地球のささやき

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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422930299

感想・レビュー・書評

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  • 5月の連休に日本に帰ったとき、最新作の『地球交響曲第六番』を見に行く予定なので。
    改めて監督の本を読み返してみました。

    第五番に出てきた天河神社、第一番のころから監督と縁があったんですね。第六番も完成後、天河神社で奉納のための神事もやったそうです。

    いつも新たな感動がある地球交響曲シリーズ、第六番を見るのは、本当に楽しみです。

  • 映画『地球交響曲』の監督龍村仁さんのエッセイ集。
    映画に登場した人々について、地球、自然、旅での経験談等面白い内容です。

  • '95当時の読書メモより。
    自然に逆らわず自然と共に生きることや、人間が本来持つ力のことなど興味深い話がたくさん。

  • 人間は、自然の一部である。
    その自然の一部であるということが
    とても尊いことである。
    人間を形づくっている原子は、
    地球誕生以来の原子が、
    存在しているかもしれない。

    「今、ここにいるのは、
    <私>であって<私>でなく、
    すべての生きとしいける者としての
    <我々>なんだ。

    それも、今、この瞬間に、眼下に拡がる、
    青い地球に生きるすべての生命、
    過去に生きたすべての生命、
    そして、これから生まれてくるであろう
    すべての生命を含んだ<我々>なんだ」
    宇宙飛行士 シュワイカート アポロ9号

    数年前、人類は<私>という個体意識を
    持ち始めたことによって、
    他の哺乳動物たちとわかれ、
    人間になった。<私>がいる、
    という意識=個体意識が生まれた時、
    人間は、肉体的なひ弱な<私>を守り、
    より安全に、より豊かに生きるために、
    さまざまな工夫を始め、
    道具や技術を生み出した。
    現代の科学技術文明はその延長線上に築かれている。

    <私>の身体が触れることのできる
    身近なことは、
    リアルなことと感じることができるが、
    身体から離れた遠くの出来事は、
    無関係に思えてしまう。
    このズレが、今の地球の危機を生み出している。

    人間の身体は、もともとすべての自然、
    すべての生命とつながったものだ。
    <私>はもともと<我々>だったのだ。
    科学技術を進歩させる過程で
    人間はそのことを忘れかけていた。

    人は誰でも、花や木や鳥や鯨と話ができるし、
    人工の通信手段を使わずに遠くの仲間と交信したり、
    風や雲などの自然現象と対話する能力を持っているはずだ。

    自分が、身体をもってこの世に生きている
    ことを心から喜んでいる。
    その喜びが、言葉を越えて、
    身体から直接つたわってくる。
    自分の生命が、自分の所有物ではなく、
    太古から連綿と受け継がれてきた、
    大きな生命の一部分であることを、
    頭ではなく、からだで知っていて、
    そのからだに感謝している。

    我々の祖先たちは、遠く離れた世界の各地で、
    <自然のすべての現象の中に神が宿る>という、
    同じ自然観・生命観を抱き、
    宇宙創生や生命誕生についての、
    同じ神話や伝説を生んだのだ。

    こころで思うことが、現実になる。
    そのことを、言葉の意味としてではなく、
    心の波動として伝えてくださった。

    鯨や象が高度な知性を持っていることは、
    多分間違いない事実だ。
    しかし、その知性は、科学技術を進歩させてきた
    人間の知性とは大きく違うものだ。
    人間の知性は、自分にとっての外界、
    大きくいえば自然をコントロールし、
    意のままに支配しようとする、
    いわば「攻撃性」の知性だ。

    この「攻撃性」の知性をあまりにも進歩させてきた
    結果として、人間は大量殺戮や環境破壊をおこし、
    地球全体の生命を危機に陥れている。

    これに対して鯨や象の持つ知性は、
    いわば「受容性」の知性、とでも呼べるものだ。
    彼らは、自然をコントロールしようなどとは
    一切思わず、その代わり、この自然のもつ無限に
    多様で複雑な営みを、できるだけ繊細に理解し、
    それに適応して生きるために、
    その高度な知性を使っている。

    アマチュア天文家 木内鶴彦
    「新しい彗星をさがすこと」
    「星をみる喜びを多くの人たちと分かち合うこと」

    肉眼ではじめて土星の輪をみた時、
    すなわち感動とともにそれを体験した時、
    人は誰でも、この宇宙の壮大な広がり、
    無限の時間、そして、その美しさを実感できるようになる。

    この実感が、宇宙的な視野から自分自身を見直す眼を、
    無意識のうちに与えてくれる。
    自分が宇宙の大きな生命の一部分であり、
    それは永遠に続いており、そしてこの地球上のすべての
    生命がひとつのつながりのものだということ
    を思い出すはずだ。

    自分自身の身体の内側に樹と交感できる何かが
    確かに存在し、自分自身の内側との対話によって
    いつでも思い出せるものなのだ。

    西川千麗「しん女」
    「見えぬその眼は何を見る。
    色とりどりの世の中に
    真の色はただ一つ
    色にあらざる風の色」

    見えない世界=宇宙の魂 universe mind

    ものは光が当たることによって見える。
    光があたることによって影の部分が生まれる。
    私たちは光があたった見えるものだけを
    実在と信じてしまう。
    しかし、そこには見えない影の部分が
    同時に生まれ、そしてそのすべての源に
    光そのものがある。

    私たちは光そのものは見えない。
    しかし、その光の実在を感得できる心がある。

    ダライラマ
    「真実とは空であり、
     空とは満たされていることを意味し、
     自然の一切の法則は空の中にある。」

    心で想う
    自分の目の前に存在するきわめて
    日常的な現実に、誠心誠意とり組んでいこう
    夢は、目の前の現実の中にある
    目に見えない世界は、目に見える世界の中にある。
    旅の目的地は、旅することによってはじめて生まれてくる。
    真実は、理解するものではなく、求めつづけるものである。

  • イルカ、オルカ、像の話がおもしろかった。知的生物。

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著者プロフィール

映画監督。1940年生。京都大学文学部卒業後、NHK入社。同社退職後、ドキュメンタリーなど多くの作品を手がけ、92年、映画『地球交響曲』で絶賛を博す。以来「第一」~「第五」番の自主上映会が全国で続いており、2007年春には『地球交響曲 第六番』が全国各地で公開予定。

「2007年 『魂の旅 地球交響曲第三番』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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