総理の夫

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536279

感想・レビュー・書評

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  • 日本初の女性総理相馬凛子の夫、
    相馬日和くんの日記。

    穏やかぁでインテリでお金持ち。
    理想の夫だわね。

    コロンボ記者のホームページを見て
    メールを送信するあたりが面白かった。
    この時の、日和さんは「准教授クワコー」を
    彷彿とさせるが、それは一瞬だった。
    コロンボ記者にもう少し活躍してほしかった。

    政治物のファンタジーとして面白い!と思うけれど
    まぁ、ないよな。と思ってしまう
    この国ってどうだろう。

    そろそろ、でてもいいんじゃないか
    女性総理。
    ま、誰がっ、てのがないのが
    残念なところ。
    これは男性でも、同じだけれど。

    そう、誰がやっても・・・的なかんじよ
    日和さん!

  • 現実にはない夢物語というか、TVドラマ観てるみたいなお話でした。
    表紙裏の少女漫画的イラストからして、そういう感じで読んでねってことかと。
    いまから数十年先の未来、日本初の女性総理が誕生して、
    その活躍ぶりと苦労と努力が、総理の夫目線で語られています。
    イケメンで資産家の必要ないけど、
    総理がプライベートのない公人であることの苦労はなかなか周りの人も大変ですね。

    消費税増税が現実に迫っている今読むと、
    与党のキャンペーンみたいな気もしてきますが、
    国民の声や気持ちを代弁している理想の政治が描かれています。
    しがらみのない裏表のない、実行力のある信念のある政治家ってのが
    もっと活躍できる仕組みになっていればねぇ。

    話も面白いし、女性がかっこいいし、日和くんはキュートだし
    伝説のスピーチライター久遠久美もお久しぶり。
    富士宮さんの最後のエピソードはちょっと美談にできないものがあるけど、
    凜子はいいんじゃないだろうか。
    日和ママがいい味出してます。

  • 国民一人一人のために自分の生活を犠牲にできる凛子がすごいなと思う反面で、度々作中にもあったがこんなにも国民に寄り添った総理はこれまでにいないと実感した。それぞれが目先的な仕事をしたり、総理になることが社会を変えるためではなく目標としてそうなっていたり。実際の政界とはかなりかけ離れているため、今の社会に残念な気持ちを抱いた。
    誰かのために、迷うことなくスパッと思い切り行動できる凛子の行動力が羨ましい。
    『本日は、お日柄もよく』の久遠久美さんが登場していてまた読みたくなった。

  • 女性だから、というだけでなく、凛子さんのような毅然とした、揺るがぬ姿勢で国民に寄り添ってくれる政治家がいてほしい、とワクワクした気持ちで読みました。
    凛子さんが信念を持って、真っ直ぐに突き進んでいく清しさが、読んでいて気持ちよかったです。
    正直、夫である日和くんにはちょっとイライラするところもありましたが…でも、こういう人が夫だから、凛子さんもきっと頑張れるんだろうな、とも思ったり。
    2023年現在、まだ誕生していない「総理の夫」ですが、果たして現実の世界で誕生するのはいつになることやら…?

  • 史上初の女性総理大臣とその夫の物語という設定はいいよね
    生き馬の目を抜く政治の世界に日和のほんわかした感じと2人の信頼関係と周りの人たちの助けによって暖かさを加えてる
    ただもっと本当にこんな総理大臣がいたら!って思わせる何かがあとひとつふたつあったらもっと良かったかな

  • 女性初の総理大臣、その夫の日和さんがとても良い
    映画化になると言う事で、今回で2度目読了
    スピーチライターの久遠さんも出てきて、マハさんファンの私は嬉しかった
    映画楽しみ

  • 年の初めに相応しく、スカッと爽快な読後感。
    2013年に書かれた小説ではあるが、奇しくも昨年増税した我が国。
    少子化対策とか、非正規雇用とか、ホントにそーりんの言う通りにしてみたらいい…
    こういう政治家が出てきてほしい。
    心から思います。
    原田ファンとしては、伝説の久遠久美が登場したのが嬉しい限りです。

