「保険のプロ」が生命保険に入らないもっともな理由 (青春新書プレイブックス)

著者 :
  • 青春出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413210911

作品紹介・あらすじ

「2人に1人ががんになる時代、だから、がん保険は必要」「三大疾病に備えた保険に入っておけば安心」「支払った総額より大きくなって戻ってくる終身保険は、入って損のない保険」「もしもに備えて、収入保障保険に入っておきたい」…そんなセールストークのウソを明らかにし、「保険のプロ」がそれらの生命保険に入らない理由を教えてくれる、保険常識をくつがえす一冊。保険との正しい向き合い方を教えてくれるだけでなく、いま、検討に値する具体的な保険商品も紹介!

感想・レビュー・書評

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  • 保険を運営する企業側の裏事情から、保険に入らない方がよい理由を解説している本です。

    わたし自身子供が生まれ、保険を検討しているところ本書を読みましたが、6割くらいは保険商品を隅々まで自分で調べていれば出る結論だと思いました。

    保険は複雑な商品ほど損をする、貯蓄型保険はリスクが多いなどはその通りだと思っていたので再確認の意味で読んで良かったのかもしれないです。

    本の最後の方でおすすめの保険商品を紹介しているのでそれが1番参考になるかもしれません。

    誰にでも読みやすくする為なので会話形式で解説しており、ページ数の割には中身は正直あまりないです。

  • 保険を考える上で非常に参考になった。
    以下はメモ書き


    ・健康保険
     高額療養費、傷病手当金か手厚い

    ・「一生涯の安心」なんて存在しない。
     →それなら「保険のおかげで当面は大丈夫」と考えるのが良い

    ・保険は「掛け捨て」
     →①「積立」は損をしないように見えるが、契約時の手数料にによる大きなマイナスからの
       スタートになる。また、途中解約する人は全体の約7割に及ぶ?
      ②経過年数が増加するごとに、自分で積み立てたお金を保険金として受け取ることになる
     →「積立で定期」はあり・・・?

    ・下記の「重大性」「緊急性」
     死亡(定期):重大性○、緊急性○
     就業不能 :重大性○、緊急性○
     介護   :重大性△、緊急性△
     がん   :重大性△、緊急性△ ←上記2つに比べると△
     医療   :重大性×、緊急性×
     貯蓄   :重大性×、緊急性×


    死亡(定期)
    →遺族年金を考慮しても年間100万円単位で不足することがある
     (定期)と限定した理由;老後の死亡は緊急性がある、とは言い難いため

    就業不能
    →生活費、住宅ローンを考えると、重大性、緊急性あり

    介護
    →平均介護期間;4年11ヶ月
            (生命保険センター「平成27年度 生命保険に関する全国実態調査」)
     公的介護サービスを限度額までに利用した場合:年間自己負担額20~43万円
                           (朝日生命の試算)
     つまり、介護費用はトータルで100~215万円

    がん
    →がんの治療費用:50~100万円
        (アフラック、カーディフ生命、ニッセンライフ、がん政策情報センターの調査)
        実は、がん治療には何百万円もかかるケースは少ない

    医療
    →入院給付金1件当たりの給付金:約10万6千円
     手術給付金         :約10万4千円
                   (生命保険協会「生命保険事業概要 2016年度」)
     つまり、大金ではない。かつ、健康保険の高額療養費制度あり。

    貯蓄
    →保険である必要なし。つみたてNISA、確定拠出年金の方が優秀



    ★実際に入ったほうが良いと思われる保険
    子どもが自立するまでの期間限定の①死亡保険、収入保証保険(自立=就職?)、②就業不能保険

    ①死亡保険、収入保証保険(自立=就職?)について
     収入保障保険とは?
     →死亡時の保険金が分割払いされる保険
      (例)35歳の人が60歳まで月額15万円が支払われる収入保障保険に加入し、
        50歳で亡くなった場合、15万円×12ヶ月×(60-50)で総額1800万円
      年数が経過すると、保険金の総額が減っていくが、
      子どもが大きくなればお金はかからなくって来るので問題ないと判断


