人生は勉強より「世渡り力」だ! (青春新書インテリジェンス) (青春新書INTELLIGENCE 204)

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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413042048

感想・レビュー・書評

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  • チェック項目17箇所。どんなにいい腕を持ってても、それだけじゃダメ、「世渡り力」がなきゃ、仕事も人生もゼッタイうまくいかないよ。「人と情報のマネジメント力」って意味だ、言ってみれば、仕事の運命を決めるような決定的情報を入手するには、人と情報をどう使って、動かせばいいか、自分はどう動けばいいかといったことだよな。大事なのはこういうことだ、・重要な情報が飛び交う集まりに「あいつを呼ぼう」と言われるには? ・人に「あいつは面白い」と思われるには? ・お金がなくても一流どころとつきあう方法。世の中善人ばかりじゃない、俺も、人にはいつも泣かされてきたよ、だから次のような「世渡り力」も、ゼッタイ必要だ、・自分のアイデア・ノウハウを守る、・「前例がない」を盾にとる人を突き崩す。世渡り力ってのは、こすっからく生きていく、安っぽい手練手管なんかじゃないぞ、人間の機微を知り、義理人情をわきまえ、人さまにかわいがられて、引き上げてもらいながら、自分を最大限に活かしていく、”総合力”なんだよ。大企業の第一線の人たちと話していると、技術がどんな方向に進んでるとか、最新の素材開発はどんな段階なのか、俺たちにとって”お宝”みたいな情報が入ってくるんだ、現場の切実な悩みなんかも分かるんだよ。商売の一番のポイントは、他人を儲けさせることだって、俺は思うね。一番価値があるのは、情報を持っている人間なんだよ、だったら、その人間にお金を注ぎ込むのは当然じゃねぇか。ほんとに貴重な情報ってのは、あらたまった場で出てくることはまずないね、酒でも飲んで、ワイワイガヤガヤやってるときに、「そういえば、このあいだA社に納品に行ったときに、ちょっと耳に挟んだんだけどさ……」なんて極上な情報が出てくるわけさ。自分のキャラクターに合ったプラスアルファでいいんだ、要は「あいつが来るとおもしろいよ。何かやってくれるよ」ってもんを身につけることだな。「ふだんから、あんなに義理堅い人なら、仕事をまかせても間違いないだろう」ってことにもなるからだよ、お返し分の何百倍、何千倍ものいいことが起きる、ほんとだから覚えておくといいよ。俺は個人で特許を取って痛い思いをした、だけど、「あぁ、痛ぇ」ってだけじゃなく、頭を切り替えて、どうしたら痛い思いをしないですむかを考えた、だから大企業と連名で取るって手法に行きついたんだ、痛いだけで終わらせないのが世渡り力だよ。自分の仕事は安売りしちゃダメなんだ、そのためには、人にはできないことをやらなきゃな、誰でもできることなんてのは、相手の言い値でやるしかなくなるんだよ、できないことだから、値段を自分でつけられるんだ。人と同じようにすることが、世渡りのコツだなんて勘違いするなよ、世渡りにとって”変わってる”ってことは、これ以上ないアドバンテージなんだ、美徳と言ってもいいね。「実績かい? そしたらあんたは、女房をもらうときも実績で決めたってわけだな。いったいどんな実績があったんだい?」。本やネット情報をいくら読んだって、「へぇ、世の中、こんなこともあるのかね」くらいのことでしかないけど、実体験は重みが違う、必ず、自分のチェック項目にもなり肉にもなるんだ、だから、裏切られたからって”へこむ”ことなんかない、世渡りを学ぶいい機会だっていうくらいに考えりゃいいんだよ。誰かにご馳走してもらったら、食事が終わったときに、「ごちそうさまでした」は当然だよ、だけど、それだけじゃいけない、次の日に、「きのうはごちそうさまでした」、次の週にその人と会ったら、「先週はごちそうさまでした」、次の月になったら、「先月はごちそうさまでした」と、ここまでやんなきゃ、感謝の気持ちは伝わんないってことなんだよ。

  • 一流の職人だけではビジネスは成功しない.
    人との付き合いを通して情報や仕事が向こうからやってくるような環境を形成しておく能力も持っておくことが一流のプロフェッショナルであるのだ.
    人がやらないことに積極的に活路を見出し、6人の小さい会社が大企業と五分以上に渡り合っていくのは痛快.
    どんな職種にしても著者の哲学から学べることは大きいはずだ.

