あのころの、 (実業之日本社文庫)

  • 実業之日本社
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550725

作品紹介・あらすじ

旬の女性作家6人が競演 女子高生をめぐる6つの情景

夢、あこがれ、自信。悲しみ、怒り,とまどい。不安、嫉妬、そして別れ。熱い注目を集める気鋭女性作家6人が、あのころ――女子高生時代――ならではのセンシティブな心模様、取り巻く情景を鮮烈に紡ぎ出す。いまを全力で駆け抜ける現役女子高校生と、かつて女子高生だったすべての大人の女性たちに贈る、珠玉の青春アンソロジー。いきなり文庫で登場!

■収録作品
窪 美澄「リーメンビューゲル」
瀧羽麻子「ぱりぱり」
吉野万理子「約束は今も届かなくて」
加藤千恵「耳の中の水」
彩瀬まる「傘下の花」
柚木麻子「終わりを待つ季節」

感想・レビュー・書評

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  • 昔は心をざわつかせた波佐間さん伝説。今はもっももっと聞いていたかった。

  • 『傘下の花』彩瀬まる

    彩瀬さんの文章を読むと自然と人が恋しくなる
    LGBTQ+や同性婚って言葉が耳に馴染むようになってきた今ならともかく、9年も前に女性同士の恋愛を当たり前に描くって驚きを超えてただただ尊敬…

  • あのころの遠い記憶を呼び戻す、6名の女流作家の描いた女子高生物語。
    今思い返すと、あのころにいた場所は確かにぬくぬくと穏やかな”温室”そのものだった。
    予期せぬ雨風で吹き飛ばされぬよう痛い目に遭わぬよう、先生や親といった身近な大人たちにしっかりとビニールで覆ってもらい、日光や栄養もなるべく等しく与えてもらっていた、いたれり尽くせりのあのころ。
    そうやって大人たちの敷いたレールの上を、ブツブツ文句を言いながらも周りの同級生たちと共に歩き、たまに寄り道しながら、一人立ちの時を待つ。

    プライドや見栄、コンプレックス、不安をごちゃまぜにして、顔色をうかがったり悩んだり怒ったり泣いたり笑ったり。
    けれどそんな我がままが許されるのは、あのころの特権かも。

    吉野万理子さんの『約束は今も届かなくて』、柚木麻子さんの『終わりを待つ季節』が特に好き。
    女子高生時代を、宙ぶらりんな耐えなれない時間で早く卒業したい派と、ずっと高校生のままでいたい派が出てきた。私はあのころ、早く卒業したい派だった。
    あの夢か幻のような眩しい時間に、もう一度だけ戻ってみたくなる短編集だった。

  • 女子高生が主人公の作品集。
    受験勉強を思い出す。

  • なんかキュンキュンした

  • 約束は今も届かなくて
    鷺沢萌さんにふれてあり、また読みたくなった。

    終わりを待つ季節
    女子高のなかで男役である女の子の描写がよかった。
    あのころモテてた女子はこんな気持ちもあったんかなー。

    女子高、独特の世界は嫌いではなかった。
    けど、もう一度高校生なら共学だよね!と、話してたあのころ、、
    懐かしく思う本。

  • 女子高生をテーマに、6人の女性作家がそれぞれ描いた短編集。

    一度何故か積ん読にしており、整理していた際に出てきたため、再読。以前読んだのが発売して間もない頃だったため既に5年も経っており、気が付けば売れっ子になってる人も……。
    再読して恐らく積んだ理由として思ったのは、全体的に高校が私立のお嬢様学校という舞台が数多く、そもそも女性作家があまり当時は得意で無かったからでしょう。

    さて、今回読んでの感想ですが、青春にも色々形はあれど、それらを彩るのは友人であったり恋人であったり家族であったりして、学年を重ねる事によって進路を明確に、将来をどうするのか考えなければならず、仲の良い人とも理由も無く目的の違いやそうさせてしまう空気に取り込まれてしまう。なるほどなぁと思い、10代の大人ではないけれど子供でも無い複雑で脆い心境を結構大切に描いてるなといった印象でした。

    個人的な評価としては、結構好みがバラバラでした。
    テーマにも焦点を重ねて、良かったと感じたものは、
    吉野万理子「約束は今も届かなくて」
    加藤千恵「耳の中の水」
    でした。
    他の作品も何かを感じたり、面白かったり、この表現凄いなぁと思うのもあり、全体的に良い一冊でした。

  • 2016.12.1読了
    何だろうな、アンソロジーだからと言われるとこういうものなのかもしれないけど、どれも中途半端な印象しかない。窪美澄さんも本来はもっと面白いのに。

  • どれも読みやすかった。
    一番印象に残ってるのはやっぱり読みなれてる柚木麻子さんかなぁ。
    タイトルが「あのころの」であるように、大人が読むから楽しめる、響くものがあるのであって、現役女子高生が読んでもあんまりピンとこないのではないかなとは思った。
    過去になって初めてわかることとか輝くことってあるよね。

  • たいしたことじゃない。くよくよしなくていい。自分を励まそうとすればするほど、なにもかもうまくいかないような気分にとらわれる。
    ひたむきに努力して伸びて行く。

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著者プロフィール

1965年東京生まれ。2009年『ミクマリ』で、「女による女のためのR-18文学賞大賞」を受賞。11年、受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、「本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10」第1位、「本屋大賞」第2位に選ばれる。12年『晴天の迷いクジラ』で「山田風太郎賞」を受賞。19年『トリニティ』で「織田作之助賞」、22年『夜に星を放つ』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『アニバーサリー』『よるのふくらみ』『水やりはいつも深夜だけど』『やめるときも、すこやかなるときも』『じっと手を見る』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『私は女になりたい』『ははのれんあい』『朔が満ちる』等がある。

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