     いざという時、いくらくらいもらえるといいか?
     →後田亨曰く、「妻と0歳児がいる会社員の場合、月額20万円がもらえる収入保障保険。
             期間は20~25年」
      妻と0歳児がいる会社員の場合、子どもが18歳になるまでは少なくとも年間130万円超の
      「遺族年金」が有る(月額換算で10万円超)
      したがって、「毎月、あといくらあれば暮らしていけるか?→30万円」と考えたため

     「収入保障保険」
     ★まずは会社の「団体保険」を確認。それ以外は下記
     ●損保ジャパン日本興亜ひまわり生命「家族のお守り」
     ●チューリッヒ生命「収入保障保険プレミアム」
     ●三井住友海上あいおい生命「&LIFE新収入保障保険Ⅰ型」
     ●アクサダイレクト生命「収入保障保険2」 ←喫煙者の場合
     ●オリックス生命「keep」         ←喫煙者の場合

     「死亡保険(定期)10年」 ←10年後に自動更新
     ★まずは会社の「団体保険」を確認。それ以外は下記
     ●チーリッヒ生命「定期保険プレミアム」   ←優遇割引?がある
     ●メットライフ生命「スーパー割引定期保険」 ←優遇割引?がある
     ●ライフネット生命「かぞくへの保険」
     ●アクサダイレクト生命「定期保険2」
     
    ②就業不能保険
     いざという時、いくらくらいもらえるといいか?
     →月額30万円ー傷病手当でOK?期間は一生涯?


     ★まずは会社の「団体保険」を確認。それ以外は下記
     ●ライフネット生命「働く人への保険2」 ←後田亨オススメ。
     ●チーリッヒ生命「くらすプラス     ←医療保険が主契約で「一商品=一機能」ではない
     ●アフラック生命「給与サポート保険」」 ←余計な機能(長期給付金無事故支払金)が余計?

    (③がん保険)
    →定期型がおすすめ
     ●アクサダイレクト生命「がん定期」
      ↑入院給付金と診断給付金だけのプランあり。入院給付金は要らないが…

     ●SBI損保「がん保険(自由診療タイプ)」
      ↑入院時の費用は全額、通院は1000万まで補填する保険なので、診断給付金なしを選択したい。

  • 「保険のプロ」が生命保険に入らないもっともな理由。後田亨先生の著書。普通だったら生命保険がいかに大切で生命保険に入ることをおすすめするのが保険のプロのはずだけれど、後田亨先生は生命保険の悪いところや無駄なところをわかりやすく解説されています。自分の利益やお金儲けのためであれば保険の宣伝をすれば良いはずなのに、あえて厳しい意見を言う後田亨先生のような人のお話こそ信頼したくなります。

  • 保険に入っている人全員に読ませたい。
    が悲しいことにそういう人ほど知識を取り入れず、硬い頭のままなのだ。

  • 今入っている保険の内容を確認し、必要な対応を取ろうと思った。エピローグに書いてあった、日本人は勤勉なのではなく単に従順で大量の広告や周囲の人の声などから醸成された空気のようなものに流されやすく、自分なりに物事を考え判断することにおいては怠慢だ、というコメントは刺さった。
    日本では顧客から手数料を取るブローカーではなく、保険会社から手数料を取る代理店方式を採用して保険の普及が推進されたが、この方式の役割は完了したと思う。保険業界はまだまだ販売側が優位な立場で進められる特異な業界。かと言ってブローカー方式に変更する空気にはならないんだろうな。それが日本。

