オールトの雲 (ディアプラス文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403522086

感想・レビュー・書評

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  • 幼なじみな二人の話。読んでると何故かハワイに行きたくなってきちゃった。心ほんわか。読んでてやっぱり幸せになるなぁ。

  • 一穂さん作品大好きですが、これは・・・そんなに思い入れがない作品。面白くないわけではないけど、可もなく不可もなく。そんな感じ。

  • あれ、なんだろ萌えなかった-_-b
    期待し過ぎてたのかな…2010年度BL小説部門6位だし、イラストは幼馴染みものでは鉄板の木下先生だし!
    太陽が流星を好きになる過程は分かるんだけど、流星の気持ちがイマイチ伝わらず…。うーん、そもそも私の中では掛け算逆でした(´Д` )色白ハーフで人見知りって受け要素満載じゃない!?
    書き下ろしも、再会して二人の邪魔をしたのが義理の兄妹の子供達だけって…微笑まし過ぎる(^^;;
    とは言え、文体は非常に美しく特にハワイの空と雨と虹、自然の描写が匂い立つように生き生きと表現されていて素晴らしかった。オールトの雲というタイトルから来る空気感も好き。木下先生の表紙も美しい!…なのに残念。他の作品に期待します。

  • うつくしいお話です。けっこうシビアな状況なんかもあるんやけど、さらり、さらり、と進んでいきます。

  • わりと評価の分かれる作品のようでしたが、私は結構好きでした。
    表題の『オールトの雲』というのは、冥王星のずっと先、太陽系の果てにある彗星が生まれるところ。
    『空には星がたくさん光っているからきれいだろ。真っ暗じゃないんだよ』
    幼い頃、暗いところが怖くて夜が苦手だった流星に、アメリカ人の父親が教えてくれた。
    それ以来、夜の星空は流星にとって、とても大切なものになった。
    対する太陽は、その名の通り、暖かい家庭で家族の愛をたっぷり受けて成長した真っ直ぐな男の子。
    離婚して母ひとり子ひとりで育ち、不器用で周りにうまく溶けこめない流星の孤独を明るく照らして暖めてくれる。
    ふたりは流星が近所に越してきた5歳の時から、お互いになくてはならない大切な存在になった。
    ずっと傍にいたい、離れたくない、この先の未来もずっと隣にいたい。大好きだから。
    そうできると信じていたけれど、流星の母親が癌で亡くなってしまったことで事態が急変する。
    アメリカから父親が一緒に暮らそうと流星を迎えに来たからだ。
    太陽は、父親の誘いを頑強に拒む流星の背中を押す。
    『流星を取り上げないで欲しい。ずっと一緒にいたい』と心底願っているのに。
    流星がずっとさびしいのも苦しいのもひとりでずっと我慢してきたのも自分だけはわかっていたから。
    結果、流星は父親の元で暮らすことになり、ハワイへと旅立ってしまう。
    今まですぐ手の届く場所にいたのに、遠く離ればなれになってしまった。
    これから幾度、心細い夜を過ごすだろう。流星を行かせてしまったことを後悔する日もくるかもしれない。
    でもどうにもできない。自分だけの力では何も変えられない。『好き』だけじゃどうにもできない。まだ大人にはなれないことの、もどかしさ。
    時間はどんどん流れていって、変わらない変わりたくないと願っても、きっと少しずつ形を変えていく。
    特別な『その時』は過ぎてしまってからでないとわからない。そのほんとうの値打ちが。どんなに特別で、どんなに幸せだったか。
    『何かを選ぶっていうのは、何かを選ばないっていうことなのかな』っていう作中の太陽のセリフに泣かされた。
    エンディング、ふたりはお互いを想いあいつつも、まだ遠距離のままだけど、きっといつかまた一緒に、ずっと一緒にいられるって思える。
    木下けい子さんのイラストもとても雰囲気があって素晴らしかった。

  • もしかしたら一穂さんは、人を好きになっていく心の動きを書くのが
    苦手なのかもしれない。
    でもなんか…このまま行って大丈夫なんかな、という感じ。
    この作品、別にお互いじゃなくてもいいというか、単なる友情ものでもいいというか。
    お前じゃなきゃ駄目だって要素が見つからなくて、またまたストンと好きになってましたな展開で。
    無駄な会話をもっと削って、その分を心理描写に回せないかな。
    BLの醍醐味って、やっぱりじりじりと近づいてく心の動きだと思うので。

    うーん。
    次回作に期待! 好きだから、やっぱ買っちゃうんだよなぁ。

  • ふんわりとした雰囲気。
    文章の雰囲気は好きなんですが、序盤はちょっと自己完結しすぎているというのか、説明不足だなと思う所もありました。

    「二人は互いに好意を持っている」という前提の上で読まないと、展開に置いて行かれてあれ?となります。
    好きな感じなだけにそれが残念。

    木下さんのイラストがよく似合っていると思います。素敵。

  • お父さまとのやりとりが好きです。

  • あれー?意外となんでもない幼なじみ話なんだけど結構泣いてしまいました。
    素朴でまだ力のない高校生の二人の純情さが胸を突く話でした。

    お姫様みたいな母親と暮らす隣の幼なじみの流星。
    愛想がないような言葉少なな彼に友達ができればいいと思っていたけど、太陽以外の人に当たり前に接する流星を見ているとなんだか切なくて・・・・っていうとこから、母の死、父との同居とか子供だから余計に翻弄されるような出来事が起こって、その中で少しづつ成長していく二人が描かれてます。

    1冊にこれだけのことが不自然さなく詰まっていて、だからジーンとするし、この二人が愛しく感じる。ホンワカしてる。
    木下けい子の挿絵は合ってるような合ってないような・・・。ちょっと可愛すぎる気も。
    二人とも成長して男らしくなるからね!とても好きな絵ではあるんですが。

  • 太陽のほうが攻めだと思ってた。ボートのシーンであれ?て思ったけど。はじめは太陽のほうがリードしてる感じがしたからね。
    高校生の成長していく姿がよかった。ただ「好き」から相手を気遣うようになり、自分の心と向き合う姿がいいな。
    太陽が流星父に「流星を取り上げないで。ずっと一緒にいたい」と泣くところが好き。一緒にいたいけど、父と行くべきだ、という太陽が子供だけど大人だと思った。
    ハワイでは成長してる二人がいて、もっと続き読みたい!!離れたままだから、今後の選択をどうしていくのか、など二人で成長してく姿を見たいわ。

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著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

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