  • やっぱり、面白かったです
    マンガやテレビドラマを見ている感じ
    どうしても、何年か前に放送していた
    キムタクが主演のCHANGEを思い出しました
    総理大臣になった信念の人・相馬凛子
    その夫・日和さんの日記という形で話が進みます
    この日和さんがまた理想的な男性なのですよ
    凛子さんも日和さんも、まわりで支える人たちも
    みんな、格好いい、いい人たちなのです
    こんな世の中になったらいいね
    お人好しに、素直に、そう思って
    楽しく一気に読みました

  • この本を読む前に『舟を編む』を読了したのだが、
    2冊並べて置いておくと色違いのセットものに見えてしまうくらい
    装丁の感じがよく似ていたというミラクル(笑)。
    取り敢えずは"伝説のスピーチライター"久遠久美さんが登場する
    『本日は、お日柄もよく』を読み返さにゃいかん。

    先ずは設定がぶっ飛んでる。
    消費税の増税は兎も角、贅沢品の税率を高くする複数税率、
    脱原発のエネルギー政策、雇用の安定と少子化対策など
    希望としては実現してほしい内容の話である。少なくとも個人的には。
    (本音を言えば増税するのは法人税や所得税にしてほしいんだけど)
    とはいっても、今の情勢を鑑みると夢物語と断じざるを得ないし、
    重ねて言うとこの設定がぶっ飛んでると思ってしまう現実が哀しい。

    日記形式で、過去を振り返る形で書かれている文章だが
    総理の夫である日和の目線で語られていると気付くまで暫くかかったのと
    時系列が前後するのに日付がすべて20XXになっているのが解り難くて、
    (括弧書きでフォローはされているものの)読み進むのに若干苦労した。
    日和の母と兄、腹黒い原久郎、同僚の伊藤さん、コロンボ阿部等、
    キャラ立ちしてる人が多くて楽しめた。
    ここまでインパクトがある人たちに囲まれた草食な日和くんは
    影が薄くなってしまいがちだけど
    そこはお育ちの良さと、妻の凛子を想う一途さからくる意外な男らしさで
    ちゃんと存在感を出しているのがすごいと思った。
    逆に凛子の人物像がほぼ日和くんの主観で語られていて、
    欠点が見えにくい完全無欠な人だったのがちょっと残念だった。
    意外な鍵を握っていたコロンボ阿部は後半もう少し絡んでくると思っていたら
    写真のエピソード以降消えてしまったので驚いた。
    彼と高校生の娘さんとの後日談のスピンオフがあっても面白いかも。

    現状では夢物語でしかないこの物語がいつか現実のものとなったら
    もう少し生きやすい国になるんじゃないか、という希望を抱ける話だった。
    オリンピックも決まったことだし、少しでも現実に近づくといいな。

  • ☆4つ

    最初、本の題名を「夫人」という意味に捉えて、総理大臣の奥様のお話であると思った。そして違うことに気づいたのは読み始めてしばらく経った時であった。

    でもどうして「夫人」だと「女性」で、「夫」だと「男性」なのだ? よぉく考えると、日本語って難しいだけぢゃなくて、ホントはどこかで間違ったままでここまで凌いで来ているんぢゃなかろうかい、と思えてくる。

    ええとそれから、わたしにしてみるとなんだかミスマッチな本の帯や表紙裏のマンガ絵がとても気になるのです。

    もしこのマンガ絵のイメージでこの本を売ろう!などと出版社編輯者が考えているなら、それは大きな間違いだとおもた。こんなペラペラの軽い絵では、この作品の濃い内容を表し切れない。それともなにかい、この本は既にこの軽い絵でもってマンガが出版されていたりするのかい。すまぬ・・・では、今回はすませぬぞよ。

    あ、ちょっと待った。この本、初出の連載はどうも少年少女向けの雑誌らしい。ということはこのマンガ絵でいいのか・・・。やたら本の中身に感動しているおじさん(わたしのことです)の方がおかしいのか。こりゃすまんこってした。すごすこ。

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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