  • 貨幣価値に左右される長期保険の恐ろしさを感じた。長期契約だと保証内容が時代に合わないリスクも捨てきれない。
    がん保険はどうなんだろうとも思った。がんがポンポン見つかる時代、保険会社は破綻するというのも説得力がある。がんに心配するわりに、地震や鬱に備えていない私たちは、考えているようで考えられていないのかもしれない。
    個人年金についてもう少し調べなきゃいけないと思った。国への不安をあおぎ、保険会社がすすめる。国にできないことを一般企業ができるのか?海外に住めよ。だという意見は心に響いたかな。

    将来が不安だと思うと、保険に頼りたくなる自分に一喝してもらえた気がする一冊。


  • 個別具体的な保険商品の事例とともに解説があるのでわかりやすかったです。
    ただし、保険会社の商品も最近は変わったり、税制面などの他の分野からのメリットも比較されているのより完璧と感じました。

  • ●保険会社で広告宣伝等に関わる人たちは、「不安に駆られた人は、常識的な判断ができなくなり、保険加入を急ぐ」と認識していて、広告の効果なども確認済みなのではないでしょうか。
    ●保険会社で働いている人たちは、社員向けの「団体保険」に入る。掛け捨ての安い保険で、子育てが終わるまで、あるいは定年まで、世帯主の死亡保障を確保する程度に留めているのです。
    ●還元率は50%の宝くじ。還元率は75%の競馬。還元率が40%から80%だとみられるが、判断材料が乏しい商品=保険
    ●正しい選択をすることより「気が収まる」ことを優先する。
    ●「もともと無いもの」を欲しがっているのではないか?ずっと安心していたいのはわかるとしても、そもそも完全無欠の法則などない。むしろないのが当たり前だろう。
    ●先のことはわからないのに、数十年後の保証を今決めてしまうというリスク。
    ● 2つのキーワードで考えるとわかる。①重大性(自分では用意できない大金が必要になることなのか) ②緊急性(今日明日にでも起こりうることなのか)
    ●医療保険にどうしても入るなら。「一生涯の安心は幻想ではないか」と冷静に考えられる人は、「都道府県民共済」保険料の3割位が保険会社の運営費に使われると見ている。しかし共済は12%弱が運営費。
    ●自動車保険に関しては、ほとんどの人が「自分で払える金額は自分で負担して、その分保険料を抑えよう」と言う判断ができる。生命保険も同じではないか。

  • 保険どうしよう、、

  • 若い時に読みたかった。大学生になったら読むべき本!

  • 後田亨さんの保険に関する本は、
    私の漠然とした保険に関する不安を、わかりやすく解消してくれるので好きです。

    今回の本は、対話形式だったので頭にスッと入りやすくより保険に関して理解を深めることができました。
    対話相手の中村さんの質問が
    まさに私が疑問に思っていたことの連発だったので
    ワンツーマンで授業を聞いているような感覚でした。


    病気になって冷静な判断ができなくなった時や迷った時は、自動車保険のこと(以下の本文)を思い出そうと思います。

    自動車保険に関しては、ほとんどの人が「自分で払える金額は自分で負担して、その分保険料を抑えよう」という判断ができるんです。ところが生命保険になると「日帰り入院でも2万5千円もらえる保険がいい!」とか、「掛け捨てはもったいない」とか急に変わるんです。
    何度でも言いますが、保険は1万円入金すると数千円の手数料が引かれるATMのような仕組みなんです。
    だから「自分では用意できない大金」が必要になる事態に限り利用する。
    お金が大事だったら、物にかける保険でも人にかける保険でも、この考え方を変えないほうがいいはずです。

    保険について自己学習をすると、
    自分にとって必要な保険、不要な保険がわかるので
    何歳になっても損をせず生きるには勉強が必要だなと思いました。
    とりあえず私も旦那も健康保険のみで、民間の保険は入らないままにしようと思います。

  • 対話形式なので読みやすい。

    ・保険は手数料が高い。
    ・健康保険の保証で充分。
    ・積立の保険は、払戻率が上がる払い込み満了時まで何十年もかかる。つまり大きなマイナスからスタートする保険であり、元本割れする期間が長いためデメリットの方が大きい。
    ・数十年後の保障を今決めるとリスクがある。
    ・入るべき保険は、子どもがいる家庭なら子どもが自立する年齢になるまでの死亡保険か収入保障保険、自動車所有者なら自動車保険(賠償責任の金額は無制限)。
    ・就労不能保険は団体保険で同様の保障がある場合がある。

