- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396633066
感想・レビュー・書評
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雪の山荘に閉じ込められた「新島ともかパート」と東京の事務所にいる「森江春策パート」が並行していくのですが、携帯電話が舞台設定をぶち壊していますし、森江春策パートから真相へアプローチしていくので、疑心暗鬼になりながらも真相に辿り着く、というクローズド・サークルならではの面白味はあまりありません。
トリックも大掛かりな割には犯人は何がしたかったのかよく分からず中途半端な印象です。 -
トリックは大がかりだし、「携帯登場後の現代におけるクローズド・サークル」なんて考察も鋭いし、人が何人も死んでるのに、ここまで盛り上がらない作品も珍しい。とぼけた探偵キャラや語り口もあるのかもしれないが、いろいろな要素が絶妙にかみ合って「いない」ように感じた。
個人的定義による「クローズド・サークルもの」としては壁本レベルなのだが、軽々に壁に投げつけるのもためらわれる迫力や真摯さも確かにあって、なんとも評価しがたい。そう、けっして「ふざけるな!」級の駄作ではないんだよなあ…。
——今初めて気づいたが、私は長らく本書のタイトルを「彼女らは雪の山荘に」と誤解していた。マヌケすぎる話でお恥ずかしい限りだが、「雪の山荘」を期待していたのがその実「雪の迷宮」…何やら暗示的だったなあ、と思うなど。
2016/1/7〜1/9読了 -
なんともつまらなかった
もう少しどうにかなったら良かったのに -
結構楽しく読めた。
またこの作家の作品を読んでみたい。 -
さらっと終了〜
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読了後、なんだなんだ、いやに登場人物が多くて読みにくい小説だったなぁ、どうも盛り上がりに欠けてたなぁ、と思いながらネットのレビューを覗いてみたら、わたしと同じような感想のカスタマーレビューがたくさんありました。やっぱそう思うよねぇ・・。
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雪の山荘、クローズドサークル。なんて魅力的な設定。ですがちょっと物足りなさを感じてしまった。
トリックは壮大ですね(^_^;) -
森江春策の事件簿シリーズ
芦辺拓はアンソロジーくらいなら読んだことあると思ったが、そんなことはなかった
で作品の方はまあタイトルから色々分かりますね
ミステリ要素は多くうまく回っていて結構楽しみながら読めました。
最後は強引すぎだなと感じました。まあ筆者の狙いでもあるが……
途中途中に挟まれるクローズド・サークルについての考え方はなかなか -
このホテル、なにかがおかしい招待客が消えていく……
雪深い山間の一軒のホテルで女たちに狂気が忍び寄る。本格ミステリの名手が仕掛ける壮大なトリック―― -
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このホテル、なにかがおかしい招待客が消えていく……
雪深い山間の一軒のホテルで女たちに狂気が忍び寄る。本格ミステリの名手が仕掛ける壮大なトリック――
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既視感のあるプロローグ
第一章 ある都市の屋根の下で
第二章 招かれた彼女たち・招かれざる彼女
第三章 七番目の客または新島ともかの憂鬱
第四章 6+1イコールやっぱり6
第五章 消えゆく宿泊客と増えゆく訪問者
第六章 新島ともかの出現もしくは消失
第七章 彼らは雪の迷宮へ
第八章 彼女らは雪の迷宮に
あとがき――あるいは好事家のためのノート
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松尾たいこ氏の装画を見て、物語の世界にはいった。読み終えたときには、装画にまったく別の世界が見えた。物語自体も同様である。プロローグで描かれた切迫した事態が、読者に否応なくこれから起こることを想わせ、緊張を強いる。そして、閉ざされた雪の山荘では予想通りの展開が待っているのである。だが、最終章でデジャヴのように描かれる場面は、プロローグのそれと同じ場面であっても、まったく別の見られ方をすることになるのである。なんと大掛かりなトリックだろう。弁護士でありながら、探偵役で登場する森江春策と、雪の山荘の招待客のひとりになった秘書の新島ともかの関係、そして森江の飼い犬、ゴールデンレトリバーの金獅子の陰ながらの活躍も興味深い。 -
雪の山荘、クローズドサークル、ミッシングリンク、とミステリ好きの大好物が揃っております。しかし、良い意味でオーソドックスなミステリではなかったですね。クローズドサークルにも外側が存在するというのは、当たり前のようでいて盲点でした。なるほどー。
○○がなかったわりにはやや辛い真相でしたが。この結末は重苦しくなく、むしろ爽やかでした。そしてこのタイトルの意味! これには思わず吹き出してしまったのでした。いやー、風情のあるタイトルだと思ったんですけど。そういうことでしたか。 -
「典型的クローズド・サークル」もの……一応最後までは。
雪に鎖された山荘に閉じ込められ、外界とつながるロープウェーは壊れ、そして宿泊客が一人ひとり消えてゆく……という設定は最後まで堅持される。
しかし、宿泊客の持っているケータイはばっちりつながるし、なんとなくサスペンス味が少ない点が、肩透かしのようにも思える。
それが作者の仕掛けでもあったのだけど。
ケータイがつながるという点が、クローズドサークルの内部よりも外部にサスペンス的展開を発生させているのが面白い。
トリックや動機などは、ちょっと(いや、かなりか)現実味に欠けるところがあるか。
このサプライズのためには仕方がなかったんだろうけど。
この文体も、サスペンスを産まれさせるには軽過ぎるという印象がぬぐえなかった。
でも、これだけ典型的パターンを透かした展開は素晴らしいと思った。 -
2008/11/09読了