日本の会社は過労死にならないギリギリの線まで社員に働かせるという前提ならば、いくら効率化したところで帰ることのできる時間は変わらず、それどころか効率化してしまえばただでさえ長い拘束時間に加え、いままで以上の仕事量をこなさなければならなくなるのだから、仕事の効率化に意義を見出さないのは当然であり、合理的な判断だと言える。
意思決定の部分は良い。開店するか否かと閉店するか否かは別の意思決定である。当たり前のようだけど人間これが難しい。開店した以上簡単には閉店できない。そう考えてしまう。保有効果というかなんというか。それを解決するにはユニークな意思か、あるいは仕組みが必要となる。ここでは撤退のルールと月に一度の閉店会議が行われた。 -
外資での体験談が中心。
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あつい本でした。
書いてあることは、とても納得できるのですが、明日から会社で実行するには大きな壁があると思いました。
(私が、下っ端の立場であるかもしれませんが)
社長という立場であったからこそ、実行することが可能であったのではないかと感じる事例は多々ありました。
ただ、時間という資源をもっと大切にするべきだという考えを改めて実感するのにふさわしい本かもしれません。 -
感想
マインドセットとマネジメントの両面から。どう仕組みに組み込んでいくか。目標を立てたらそれを実行する方法を考える。共有して管理する。 -
仕事内容が割りと締切のある仕事だったから気づかないうちに鍛えられていたようで、かなり書いてある内容に近いマインドで仕事をしていた。先延ばしするより「まずやってみる」、周りと情報を共有する、早く帰りたかったら予定を入れておく等。会社にもよるのだろうがノー残業デーの設定や「●時以降はシステムが動かなくなる」のようにどうにもならない終わりがあればその日にやることを終わらせざるをえなくなる。仕事はのんびりする場ではなく能力を発揮して効率よく動く場なので、ダラダラ残業すべきではない。
著者はドイツ等海外で仕事していたとあり、その時の様子も書かれているが日本人はやはり仕事に対してのスタンスが違うようだ。 -
「吉越浩一郎」の著書『デッドライン仕事術』を読みました。
「大前研一」の『「リーダーの条件」が変わった 「危機の時代」を乗り越える新しい統率力』に続きビジネス書です。
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■トリンプを19年連続、増収・増益に導いた「超効率的」仕事術!
「デッドライン仕事術」とは、トリンプ前社長の「吉越浩一郎」氏が編み出した、「超効率化!」を実現する仕事手法のこと。
そして、おそらくもっともシンプルな仕事手法でもある。
なぜなら、実行することはたったの2つだけ。
1毎日「お尻の時間」を決めて働く
2仕事には「日付」で締切を入れる
1.ダラダラと残業せずに、毎日、「今日は○時に帰る」と決めて仕事をする。
「時間をかけないと仕事の質が落ちる」と心配する人もいるだろうが、これは思い込みにすぎない。
「お尻の時間」を決めて働くことで、仕事の「効率」はもちろん、かえって「質」も高まるのだ。
2.「来月中ごろ」という曖昧な言い方はやめて、「×月×日まで」とすべての仕事に締切日を入れ、その締切日を徹底して守る。
自分がやる作業の締切日を守るのはもちろんのこと、仕事相手にもしっかりと締切日を守ってもらう。
この二つを実行するだけで、仕事が「超効率化」されることは、残業ゼロを実現しながら19年連続、増収・増益を達成したトリンプが実証している。
さらに、本書では「デッドライン」を「会議」で管理することで部下を動かす方法についても詳説してある。
部下を持つ人が今日からでも実行できるように、「本当に有効な会議のやり方」が説明してあるのだ。
仕事が見えにくいホワイトカラーの生産性を上げるのに、効果抜群な本書を、ぜひご一読ください!
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仕事でのアウトプットが増やしたいなぁ… と思い、手に取った一冊です。
■はじめに
■第1章 仕事のスピードを三倍にする ―まず、残業をやめてみる
・残業大国ニッポンの惨状
・優秀な女性が会社を辞めざるを得ないシステム ほか
■第2章 即断即決 ―どうすれば決断力は身につくか
・「仕事のスピード」=「判断のスピード」
・ 判断材料はすべて「現場」にある ほか
■第3章 キャリアアップできる人間の思考法 ―仕事はゲーム、技は盗め
・日本人はなぜ、「仕事の効率化」に意義を感じられないのか
・ワークライフバランスの「ライフ」とは、「私生活」のこと ほか
■ 第4章 「会議」と「デッドライン」で部下を動かす ―簡単で効果抜群なマネジメント手法
・「会議」は本当に無駄なのか?
・戦いの「最前線」としての会議 ほか
全てが実践できるとは思いませんが、明日からでも仕事に活かせそうなヒントがありましたね。
印象に残ったのは、以下の内容かな。
○仕事のアウトプットは、「能力」×「時間」ではなく、「能力」×「時間」×「効率」で決まる。
○ワークライフバランスの「ライフ」は「人生」ではなく、「私生活」。
「仕事」の対極は「休み」ではなく、「遊び」。
(日本のビジネスマン:「仕事」⇔「休み」、欧米のビジネスマン:「仕事」⇔「遊び」)
○仕事ができる人間とできない人間の違いは、マニュアル化でき教育できる「形式知」ではなく、自らが学び取る「暗黙知」の部分。
以前に読んだ「大前研一」の著書『遊ぶ奴ほどよくデキる』にも通じるところがありましたね。
まずは、週に1回のデッドライン管理のミーティングから実践かな。