    エピローグの「日本人は勤勉というのは間違った認識で、単に従順なだけ。人に流されやすく、自分なりに物事を考え判断することにおいては怠慢だ。」という文は胸に刺さった。

    保健に対する不信感は間違っていなかった。

  • 自分には本当に必要なのは、何なのか。
    保険にさえ入っていたら安心だと盲信せずに、改めて見直してみたいと思った。

    ただ、タイトルにある、「生命保険に入らないもっともな理由」というのは、本から読み取ることはできなかった。
    自分にとって都合の良いデータだけ出してきているような印象で、物足りない感じでちょっと残念だった。

  • 本書を読み、まず考えたのは「保険に入ることでの安心」とは何かだ。
    金融商品として保険を考えるのではなく、多くの方は安心を求めて保険に加入しているのだと思う。
    ただ、何をもって安心かと考えた際には、病気や死亡などで困った際にまとまった金が受け取れることかと推測される。
    そう考えた際には、本書で記載されている通り、必要とされている金を既に持っているのであれば、手数料の引かれる保険には加入しなかても良いという判断は、検討に値する。
    ライフスタイル等から「自分では用意できない大金」が必要になる時に一時的に加入することを自身で検討してみたいと思った。

  • 保険にはできるだけ入らない方がいい。なぜなら保険は損をしやすい賭けだから。例えば、がん保険は1%の確率で100万円が当たる17万円の宝くじのようなもの。それでも保険に入るなら、現役世代の死亡・就業不能に一定期間備えるケースに絞られる。まずは団体保険、共済から。保険の無料相談窓口は要注意。

  • 友達の影響から、社会人として保険に入った方がいいのではと思っている女性に対して、保険とはなんぞやということを丁寧に解説する内容となっている。
    保険業界は、お客に対して感情に訴えかけて、正常に判断させないようにし、言葉巧みに保険へ加入させるようにしている。保険はあくまでも保険。無駄な保険に入れば入るほど、自分のお金が減っていく、将来の貯蓄のはずなのに減っていく、気づいていないが本末転倒な行為をしている人は多いのではないかと思った。

  • 保険会社は儲かる様にはなってはいるな。

  • 当たり前なのにそれがわからないで無駄な契約をしている人や、これから保険加入すべきか迷っている人、ライフステージが変わったと感じた人、一度はこの本を読むべき。
    この本を否定するのは保険営業や代理店業で食っている人だと思う。立場変われば主張も変わる。保険屋さんからすると大変迷惑な本かも(誉)



    ライフステージ別のモデルプランは無意味。いくらお金を用意できるかで判断すべき。
    健康保険や福利厚生制度の保障が手厚い企業に勤めているのであれば、民間保険に加入する必要がない場合もある。
    論理的な思考をしないまま、情緒的な選択に走る消費者。それを煽る利益相反の関係にある保険営業。
    日本人は勤勉ではなく、従順。というのが正しい。大量の広告や周囲の人に同調し、自分で考え判断する人間は少ない。
    →考える力を持って無くして従順な人間を量産するのは教育指導要領に沿った教育の賜物であるはず。

    ポイントまとめ
    1.保険はお金が減りやすい仕組みなので、最小利用にとどめる。
    2.他人のお金を(保険料として)動かしたがる(営業担当や代理店などの)人や(広告・セールストーク・体験談などの)情報は疑ってかかる。
    3.保険契約は、多額の出費を伴うので、判断に迷う場合、「慎重になるのが当然」と考え保留する。