  • 。「刺しても痛くない注射針」の製作で有名な岡野製作所社長による仕事論。江戸っ子のべらんめえ調による文体が読みやすく頼もしい。かなり泥臭いところがなきにしもあらずだけど、そもそも人間や世の中がもともと泥臭いモノだと気づかされます。

  • 一流の職人ならでは発言で重みがある。反面、万人受けする世渡りではないと感じた。

    学んだこと
    借りは返して対等な立場で。
    感謝の気持を回数でお礼を。

  • タイトルから言いたい事は想像できると思っていたけれど、想像以上だった。話口調は私の好きなタイプです。 はっきり物言って堂々としてる姿は尊敬。落語を聞きたくなっちゃった。

  • 世渡り力を考えるのはおもしろい。
    そしてその重要性を説いてくれる人は少ない。
    自分で努力し、気づかなくてはいけない。
    それを伝えてくれる人の内の1人。

    以下レバレッジメモ

    人と話すのは面倒くさい、人付き合いはわずらわしいなんていってたら、いい情報は入ってこないし、成功なんてどっかに言っちまうよ。成功するには、しゃべって、人と付き合って、先端情報を取りこぼさない、「世渡り力」を鍛えるしかないんだ。世渡り力ってのは、こすっからく生きていく、安っぽい手練主管なんかじゃないぞ。人の機微を知り、義理人情をわきまえ、人様にかわいがられて、引き上げてもらいながら、自分を最大限に生かしていく”総合力”なんだよ。
    スキは愛嬌なんだよ。「あのヤロウ、バカだねえ」と思うから、何かいってやりたくなるんだし、「あいつ、しょうがねえな」と感じるから、何かしてやりたくもなるんじゃないか、そうだろう?俺も若いころはお得意さんの遊びの仕切りをよくやったよ。昔、たっぷり遊んでた経験が役に立ったね。自分が遊んでなきゃ、仕切りなんかできないからね。遊ぶにも年季がいるんだよ。最初から上手に遊べるわけじゃない。何度も失敗して、こっぴどい目にあって、お金も使って、やっと人様を連れて、遊びを仕切れるところにたどり着くものなんだ。だから、若いうちに詰まんない勉強ばかりしないで、遊んでおくことだね。
    分かりも乗っていわれるような人間じゃなきゃだめなんだ。変わってるから、人と違う発送ができるんだし、人と違うものが作れるんだよ。優等生といわれて喜んでいるようじゃ、先が知れてる。当たり前のことを、当たり前にしかできねえってのが優等生だもん。人と同じようにすることが、世渡りのコツだなんて勘違いはするなよ。世渡りにとって”変わってる”って事は、これ異常ないアドバンテージなんだ。美徳といってもいいね。
    「いいかい、人様に何かしてもらったら、4回お礼を言うんだよ」たとえば、誰かにご馳走してもらったら、食事が終わった後に、「ごちそうさまでした」は当然だよ。だけど、それだけじゃいけない。次の日に、「きのうはごちそうさまでした」、次の週にその人と会ったら「先週はご馳走様でした」次の月になったら「先月はご馳走様でした」とここまでやんなきゃ、感謝の気持ちは伝わんないってことなんだよ。
    「ありがとうございました」、「ごちそうさまでした」を4回も言ってみなよ。こんなご時勢だから、相手は感動だよ。「あいつ、次もまた誘ってやろう」ってことに必ずなる。そうやって、情が通った付き合いが深まっていくんだよ。奢りがいがある人間、誘いがいがある人間になってくれよ。
    チャンスは人が持ってくる
    付き合いにお金を惜しんじゃいけない。飲み食いするのにそんなにお金を使うのはもったいないなんていうのは、世渡りが分かってないやつの考え方だね。しみったれてたんじゃ、大きなお金はつかめない。お金は、使うから、回りまわって大きくなって戻ってくるもんなんだよ。成功してたくさんお金を稼いでいた人は、俺たち若造にもほんとによくしてくれた。人のために、人を喜ばせるためにお金を使うことが、もっと自分を大きくするってことを知ってたんだよ。セコクセコク溜め込もうなんて気持ちだったら、人間、縮こまっちまうだけなんだ。子供のころから「お金は使え!」って教えなきゃだめなんだよ。付き合いを大切にして使うお金、人を楽しませるために使うお金に、無駄なんてことはありゃしねえんだ。全部生きた使い方だよ。

