粘菌: 驚くべき生命力の謎

著者 :
  • 誠文堂新光社
4.13
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本棚登録 : 184
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784416207116

作品紹介・あらすじ

動物?植物?粘菌の不思議な魅力を鮮明にとらえた貴重な写真の数々。まるで森の中の宝石!250点余りに及ぶカラー写真を解説付きで掲載!子実体の美しさ、巨大アメーバーの奇妙さ、粘菌の生き様の特異性を存分に楽しめる。

感想・レビュー・書評

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  • これはすばらしい。
    副題は「驚くべき生命力の謎」だが、もちろん、この本で、粘菌の謎が解明されるわけではない。でもそれでいいのだ。まずは膨大な美しい写真を見て、粘菌という「謎」に「驚くべき」なのだ。その造形美に、そこかしこで生きている多種多様な数々の種に。
    巻末のコラム風の解説もおもしろいと言えばおもしろいが、やはり写真が圧巻である。
    一見の価値あり。

    *マンジュウホネホコリ(白いから骨、丸いから饅頭・・・?)、ウルワシモジホコリ(赤い美しい色だから?)、アミクモノスホコリ、ユガミモジホコリなど、名前も楽しい。アイルリホコリの美しさには息を呑む。

    *軸があって上が丸い子実体の形は、不安定なように思えるが、胞子を飛ばすにはよい形、なんだろうか?

    *イグノーベル賞は記憶に新しい。何か、数理系の人のココロをくすぐるものがある生き物なんだろうなぁ。

    *粘菌と言えば熊楠、と思ってしまうが、昭和天皇の功績も大きいとのこと。戦後は日本の研究の系譜は一時途絶えてしまったんだそうだ。

    *粘菌、株を分けてもらって、ちょっと飼ってみたことがある。それなりに楽しかったのだが、少々緩慢で、しばらくして継代をやめてしまった。
    どこにでもいるだけに育てやすいと思われがちだが、実はそれほど培養しやすい生物ではないとのこと。今にして思えば、前に育てていた株、きっと培養しやすい種だったんだな(モジホコリ、だったんだろうか?)。本書に出ているあれやこれや、すべて育てられるというものではないのだろう。

    • bokemaruさん
      図書館で借りてきて、気持ち悪っ、でもキレイ!などと騒ぎつつ楽しんでいます。
      粘菌飼育(?でいいのでしょうか…?)されたことがあるなんてすご...
      図書館で借りてきて、気持ち悪っ、でもキレイ!などと騒ぎつつ楽しんでいます。
      粘菌飼育(?でいいのでしょうか…?)されたことがあるなんてすごい!さすがぽんきちさんです。
      まだしばらくは、このキモウツクシイ写真を楽しみたいと思います。
      2012/08/14
    • ぽんきちさん
      bokemaruさん
      コメントありがとうございます。
      この本の粘菌、美しいですよね(そしてまた気持ち悪い要素があるのも事実(^^;))。...
      bokemaruさん
      コメントありがとうございます。
      この本の粘菌、美しいですよね(そしてまた気持ち悪い要素があるのも事実(^^;))。
      寒天培地上で、オートミールを与えて、などとしばらくやっていました。でもなにぶん、動きが緩慢でねぇ・・・(^^;)。
      乾燥状態で保存が出来るので、まだとってはあります。生き返るかなぁ・・・?
      2012/08/14
  • きれいな写真とあまり知られていない生態の説明。見たことないものや、見てはいても知らなかったものを知ることは、楽しい。
    大型本ですが、ソフトカバーだし厚くないのであまり重くなく、写真が大きくて見やすい。

  • たかが粘菌、されど粘菌!

    粘菌といえば、いつだったかイグノーベル賞かなんか、もらった人がいなかったっけ??などというあやふやな記憶とともに手にする。
    うわ~、気持ち悪…あっ、けどなんかキレイかも…。でもこんなんどうやって撮影すんの~?!などと、ざわざわしつつ写真を眺める。
    よく見れば、撮影のカメラマンは、以前河野裕子氏のエッセイ「桜花の記憶」に出てきた伊沢正名氏ではないか!なぜかご縁を感じつつ先へ。
    巻末には、粘菌に関連する研究者の面々の読み物が。
    これがまた面白い!
    粘菌ロボットやら、迷路を進む粘菌(こちらがかの賞を受賞された先生らしい)、宮崎駿氏の「風の谷のナウシカ」に登場する粘菌、そして粘菌の歴史などなど、コンパクトながら非常に読み応えがあり、なにやら粘菌に関する別の文献にまで手を出してしまいそうな自分がいる。