    お金に関していう場合のポイント

    1.極力、お金が増えやすい選択をし、お金が減りやすい選択は避ける。
    2.他人のお金を動かしたがる人や情報は疑う。
    3.判断に迷う場合、「慎重になるのが当然」と考え保留する。
    4.素人である家族、友人、知人の意見や体験談は重視しない。


    大人が常識で考えればわかることをわからなくしているのは、「不安」を利用した広告などの情報。

    不安な状態であれば、常識的な判断ができなくなっている可能性が高いので、落とせる。
    保険契約に要するコストも気にせず加入させられる。

    メディア広告で加入を薦めている保険商品ほど、手数料(=利益率)が高い。
    医療保険、がん保険、死亡保険の保険料には代理店手数料などを含めて保険会社の諸経費が20-60%含まれている。

    お金の不安を解消するために、お金を失いやすい手段を選択する、という馬鹿げたのとになる。

    ★入るなら、社員向けの団体保険。掛け捨ての世帯主死亡保障くらい。
    ★医療保険は国健康保険で十分。


    保険を売れば売るほど儲かる人が、保険のことを勉強してない人に話して、保険に加入してもらう。どんな構図か第三者視点で冷静に見ればいい。

    10年後にガンになる確率が1%の状況で、ガン診断時給付金100万円・掛金1437円/月のがん保険に加入するのは、1%で100万円が当たる17万円の宝くじを買うのと同じ。

    ●保険商品は、保険会社の経費を引いて残ったお金を何かあった人へ分配するので、加入者全体の収支は常にマイナスになる。当たり前。

    還元率
    宝くじは還元率50%弱で判断材料がある
    競馬は還元率75%で判断材料がある
    保険は還元率40-80%で判断材料が乏しい

    ●ギャンブルにはまると、「早く足を洗え!」と言われるのに、保険にはまっていないと「それでも大人か?」みたいな展開になる笑

    お金の心配をしている人が、お金が減りやすい仕組みにお金を注ぎ込んでお金が無くなる。やはりアホらしい。

    国の保障
    会社の保障
    健康保険組合の保障

    ★チェック対象
    健康保険の高額療養費制度。
    健康保険の遺族年金。遺族厚生年金。
    健康保険の傷病手当金。
    会社の福利厚生制度の死亡保障や医療保障
    会社の福利厚生制度の入院お見舞い金。
    健康保険組合の付加給付。

    保険は、10000円預けると2000-6000円の手数料が引かれるATMのようなもの。

    ●貯蓄性のある積立保険はクソだ。
    保障と貯蓄がセットであれば、保障にもお金がかかる分、貯蓄性は低いはずだと想像すべき。積立保険は加入時に手数料を取られるのでマイナススタートすることになる。販売した営業マンの歩合は増える。

    30年後には10%のせてお返しします。ですが、それまでに返すことになれば必ずマイナスになります。
    と言っている。

    ●30年払込満了の契約で、満了までいくのは3割程度。30年もあれば生活環境は変わるし、お金が必要になることもあるだろう。そんなことは契約開始時に想定できないので、結果的にはマイナス引き出しとなる。つまり、保険会社の利益になる。

    ★保険に限らず、難解な金融商品はハズレ。仕組みを複雑にすれば、手数料をたくさん抜きやすい。携帯キャリアの長期契約とかまさにそれ。情弱商売。

    保険数理の専門家「運用目的であれば、変額保険に入るより自分で投資信託を買うほうが良い」

    1990年代半ばまでは、金利が高かったので保険は貯蓄代わりになっていた。この時のイメージのまま時代に取り残されている老人はまずい。その子供世代で自分で考えられない人間もまずい。まずい人らはカモになる。カモは自分がカモであることを知らないまま生きていく。それでいい。

    ★保険の価値は保障に尽きる。掛け捨てを選ぶべき。

    ★商品販売において、売手と買手は利益相反の関係にあることを忘れないこと。

    ●外貨建て保険は手数料が高いので検討に値しない。

    将来のお金の価値は、額面より常に小さく評価する。これ常識。

    貨幣価値は変わる。1970年の大卒初任給は4万円くらいだったが、2000年だと20万円くらい。貨幣価値は1/5になった、と言える。給与は一つの基準なので、これ以外にも貨幣価値を測るものはある。

