- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408536712
感想・レビュー・書評
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近未来の日本。「配慮力をプラス」「責任感をプラス」というように性格をある程度望んだとおりに変更できるワクチンが生み出された社会が舞台の物語だ。
自分が希望するように性格を改変し、幸福は訪れるのか。そもそも、ワクチン接種という外的要因で性格、ひいては個性を変えた自分は自分なのか?
フィクションだからこそ描ける究極の問いだなと思う。
忍耐力、包容力、自分に欠けていると感じていてほしいと思うものはあるけれど、それをワクチン接種で得るというのは怖いな。自分は「臆病で摂取できない」という立場の人間になりそうだ。
物語が最終的な着地点をどこに見出すのか、最後までわからなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
設定や目の付け所や落としどころは良かったが全体的に軽い印象。
人生いろいろあるがありのままに素のままに生きることが1番幸せなのかも。
良かったのか悪かったのかは最後まで分からない。 -
もし、自分の性格を変えることができるワクチンがあって、もし承認されて使えるようになったら接種したいのか、自分だったらワクチンを接種して好転するならしてみたい気持ちもあるが、一方で現状より悪くなったらワクチンのせいにしてしまう自分がいる。今の自分の求めるものと20年後の自分の求めるものは変わっている可能性もある。現状をより良くしたいと努力するのは無駄ではない、しかし、満足を求めるのは際限がないと感じる。問題発生し、翔子の感情が変化し、その後の様子が気がかりだったが、エピローグの様子からホッとした感じ。
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自分の性格変えられたら…と嫌になることは多々あるけれど、薬に頼ったとして私は20年後満足した人生送ってるのかふと想像してしまいました。思い描く幸せの形はその時々違って当然で、人の欲は際限なく続くんだと考えると自分を変えたい、と努力するのは無駄ではないけれど、何かにすがって解決できる満足なんてないんだなぁと。
翔子含めモニター達のその後の20年はもともと自分の中にあった性格なんだとラストを読んで感じたので、決して楽しい話ではないけれど読後感はホッとします。 -
20年前、性格補強ワクチンを製造会社を設立し、成功を納めてきた翔子。
しかしその効力が切れる時期に、原材料が死滅し始め…。
「工夫力」「発想力」「鈍感力」「優しさ」など
20種類からなるワクチン。
自分なら「瞬発力」「心の強さ」「活力」あたりを選ぶかな。
それとも怖くて踏み切れないかな。
【図書館・初読・10/6読了】 -
2015.9.12予約 913.6カツ
2015.10.31