妙な線路大研究 東京篇 (じっぴコンパクト新書)

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 146
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408339566

作品紹介・あらすじ

なぜその路線はそんな形? なぜ上下線が離れてる? よく見ると「変な形」をしている鉄道ルートを決定づけたのは、地形? 歴史?

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の路線図がモロ最寄り駅だったので、思わず手に取りました。

    本書で取り上げられ表紙にもなった不思議な駅は東武伊勢崎線(スカイツリーライン)の「堀切」です。
    駅は荒川の土手にへばりつくように造られています。
    「なぜ、こんな所に駅が?」と不思議に思っている人はきっと多いでしょう。
    しかも、この「堀切」駅は足立区にあります。
    葛飾区の堀切は、荒川を渡った向こう側です。
    本書を読んで、その理由がわかりました。

    その他、
    ・なぜ東中野~立川の中央線はまっすぐなのか?(JRの章)
    ・なぜ青山通りを銀座線と半蔵門線が並走するのか?(地下鉄の章)
    ・なぜ東武と京成の都心の線形はY字なのか?(私鉄の章)

    など、これまでなんとなく疑問に思っていたことにも触れられていました。
    大阪篇とか出ても私はきっと読まないので、東京の電車を利用している人向けの本ですね。

  • 普段何気なく乗っている鉄道路線、だけどそもそもなぜ、この電車はここを通っているのか。東京都内の膨大な路線網から、不自然な経路を片っ端から調べ上げて、その建設経緯を克明に記した力作です。

    この手の話が大好きな自分としては、知っていた話もあり、初耳の話もあり、自分の認識が間違っていた個所も、ここは作者の解説違うのではないか?と首を傾げる部分もあり、とにかく盛り沢山で楽しかったです。地形図に断面図、航空写真まで引っ張り出してマニアックに巡る東京。ある意味、ちょっとした小旅行です。

  • 鉄道好きでなくても楽しめる
    山手線の北側がV字型の理由が印象的だった
    ずっと気になってたんです

  • 面白すぎる。東京の鉄道、その線形や駅名の「なんでそうなってるの?」を解き明かしてくれる本。ワシはどうにも鉄道を基準に地名を把握しているが、地名ありきで駅名が決まっているという当たり前のこと(その逆もあるけど)に気付けたりする。

    地形、特に武蔵野台地と低地部や、水の街東京の縦横無尽な川や水路は、路線ルートの決定に大きな意味を持つけど、それのみならず、政治や、林立した鉄道会社の合併劇から起こる悲喜劇こもごもあり、好奇心が刺激&満たされまくる。

    鉄道好きはもちろん、地形や産業史好きも楽しめる一冊。

  • 「妙な線路」ということで、数々の路線を紹介しています。
    山手線、中央線や東京の地下鉄、関東私鉄の路線確定の際の歴史を紐解いています。
    基本的にはどこかで見たことがある話です。
    初めて知ったと思ったのは、東京駅の貴賓室の場所と通路の話し。
    なかなか知ることができない話で、あくまでも著者の推測だとは多いますが、へーっと思いました。

  • テツでもある私にとっては、どのページも「ほう!」の連続でした。中身が濃すぎて、クラクラしました。

  • ・大江戸線を環状線にしなかったのは世紀の愚策
    ・山手線と接続する私鉄(東武東上線、西武池袋線、西武新宿線など)が急カーブな理由⇒もともと目指していた先が違っていた

  • 東京都内のJR、私鉄の線路をよく見ると、「なぜこんな形、こんなルートを辿っているのか?」と疑問が湧いてくるとのことで、その歴史を紐解いている。

    地形がもちろん大きく影響するが、私鉄各社とその関係者達による思惑も大きな要素になっている。地下鉄なのに地上を走る区間が多いものなどもその理由が解説されている。

    大江戸線や半蔵門線・有楽町線の一部区間では、駅前後で「身体が浮く、押し付けられる」感覚があるという。これは発進・到着時の電力を抑えるためにすり鉢状に駅を作っていることかららしい。意識して乗ったことはないが、今度機会があったら確認してみたい。

  • この作者、東京が絡む本を出すとメインが地形であろうと鉄道であろうとお屋敷の話を延々とする癖があるので回避していたのですが、twitterでこのシリーズを評価している人がいたので読んでみました。なんと今回は東京なのにお屋敷が出てきません。おかげで大変に読みやすかったです。
    この本は都内の鉄道路線で地図を見ると妙に曲がっているように見える箇所について、その理由を地形などから説明するものです。地形で説明しすぎではないかと敢えて違う説明に挑む箇所があるなど、作者がちゃんと調べている様子が見えて好感が持てました。

  • 鉄道路線を等高線を意識して確認することもなかったし、そもそも戦前からの計画線まで知る由もなく、「妙な線路」とも考えていなかった。時間切れになって今は実現されていない計画線の影響で現在の線路が敷設されているということを知り、目から鱗の新認識に至り、何とも不思議な充実感を覚えた一冊。

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著者プロフィール

1963年愛知県生まれ。文筆家、歴史探訪家。
地図や鉄道、近現代史をライフワークに取材・執筆を行う。
著書に『妙な線路大研究 東京篇』(実業之日本社)、『鉄道歴史散歩』(宝島社)、『ふしぎな鉄道路線』(NHK出版)、『地図と愉しむ東京歴史散歩』シリーズ(中央公論新社)など多数。

「2021年 『妙な線路大研究 首都圏篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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