    保険に入れば保障があるから安心してくらせる、は思考や判断に願望が混じっているから。

    ●確率論より体験談が語られるほうが効く。

    ★一生涯安心みたいなものは論外だが、短期的な保障がある掛け捨て保険はアリ。

    個人向け金融商品を販売する際、国の制度の不安をあおると一般の人の関心を引きやすい。

    国はあてにならない、年金制度はもうダメだ、という人たちは海外移住すべき。のんびりしてる暇はないはずなのに、なぜしないんだろうね()

    保険業界において、学資保険はドアノック商品扱い。

    縛りを有効に使いたいなら確定拠出年金一択。iDeCoとか。さらに、手数料の安い投資信託を選ぶ。

    積立は、率より額。

    高齢者(65歳以上)を現役世代(20-64歳)で支えると仮定した場合は、胴上げ→騎馬戦→肩車のようにどんどんしんどくなっていくが、
    非就業者数(年齢不問)を就業者数(年齢不問)で支えると仮定した場合は、1970年に1.05人だったのが2010年で1.04人、2050年で1.10人になる見込み。
    →これは、高齢者の定義を変更するとともに、定年延長や終身雇用制度の拡大を国の方針として進めていることを言っている。

    死亡(定期)と就業不能は重大○・緊急○
    介護とがんは重大△・緊急△
    医療と貯蓄は重大✖️・緊急✖️

    著者・後田さんが加入しているのは健康保険のみ。

    死亡(定期)は子供がいる世帯主くらいのもので、老後に死亡にまで保険かける意味はない。死んでも経済ダメージは少ない。
    就業不能も生活費やら家賃・住宅ローン返済などへの対処が大変なので重大かつ緊急性高い。

    生命保険文化センター「平成27年度生命保険に関する全国実態調査」より
    →平均介護期間4年11カ月
    朝日生命の試算より
    →公的介護サービス利用時の年間自己負担額は要介護レベルにより20-43万円。

    がん政策情報センター調査より
    →がんに罹った時にかかるのは50-100万円程度

    学資保険や個人年金保険は、名前で騙されないように。保険商品である必要は全く無い。

    ★極論、現役世代が急死や長期就業不能状態に備えるためだけに保険を活用すべき。

    子供がいなくて、相続対策も不要なら死亡保険は不要。
    死後整理資金として200万円くらい必要、というセールストークには、葬式代やら戒名代とかお経代が含まれている。そんなもんいらん。不安や悲しみを利用したビジネスであるからして、そこに付き合う必要はない。

    著者・後田さんは戒名いくら、みたいなビジネスは理屈抜きで嫌い、とのこと。激同。

    就業不能保険は、フリーランスなら必要かもしれんけど、会社勤めで手当金が出たりするならいらんかも。

    保険料=安心料ではない。
    保険料=リスク管理費である。

    ★子供がいる世帯なら、収入保障保険を検討すべき。家計保障定期保険、生活保障保険など、保険会社によって呼び名は異なる。子供が自立するまでの一定期間加入となる。

    仮に子供がいる会社員が死亡すると遺族年金が年130万円ちょいもらえる。月額10万円。もし生活費として月額30万円必要なら差額の月額20万円の収入保障保険に入ればいい。
    35歳スタートだと、60歳までやれば十分。0歳の子供は25歳になる。
    55歳までやって、子供が20歳になるまでとしたら、保険料は月額5000円で済む。