  • 仕事力を高めるために読んだ本です。

    この本で学んだことは、

    ・仕事に大切な「世渡り力」とは、人間の機微を知り、義理人情をわきまえ、人様にかわいがられて、引き上げてもらいながら、自分を最大限に生かしていく総合力である。しゃべらなければ会に呼ばれないし、ほうぼうから声もかからない。

    ・自分を高めるには、一流のものを見ること、一流に接すること。一流を知らなければ進歩はない。

    ・落語を聴き込んで、そこに込められている発想や知恵を身につける。商売感や仕事観が間違いなく変わる。古典落語を聞かないヤツにいい発想はできない。

    という点です。

    仕事の技術だけではどうにもならないこと、特に人づきあいの大切さをこの本を読んで改めて実感しました。

  • 「痛くない注射針」を開発した岡野工業の岡野雅行氏。高学歴の大企業エリートたちを何度でも黙らせてきた、下町の生きる知恵を大公開。ものを言わず、人づきあいもせず、ただ黙々と自分の腕を磨いて、いいモノをつくることで満足している「典型的な職人」が専門技術の世界では多いなか、岡野氏は、よくしゃべり、よく遊び、よく面倒を見る、親分肌のオヤジさんといった風体で、気取ったところのない人間関係の機微を語ってくれました。

    岡野氏の語り口は豪快で、読んでいて気持ちがいい。人に取り立ててもらったり、自分の周りに面白い人を集めたりする力こそが、仕事で成功する上で必要な総合的な人間力であり、それを養うには義理人情を欠かないことと情報収集に精を出すこと。大学受験を勝ち抜き、就職試験を勝ち抜き、出世レースを勝ち抜きするうちに、いつの間にか自分の能力ひとつを頼って頭でっかちになりがちなエリートたちを、岡野氏は批判しています。

    先日紹介した「リーダーになるために」にも膨大な事例やインタビューが収録されていましたが、本書の面白いところは、そのケーススタディが全て岡野氏の下町やら色町やらでの体験談になっているということです。

    何と言っても、中学校を中退して歓楽街をうろついていたという彼の破天荒さは、誰にでも真似の出来ることではありません。技術にだけ自信があってもだめ、でも口先ばっかりの営業力だけに頼ってもだめ、現代社会では技術や知識の細分化が進んでいますから、総合的な能力を身につけるのがどんどん難しくなってきています。それでも、どの部門にいて何を専門にしていようとも、情報を掴んで自分を売り込む「世渡り力」は必要でありましょう。

  • 仕事で岩手県に行っていたときに毎朝聞いていた武田鉄也のラジオ番組で紹介されていて、気になって読んでみた。

    刺しても痛くない注射針を作った職人の話が聞ける。

    痛くないほど細い注射針は、普通に鉄の板を筒にしたら細くならず、なかなか作れない。発想を形にする。


    日本人は、一つのことを突き詰める能力に優れている気がするが、この職人さんは、一つのことを突き詰める能力だけでなく、付き合いを大事にし、マネジメント力に優れるなど、総合的な力があると思う。

  • 岡野さんの言う「世渡り力」とは、お世辞を言って機嫌を取って仕事を貰う、」ではなく、職人としての技術力は当然持ち合わせた上で自分をアピールする手段である、と言っている。なので、決してごますりといった類のものではない。僕がいわゆる違和感を感じるのは、能力もないのに、という部分があるからで、能力があった上での話なら何も問題はないと思う。

    1.努力は報われる、評価されるべきでそのためには世渡り力が必要。
    2.チャンスは人が持ってくるもの。
    3.一目みただけでその人が信用できるかどうかわかる。

    3.に関しては、直近でマルコム・グラッドウェルの本を読んでいたので、共通点が見えてより納得できた。

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著者プロフィール

1933年東京都墨田区生まれ。45年、向島更正国民学校卒業。社員5人の町工場・岡野工業株式会社を経営、代表社員を名乗る。「誰にもできない仕事」と「安すぎて人が敬遠する仕事」をモットーとし、針穴の直径が0.08ミリという世界一細い「痛くない注射針」の量産化や、携帯電話の小型化に貢献したリチウムイオン電池ケースにより、「世界一の職人」「金型の魔術師」として知られる。NASAをはじめ世界的大企業からも注文が押し寄せるなか、これまで家電、パソコン機器、医療機器など多くの金型をつくる。2004年、旭日雙光章を受章、いまもバリバリの現役である。著書に『カネは後からついてくる!』『俺が、つくる!』などがある。

「2014年 『人生は勉強より「世渡り力」だ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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