いちばん親切な 西洋美術史

著者 :
制作 : 川口清香・荒井咲紀 
  • 新星出版社
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784405072282

感想・レビュー・書評

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  • パラパラ読んでいるが、分かりやすくとても良い。

  • 宗教や依頼人のニーズに沿って、芸術は発展する。

    社会構造変化、宗教観変化、新たな技巧や様式の発見 によって、トレンドとなる芸術は絶えず変遷する。

    例 バロック
    カトリック対プロテスタントの宗教戦争が加熱したイタリア。カトリック教会は、芸術をメディアとして活用した。
    結果、信者に感情移入させるような壮大でドラマチックな宗教画や、建築・彫刻が発展していく。

    太陽王ルイ14世のもとで絶対王政を確立したフランスは、国力の充実に伴い、文化や芸術の発信地と発展。
    宮廷が芸術サロンを主導し、華やかで軽快なロココ芸術が開花する。

    一方、大航海時代により、市民階級の力が高まった商業立国オランダ。
    集団肖像画や風景画、静物画が流行。


    例 現代美術
    18世紀以降、芸術の中心であり続けたパリのサロンが美術の規範を作り上げてきた。
    19世紀後半より、美術規範に疑問を投げかけた印象派の画家たちが先駆けとなり、20世紀以降「多様性」を持つ現代美術が発展。
    強烈な色彩や大胆な筆遣い、単純化により激しくデフォルメされた形態など、伝統的な遠近法則や色彩配置の規則に従わないエネルギーが特徴。
    抽象画や美術への問いかけ

    ◆好きな芸術家
    ミケランジェロ
    「ダヴィデ」「天地創造」「ドーニ族の聖家族」
    マニエリスム
    神の如きと称されたミケランジェロ。絵画、彫刻、絵画、建築、詩と広い分野に渡って才能発揮。
    計算されつくされ、忠実な人体観察と、少しのひねりやスケール調整が生み出す美が、まさに「神の如し」!

    ターナー
    「雨・蒸気・スピード・ウェスタン鉄道」
    印象派
    19世紀の最先端技術であった疾走する汽車のスピード感が題材。その動きを捉えるために細かな描写は大幅に省略され、筆致は荒々しいまま残されている。

    モネ
    「印象、日の出」
    印象派
    水面に映る夕陽や波を、ひと筆で表現。
    細かなタッチで写実的に描く当時の一般的な手法とは大きく異なるアウトローで自由な手法。



    ◆その他 メモ
    私たちは美術作品に囲まれている。

    しかし、考えてみればこれは不思議なことだ。というのも、これだけ人類が太古の昔から美術に相当なエネルギーを注いできたにも関わらず、生き物とし生きながらえるという目的のためには、美術作品は一切役に立たないからだ。

    しかしなんの役にも立たないことにこそ、人間とその他の動物を区別する理由がある。

    なぜ人間はこのようなものを創り出し、そして人はなぜその作品に魅了されるのか、考えてみることが美術史の第一歩だ。



    美術品の楽しみ方

    ①精神的側面 その作品が何を意味しているか 鳩は平和の「シンボル」

    ②物理的側面 構図の妙や筆使いを楽しむ ←特徴や傾向を「様式」という

    技法と素材

    いかに美しくするかという「美的追及」 と いかに安くあげるかという「経済原理」

    例:コスト高 耐性高 モザイク コスト低 スピード勝負 フレスコ

    アトリビュート
    字の読めない人にも分かる視覚的な技法

    新古典主義
    古典に習った整然とした構図と、徹底的な写実主義による厳格さ。
    ロマン主義
    個人の感情・感性を重視

  • 美術史はもちろん、
    有名絵画の解説もついていて
    とても読み応えがある一冊。


    初心者でも「なんか見たことある!」
    というレベルの有名絵画がたくさん載っているので、
    その解説だけでも面白い!


    それぞれの時代や様式の技法、政治的・宗教的背景や、
    画家同士の関係性さについても言及されています。

  • エジプト、・メソポタミア
    エーゲ文明・ギリシャ
    エトルリア・ローマ
    初期キリスト教・ビザンティン
    ロマネスク・ゴシック
    プロト・ルネサンス
    ルネサンス
    北方ルネサンス
    マニエリスム
    バロック
    バロック蘭
    ロココ
    新古典主義・ロマン主義
    印象派
    後期印象派・新印象派
    世紀末芸術
    現代美術

    美術史初心者の私にピッタリの教本でした。

  • おもちろい!
    時代によって変動する美術技法とその時代に活躍した人たちの絵が見れるからわかりやすい!
    宗教画が多いけどその意味も教えてくれるから勉強になった〜!

  • フルカラーで多くの絵画や写真が掲載されているので、画集として見ても面白い。自分の様な何となく気になった程度の美術史素人でも読み易く、入門としてお勧めです。

  • 絵画を楽しめる1冊。
    バックグラウンドも楽しめて、一冊ミュージアム。

    西洋美術網羅までは難しいが。

  • わかりやすく広く解説。背景知識や技法等を初心者でもわかるように。

  • 古代文明から現代美術まで、一気に西洋美術について概観することができる。政治や戦争などの時代背景に多大な影響を受けてきた美術について、歴史を把握しながら学べた。世界史をきちんと勉強してこなかったのもあっていい勉強になった。

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著者プロフィール

池上 英洋(いけがみ・ひでひろ):1967年、広島県生まれ。東京藝術大学卒業、同大学院修士課程修了。現在、東京造形大学教授。専門はイタリアンルネサンスを中心とする西洋美術史、文化史。『レオナルド・ダ・ヴィンチ―生涯と芸術のすべて』(筑摩書房)で第4回フォスコ・マライーニ賞を受賞、2007年に開催された「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像」では日本側の監修者となった。『錬金術の歴史』(創元社)、『「失われた名画」の展覧会』(大和書房)、『西洋美術史入門』、『西洋美術史入門〈実践編〉』、『死と復活――「狂気の母」の図像から読むキリスト教』(筑摩書房)、『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界』(東京堂出版)など著書多数。


「2024年 『パリ 華の都の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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