    10年定期保険を自動更新する人たちは、保険会社からすると歓迎できない。保険金を払うリスクが高まっていく人たちなので。

    ★勤務先に団体保険があったり、業界に共済があれば、民間保険会社よりも先に検討すべき。保険料が安くて、特約などなくてわかりやすい、あるべき保険である可能性が高い。


    就業不能保険=長期所得補償保険
    免責期間(保険が支払われない期間)が長ければ長いほど、安い保険料で手厚い保障がされるはず。

    がん保険なら、診断給付金だけ、という設計ができるもの。
    「治療法別に給付金が支払われるがん保険」は無し。
    がん保険は、100万円を用意できない間の期間限定でやるべし。100万円いつでも出せるならやらんでいい。

    ★保険はコストが高い金融商品なので、なるべく入らないほうがよい。また、不確実性を考えると、保険が有効なのは遠い将来ではなく、近い将来なので、期間限定がよい。

    がん保険の定期型なら、入院給付金一本のSBI損保「がん保険(自由診療タイプ)」がよい。入院時費用全額と通院費1000万まで補填される。診断給付金がなくても大丈夫な内容。

    ●医療保険なら、都道府県民共済。
    共済は運営費12%程度なので、民間保険に比べて利用者負担が小さくなる。民間保険は経費20-60%だし。詐欺やん、民間保険。

    ●介護保険なら、パルシステムの「コープの介護保険」

    無料の相談窓口は、必ず商品販売で得られる手数料で運営しているので、保険営業や代理店となんら変わらない。

    相談するなら有料のFP?独立系でも、結局は代理店業も兼任してたりする。所謂「販売系FP」
    相談するなら、利益相反の関係にない人とするのがベスト。→そんな簡単に見つからないよな…

  • 賛成派・反対派の本読んだけど、個人事業主一本となると考え方大分変える必要あるな。とりまえず、団信+確定拠出。

  • 対話形式となっており、非常に読みやすく感じた。
    民間の保険を買う前に自身が加入している健康保険を確認する点、難解な金融商品にはハズレが多く注意が必要であると言う点は大変参考になった。新社会人や月々の保険料で悩んでいる方は是非読むべき一冊である。

  • 無駄に保険は入らなくていい
    という価値観のもとにわかりやすく解説がある。

    基本的に保険は3割の手数料がかかるからスタートはマイナスと考えるべき


    何かあったときに対応できない分を保険で埋めればいい。
    すなわち、医療保険だと100万ぐらいあれば足りることが多いからその分現金を用意できるようにする方が得。
    その方が期待値的に損する部分がなくなる

    個人年金型よりも確定拠出年金の方が税制優遇が多い。
    引き出さずに貯めるならそれでいい。

    引き出せるようにできる余地を残すなら、元を取れるのに20年もかかるような保険は向いていない。

    ドル建ては利率がいいが、引き出せないリスクと為替のリスクはしっかり考えるべき。
    保険会社は満金にならない人の方が多いと見ている。

  • 保険会社で働いてる人はCMに出てる保険には絶対入りたがらない。

    保険とは1万円入金すると3千円の手数料が引かれるATM。

    満期まで積み立てれば返戻金が110%超える保険で、30年先の払込満了時まで持ってる人は全体の3割もいない。↑7割元本割れで解約

    保険料に対する経費が明確じゃないがほぼ3割は手数料として引かれてる。↑明確にしないところがかなり怪しい。

    無料の保険の窓口は、保険の手数料を回収するビジネスモデル。売れば売るほど金が入る。

    後田さんの本を読んで。以前に医療保険は必要ない。と判断し、解約したけど正解だったな。っていうのと。すでに払ってる学資保険もとりあえずはまだ持ってるものの早く後田さんの本に出会っていれば、、、と、悔やむ日々です。

    無駄金。

  • 凄い面白かった。
    久しぶりに読んで良かったって思える本だった。

  • ガン保険で100万円もらえるのは100人中ひとり。
    80歳まででも29%。29万円の期待値のために100万円の保険料を払う。

    国の制度が当てにならないことをあおるのは保険会社の常とう手段。個人年金など。

    将来のことは長く働くことが一番。

    重大性、緊急性を大きく見れば保険、そんなでもなければ貯金。
    医療保険の一件当たりの給付額は10万、手術は10万。

    不測の事態は起きないがお金がかかりつづける事態、のほうが可能性は高い。
    貯金で100万円だせるなら、がん診断給付金100万の保険は必要ない。

    自動車保険に入るとき、安い車に車両保険を掛けないのは合理的。医療やがん保険で冷静な判断ができずリスクを大きく見積もってしまう。
    自動車保険と同じで、入り直しも考える。サンクコストにとらわれない。

