銀行支店長、走る

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536224

感想・レビュー・書評

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  • 同期入社の専務から、支店長に任命された主人公。

    ぱっとしない主人公が、支店の若手社員や一癖も二癖もある友人と組んで銀行上層部の悪事を暴いていくのですが、展開も早いし、おもしろく読めました。

  • 【銀行支店長走る】 江上剛さん

    合併後の行内争いが絶えないはやぶさ銀行。55歳の窓際寸前行員・貞務定男は、同期の久木原専務から突如支店長に抜擢された。前支店長が急に退職し たとのことだったが、腑に落ちない人事であった。孫子の兵法をもって事に当たる貞務は、着任早々、女番長とあだ名される若手行員・柏木雪乃のふるまいや、 事なかれ主義の副支店長らを目の前に困惑の体となる。

支店の最大不良債権先から出てきた不正融資を調べるうちに、はやぶさ経営陣のきな臭 い企みに気づいた貞務は、元総会屋で今は情報会社社長の勇次と元マル暴刑事の藤堂に助力をあおぐ。行内では、雪乃はじめ支店内で問題行員とされた若手たち とともに事態解決に乗り出した。だが、不正融資の影にちらつく政治家やヤクザ、それにつらなる銀行上層部との暗闘が始まる。事態は二転三転、貞務の身に危 機も迫る。誰が敵で、味方はどこにいるのか。大きなどんでん返しも待つ、日本型企業の、そしてあなたの明日を問う経済小説。
    (実業之に本社内容紹介より)



    「旅猫リポート」から3冊続けて面白い本に当ってる。この本もわたしが読んだ江上さんの本の中ではベスト5に入る面白さでした。主人公の貞務はとりたてて向上心や欲のない定年間近の銀行員。ただ、欲が無い分冷静な判断が出来る。そして自身の信念に基づいた行動がとれる。得てしてそういう人は組織の中では埋もれちゃうんですよねぇ。。

  • 銀行を舞台にしたミステリーとして、どんでん返しもあり、なかなか面白かった。

  • 銀行で働く定は、中年になって、まさかの「支店長昇格」?しかし、いざ、支店へいってみると、前支店長の失踪、女番長の存在、なんだか暗い、行内の雰囲気…。どこかがおかしい。調べるうちに、明らかになる、不正融資と暗闘。窓際寸前の支店長、定は、仲間たちと共に、行内改革に乗り出す。
    不正融資のカラクリとか、合併関連の問題とか、ややこしくて、私にはわかりにくかった。しかし、ストーリーは、先がよめない展開で、面白い。支店長の定は、「おれたちバブル入行組」の半沢とは違い、温厚な性格だが、頭が切れる。常に、孫子の教えを、手本にしている。「半沢」シリーズとは違って、「善人」、「悪人」が、はっきりわかれていないところが、逆に、人間味があっていい。

  • 週末のテレビドラマでも銀行員が頑張ってるけど、こっちは支店長が頑張っちゃう。

    孫子の説いた兵法に拠り所を求め、策を練りながら走って行く姿は、中年サラリーマンから見たらヒーローだな。

  • 読みやすい。ミステリーとしては?な感じだけど。ゴロンと横になってさらっと読める作品。全体的にはおもしろいと思う。

  • 池井戸さんと同じ、元銀行員の銀行モノ。池井戸さんが銀行員時代、中小企業への融資担当だったのに対し、江上さんは広報で総会屋担当。この辺りに一般人に対してリアリティがあるものが書けるかの違いが出てる気がする。どちらも痛快ではあるけどあり得ない話、ってのは一緒なのに。でもやっぱ池井戸さん圧勝。

  • 銀行内部のことについては、知らないけれど。およそありえない内容なのだと思う。
    それでも痛快で、面白かった。
    銀行ものとしては、池井戸潤さんのほうがリアリティがあるのかな?

  • 人が人を信頼するまでの内容が呆気なく、そんなんじゃ…と思えたくなるけど、話の展開はとても面白かった。
    全然、女番長じゃないんだよね…

  • タイトル通り銀行が舞台のミステリで、この著者の作品は初めて読みました。銀行ものと言えば池井戸潤で(あくまでも俺にとって。経歴的にはこの人の方がベテランでしょう)、彼に比べるとややリアリティに欠けるかなと言う気がするものの、じゅうぶん楽しめました。

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著者プロフィール

1954年、兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。77年、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。人事、広報等を経て、築地支店長時代の2002年に『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。03年、49歳で同行を退職し、執筆生活に入る。その後、日本振興銀行の社長就任、破綻処理など波瀾万丈な50代を過ごす。現在は作家、コメンテーターとしても活躍。著書に『失格社員』(新潮文庫)、『ラストチャンス 再生請負人』(講談社文庫)、『我、弁明せず』『成り上がり』『怪物商人』『翼、ふたたび』(以上、PHP文芸文庫)、『50代の壁』(PHP文庫)など多数。

「2023年 『使える!貞観政要』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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