    粘菌が「考える」かのようにみえる働きは、人間の脳の働きとよく似ているというのがとても印象的だった。
    粘菌が、人間の、ひいては生物の生命活動の全貌を解き明かす日が来るのかも!!
    侮るなかれ、粘菌。

    どうでもいいことですが。
    あとがきで、その伊沢氏がたまたま居合わせた菌学会の重鎮に、変形菌の第一人者を紹介してもらい、そこから粘菌の世界に入るに至った経緯を披露しており、こういうのを読むにつけ、出会いって大事なんだよね~などと感慨にふける私なのでした。

  • 気持ち悪過ぎる。
    本としては写真も大きくて粘菌を学ぶにもわかり易く書いてあるのでいい本だと思います。でもやっぱり気持ち悪過ぎる。
    モザイクのように密集したすっげープチプチは勿論のこと、今にも胞子吹き出そうとしてるのとか、ニョロニョロみたいのとか。
    でも何より、その成長過程にいやらしい虫酸が走ります。生きるってグロテスクな事ですよね。

  • もう美しすぎて圧倒されます 宝石みたい

    ナウシカの世界 

    粘菌たちが巨大化したとことか想像しながら
    鑑賞しました きっと素敵 良い子たち

    粘菌の正体わかるかなあておもて読んだけど
    まったくもって 謎 謎 そこが魅力

    南方熊楠 そりゃ魅せられるわーておもた

    UFOと妖怪ときのことウミウシと粘菌て似てる

  • あぁもう、きれい!!!!
    かわいい!
    きもちわるい!

    素晴らしい写真で見る粘菌の生態。
    大型本なんて買ったことなかった。

  • 「風の谷のナウシカ」の世界です。ナウシカが研究していたあの「腐海」の世界です。デザイナー魂を刺激される写真がいっぱいです!
    すっごいきれいです。そして、この手の本にしては珍しく?写真だけじゃなく記述ページが面白い。粘菌の生態はロボット工学にも影響を与えているなど、哲学的にも非常に面白かったです。「風の谷のナウシカ」と絡ませて書かれている叶氏の文章もすごーーく興味深かった。

  • 色鮮やかで、美しくも不気味な、未知なるその世界。
    何頁にもわたって、様々な「粘菌」のオンパレード!
    原作「ナウシカ」での場面も紹介されていた。
    むむむ・・・「粘菌」、あなたの(私だけ?)知らない世界でした

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「色鮮やかで、美しくも不気味な」
      「きのこ」の本は知らないうちに増殖しているのですが、「粘菌」の本は、、、しかし妖しい魅力があって、いつ書棚...
      「色鮮やかで、美しくも不気味な」
      「きのこ」の本は知らないうちに増殖しているのですが、「粘菌」の本は、、、しかし妖しい魅力があって、いつ書棚に収まってもおかしくないのが恐い。。。
      2013/03/02
    • ようちんさん
      「きのこ」関係もおもしろいし、絵的にも好きですが、
      しかし、「粘菌」の魅力といったら・・・もう~っ!
      ぜひとも、nyancomaruさんの書...
      「きのこ」関係もおもしろいし、絵的にも好きですが、
      しかし、「粘菌」の魅力といったら・・・もう~っ!
      ぜひとも、nyancomaruさんの書棚にもおひとつどうぞ!!
      2013/03/03
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「粘菌」の魅力といったら」
      6月に平凡社が出す「森のふしぎな生きもの 変形菌ずかん」のPRによると、、、「キノコ、ウミウシ、コケの次には変...
      「「粘菌」の魅力といったら」
      6月に平凡社が出す「森のふしぎな生きもの 変形菌ずかん」のPRによると、、、「キノコ、ウミウシ、コケの次には変形菌がくる!?」。そういう運命なんだと諦めています。。。
      2013/05/15
  • 何で読もうと思ったのかわからないが意外と綺麗というか不思議な写真集だった。
    好き嫌いは分かれると思う、ものすごく派手でわかりやすいものはないし、ネトネト系だし。
    粘菌のアメーバとか、胞子は知ってても、変形体とか子実体とかは知らなかった。
    カビが近縁種という事とか、ナウシカのアレは粘菌だったのか、とか微妙に知識が増えた気がする。

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA81746943

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著者プロフィール

翻訳者として、ポール・ヒル、トーマス・クーパー著『写真術――21人の巨匠」(共訳、晶文社、1988年)、サンドラ・P・トーマス、ハワード・R・ポリオ著/川原由佳里監修『患者の声を聞く――現象学的アプローチによる看護の研究と実践』(エルゼビア、2006年)、子どもの貧困アクショングループ編/松本伊智朗監訳『子どもの貧困とライフチャンス』(かもがわ出版、2021年)などの訳書がある。

「2023年 『新版 貧困とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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