  • 2018.06.15

    特に目新しい情報はなし。
    生命保険は貯金がなくて幼い子供がいる世帯だけ、子供が成人するまでに必要なお金のぶんだけ補填できるだけの保険に入れば良い。
    保険は負の宝くじ。
    ただ、この本では触れられていなかったが妊娠・出産したいと考えている人は掛け捨ての医療保険には入っていた方が良いのでは?と思う。

    -------
    2019.08.19

    読んだことを忘れており、図書館で借りて再読(笑
    過去の自分へのアンサー。
    妊娠・出産したが、たとえ切迫流産で入院したり帝王切開になったとしても高額療養費制度の対象だしわざわざ医療保険に入ってまで備えるほどの多額のお金は必要ない。貯金100万あればじゅうぶん賄える。

    よく主婦雑誌やマネー雑誌で死亡保険が必要となるケースとして30代夫婦、乳幼児1人がいる家庭がモデルに特集が組まれているが、その場合ほとんど奥さんは専業主婦またはパートの場合ばかり。
    今の時代、奥さんも夫と同等程度に稼ぐ共働き夫婦がたくさんいると思うけどそのケースはほとんど取り上げられていないのが不満。死亡保険は不要ってことでいいのかな。

  • 病気の時に公的保証制度だけで何とかなることが多いからしっかり調べるべき。健康保険組合などの付加給付など

    p186 そのままメモ

    実際、私は、保険関連の仕事をするようになって、「日本人は勤勉」というのは町がった認識だと感じるようになりました。単に「従順」で、大量の広告や周囲の人の声などから醸成された空気のようなものに流されやすく、自分なりに物事を考え判断することにおいては怠慢だ、と思うことが多いのです

    (他の話で「日本人は流されやすい」という人がいてその通りだと思っていたら、こういう保険の話でもそれがでてきてあぁやっぱりという納得さ。)


    これがほんとに正しくて、この本が世の中に必要な理由とそのまま同じなのでは、と思う!

  • 節約や投資信託の勉強を少しずつしていたが、生命保険という商品については勉強が足りないと思って購入。

    損はしないかと思い、個人年金に加入しているが、額面は確かに増えたとしても、貨幣価値は落ちるので、結果的には増えない(むしろ減る)という貨幣価値の変動リスクの話にはハッとさせられた(p95)

    一番心に残ったのは、

    「10年先ですらどうなっているかわからないのに、20~40年後に自分がどうなっているか、どんな社会になっているかなんて、誰もわからないですよね?」
    ーわからないから、備えておくといいんじゃないですか?
    「だから、わからないことにどうやって備えるんですか?(笑)」(p91)

    というやり取り。
    わからないことに備えられるはずがないのに、保険に入っておいたら安心というのは、幻想なんだというのがよくわかった。
    だからこそ、具体的な、短期の保険が、入るとしたら必要な保険なのだということが腑に落ちた。

  • 保険を検討している人との相談形式で読みやすかった。保険の基本理念の”掛け捨て”。これが理解できると保険選びの目安になる。個人的にはiDeCoのお得度が理解できたのがよかった。

  • 別記

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著者プロフィール

「保険相談室」代表
1959年生まれ。長崎大卒。95年アパレルメーカーから日本生命へ転職。約10年、営業職として在籍。2005年より複数の保険会社の保険を扱う乗り合い代理店へ。12年より現職。保険の有料相談、執筆、講演等に従事

「2021年 『生命保険は「入るほど損」?!<新版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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