純愛モラトリアム

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 233
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396633592

感想・レビュー・書評

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  • 季刊の読み切り小説誌「Feel Love」に連載されてきたシリーズ8編を収録。現代日本らしい若者たちの恋愛風景をこなれた会話と妙なシチュエーションで描き出す8編。殆どの作品は、前作品の登場人物とつながりを持つ人物を主人公に据えて物語をっ展開させるというチェイン・ストーリーともなっている。バツイチ・ママの恋人に誘拐された中2の女の子の話やブサイクに生まれついた中学教師が超可愛い教え子に恋する話など、あり得なさそうな話がこの著者の手にかかると、もしかしたらあるかもと思わされる出来だ。それにしても、天然ヒモ体質のどうしようもない太陽君にいいように振り回される蘭ちゃんや、太陽君にあこがれの里穂ちゃんをセフレと言い切られる真面目男・オケタニ君は可哀そうだ。(まあ、椰月さんは太陽君タイプが好きなのかもしれない。)物語は後半の作品に進むにつれ滑稽めいてくる。シチュエーションの異常さがユーモアを通り越した滑稽さだ。これはさらりと読み捨てるに限る。

著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2002年、第42回講談社児童文学新人賞を受賞した『十二歳』でデビュー。07年『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、08年第23回坪田譲治文学賞、17年『明日の食卓』で第3回神奈川県本大賞、20年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で第69回小学館児童出版文化賞を受賞。『明日の食卓』は21年映画化。その他の著書に『消えてなくなっても』『純喫茶パオーン』『ぼくたちの答え』『さしすせその女たち』などがある。

「2021年 『つながりの蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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